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ニュースなどの話題で耳にすることが多いドローン(Drone)という単語。「こういう話題は詳しくなくて……」という方でも、きっとテレビやインターネット、新聞などで見かけたことはあるはずです。でも、「ドローンってなに?」「名前の由来は?」「何に使うの?」「どんな種類があるの?」というギモンにスラスラと答えられる人は少ないかもしれません。
そこで、本記事では「ドローン(Drone)とは?」という素朴なギモンや関連情報を基本から応用まで徹底的にまとめてみることにしました。 すでにドローン情報を追いかけている方々には「釈迦に説法」かもしれませんが……イチから基本的なコトを知りたいという場合はきっとお役に立てる内容になっていると思いますので、ぜひ、チェックしてみてくださいね!
サクッとわかる! ドローンのキホン
ドローンの意味、定義は?
ドローンの意味を30秒で解説!
とてもザックリ大雑把に言うと、ドローンとは「空を飛べるけど、人が乗って操縦しない機体」です。これをもうちょっとムズカシイ言葉で言うと「無人航空機」となりますね。ボクらがよく知る飛行機やヘリコプターは人が乗って操縦する「有人航空機」ですが、ドローンはこれとはまったく別物というわけ。人が乗って操縦するか、乗らないで操縦するか、という点がドローンの定義のポイントになるのです。
» 参考:無人航空機|ウィキペディア » 参考:マルチコプター|ウィキペディア
また、より厳密な定義としては航空法に以下の通り記載があります。
飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船であって構造上人が乗ることができないもののうち、遠隔操作又は自動操縦により飛行させることができるもの(200g未満の重量(機体本体の重量とバッテリーの重量の合計)のものを除く)です。いわゆるドローン(マルチコプター)、ラジコン機、農薬散布用ヘリコプター等が該当します。
出典:飛行ルールの対象となる機体|国土交通省
ところが、「ドローン」という言葉が一般的にはもう少し「ユルく使われていることが多い」というややこしい問題があります。
「ドローン」と言われることがある物
- 200グラム以下の機体もドローンと呼ぶことが多い
- 人が乗る場合でも小型で自動操縦できる機体をドローンと呼ぶことがある
- 水中や地上を移動する無人機をドローンと呼ぶことがまれにある
このようなケースは「なぜ?」という理由をちゃんと説明するのは難しいのですが……ざっくり大雑把に遠隔操作や自動操縦ができる機体をドローンと呼ぶ人がいるという感じでファジーに理解する必要があるようです。
英単語「Drone」の意味
英語の「Drone(ドローン)」の意味を調べた結果は以下の通り。ドローンにはけっこういろいろな意味があるんですね!
drone [droun] ━━ n. ミツバチの雄; なまけ者(idler); (ハチ・飛行機の)ぶーん(といううなり); (リモコン式の)無人機; (バグパイプの)ドローン管. ━━ vi. ぶーんという(buzz); ものうげ〔単調〕な声で話す; なまける.
出典:drone [droun]|三省堂ウェブディクショナリー
ドローンの名前の由来
正確な出典は不明ですが、ドローン(Drone)という英単語は、もともとオスの蜂(ハチ)を指す言葉でした。そして、マルチコプターが飛行する際にプロペラから出る「ブーン」という音が蜂が飛ぶ時の羽音に似ていることから、マルチコプターを「ドローン」と呼ぶようになったという説があります。
また、1979年に発表されたSF小説『未来の二つの顔』にドローンが人類と対決する重要な役割で登場することから、この言葉を広めるきかっけになったとされることもあるようです。
ドローンの注目度合いは?
ドローンに対してどれくらい社会の関心が向けられているかを示す一例として、Googleで検索された回数の推移を調べてみました。以下の写真のグラフは青線が「ドローン」で検索が行われた回数の増減傾向を示しています(実際に検索された回数ではありません)。
この記事を書いている2017年8月から遡って2年前からのトレンドを見てみると「ドローン」の検索回数は増加傾向にあることがわかります。多少の凸凹はありますが、この2年間で3倍近くに増えています。
また、比較のためにピックアップした「携帯電話(赤線)」「デジカメ(黄色線)」と並べてみると、2年前には「ドローン」のほうが検索回数が少なかったものの、直近では「ドローン」の検索回数がほぼおなじ水準まで増加していることがわかります。
ドローンの種類
・画像は筆者撮影。以下、同じ
狭義のドローンは小型の無人航空機を指しますが、広義では遠隔操作や自動操縦ができる機体全般を指す場合もあります。以下では、広義のドローンについて、形状毎に代表的な物をまとめました。
マルチコプター(マルチローター)型ドローン
日本で普通に見かけるドローンと言えばコレ! と言っても過言ではないモデルです。複数(最も一般的な機体は4枚)のローターを回転させることで揚力を発生させつつ飛行する仕組みです。ローターを回す方向を変えることで反作用を発生させ、機体そのものが回転するのを防ぎつつ、ジャイロセンサーや気圧センサーGPSなどのデータを統合して姿勢制御や高度維持、自動飛行などを行う機体も登場しています。なお、ローターの数によって、クアッドコプター(ローター4つ)、ヘキサコプター(ローター6つ)、オクトコプター(ローター8つ)などと呼ばれる場合もあります。代表的な機体としてはDJI『PHANTOM』シリーズや『MAVIC PRO』Freefly『ALTA』シリーズなどが存在します。
PHANTOM PRO 4
また、ローターを大型化したり数を増やすことでより重い物を飛ばすことも可能で、人を乗せて飛行するマルチコプター型の「ドローン・タクシー」も実用間近のようです。
EHANG(ドローンタクシー)
※ 空飛ぶタクシーの登場は02:07頃から。人が乗ったらドローンじゃないのでは? というツッコミはひとまず置いておきましょう
固定翼型ドローン
軍事用ドローンはミサイルやレーダーなど重量のある装置を搭載し、長距離を飛行するため固定翼型が多数派です。代表的な機体としては、ハリウッド映画などでもおなじみのノースロップ・グラマン『MQ-1 プレデター』やジェネラル・アトミックス・エアロノーティカル・システムズ『RQ-4 グローバルホーク』『MQ-9 リーパー』などが存在します。
MQ-9 Reaper
民生用では、固定翼ドローンはマルチローター型とくらべて圧倒的に数が少ないですが、パロット『DISCO』などモデルが存在します。
DISCO
水中用ドローン
狭義のドローンは無人航空機を指す言葉ですが、近年では水中を移動する無人機も「ドローン」と呼ぶことがあるようです。レクリエーションとして水中撮影を楽しんだり、釣りなどの際に魚群を見つけたりするための利用が主な用途として想定されています。
PowerRay
ドローンの用途
ドローンの用途は大きく分けて、軍事用と民生用の2つに分かれます。
軍事用ドローン
先に挙げた軍事用ドローンはおもにアメリカやイスラエルで開発が進められており、空中からの偵察や攻撃など幅広い用途に使用されています。軍事用ドローンは撃墜された場合でも運用側はパイロットを犠牲にするリスクがない反面、無人機による攻撃により民間人が巻き添えになっているという報道もあり、賛否が分かれるテクノロジーの利用法となっています。
民生用ドローン
日本で普通に生活している限り、軍事用ドローンと関わることは無いと思います。なので、関係があるとすれば民生用ドローンになるわけですが、この民生用ドローンは大きくわけて3つのジャンルに分けられます。
産業用
農薬や肥料の散布に使われるDJI『Agras(アグラス) MG-1』や、整備点検用の『MATRICE 200』やAmazonが開発を進めているという配送用ドローン(正式名は不明)などがこのジャンルに含まれます。
レース用
日本国内ではドローンレースが開催されており、速度や操縦の腕を競う競技としてレーサーたちが取り組んでいます。なお、主な団体と大会としてはJDRA(一般社団法人日本ドローンレース協会)が主催するJAPAN DRONE NATIONALS、Drone Impact Challenge実行委員会が運営する同名の大会や、Japan Drone Leagueが主催するJDLレース、石垣市のドローン利活用推進実行委員会によるISHIGAKI DRONE RACE、一般社団法人ドローン普及協会が行うハッピーバード ドローンフェスなどが開催されています。
ホビー用
趣味としてドローンを楽しむ場合は写真や動画の空撮目的で利用されるケースが圧倒的に多数です。ドローンの黎明期から機体の製造を続け、民生用機体の市場では世界最大のシェアを持つDJIに筆者が取材を行った際にも、ホビー市場としては空撮のニーズが最も高く、それに応えるためにカメラやジンバル(スタビライザー)の開発を行っているとのことでした。
ホビー用ドローンのおすすめ情報などは、以下の記事にまとめていますので、ぜひ、こちらも併せてチェックしてみてください。
また、教育用ロボットというジャンルもあり、中国のMakeblock社が開発したプログラミング可能なドローンなども登場しています。
» クラッシュを恐れず遊べるドローンAirblockインプレ|ビバ! ドローン
民生用ドローンの主要製造メーカー
世界の3大主要メーカーはDJI、Parrot、3D Roboticsであり、軍事用を除くドローンのシェアは中国のメーカーであるDJIが7割を占めています。
なお、日本のメーカーは海外でも国内でもシェアを奪うことはできておらず、特殊なログ解析などの必要性がある行政機関などで一部採用されているのみという状況です。
おもなドローンメーカーの一覧
DJI(中国)
» DJI公式サイト » 謎の4輪戦車もある! DJI深センショールームフォトレポート|ビバ! ドローン » DJI JAPAN、潜入フォトレポート!|ビバ! ドローン
Parrot(フランス)
3D Robotics (アメリカ)
» 3DR公式サイト
株式会社エンルート(日本)
株式会社エンルートM’s(日本)
株式会社自律制御システム研究所(日本)
株式会社プロドローン(日本)
京商株式会社(日本)
ドローンの今と未来
世界のドローン市場
全世界の軍事用を除くドローン市場においては、DJIが70%程度のシェアを持つと言われており、趣味の空撮から点検、測量、救難に農薬や肥料散布用など、幅広い用途の機体で圧倒的存在感を持っています。
» 世界シェア|DJI
米国のドローン市場には『ロングテール』などのビジネス書の著者としても知られるクリス・アンダーソンが率いる3DR(スリー・ディー・ロボティクス)が真っ先にドローンの販売を行っていましたが、2015年主力機『Solo』などの販売を終了。2017年に入って、ホビードローン市場をあきらめ産業用に特化しつつ、オープンソースプラットフォームとしての生き残りを模索するなどの動きを見せています。また、同時にアメリカ軍がDJI製のドローン利用を禁止するなど、3DRには好機となる動きもありますが、依然先行きは不透明です。
» 新たにオフラインモードを追加。DJIが自社ドローンのセキュリティ改善を発表したのは…|ギズモード
欧州には『A.R.Drone』を手がけるフランスのParrot(パロット)社が市場の黎明期から存在していましたが、2017年に入りドローン事業部員の3分の1にあたる290名のリストラを行うなど、不振が伝えられています。
» 仏Parrot、ドローン事業290人をリストラへ。低価格攻勢のDJI前に開発資源集中をはかる|エンガジェット
なお、アメリカの調査会社ガートナーによれば、2017年には全世界で約300万台のドローンが出荷され、市場規模は前年比34.4%の成長を遂げているとのことです。
» Gartner Says Almost 3 Million Personal and Commercial Drones Will Be Shipped in 2017|Gartner
また、矢野経済研究所はグローバルでのドローン市場の規模は2022年までに2兆2000億円超の規模に成長するとの予測を発表しています。
出典:図表:ドローン(UAV/UAS)世界市場規模予測|矢野経済研究所
日本のドローン市場
日本国内のドローン関連市場は2022年までに2100億円市場への成長が予測されるなど、先行きは有望。新たな産業や雇用を創造する起爆剤として期待を集めています。
2016年度の日本国内のドローンビジネスの市場規模は353億円と推測され、2015年度の175億円から178億円増加しています(前年度比102%増)。2017年度には前年度比51%増の533億円に拡大し、2022年度には2116億円(2016年度の約6倍)に達すると見込まれます。
出典:2016年度の国内のドローンビジネス市場規模353億円(前年度比102%増)、2022年度には2116億円に拡大|インプレス
» 参考:ドローンビジネス調査報告書2017 ニュースリリース|インプレス » 参考:ドローン国内市場規模調査|MM総研 » 参考:ドローン(UAV/UAS)世界市場の調査を実施|矢野経済研究所 » 参考:30年に千億円市場 業務用ドローン、普及のシナリオ |日本経済新聞
ドローンに対抗するための装置まである
成長著しいドローン市場ですが、テロなどに悪用されるリスクがつきまとうのも事実。
そんな状況を受けて、ドローンに対応するための武器や仕組みの開発も進められています。
» 150万ドルのシステムからDIYまで、ドローン防衛技術6選|ビバ! ドローン
日本の無人航空機市場はドローンファンドが育てる
ドローン関連スタートアップ企業を投資対象とする日本初の『Drone Fund(ドローンファンド)』がコロプラ共同創業者で起業家・個人投資家の千葉功太郎氏により2017年6月1日設立されました。同ファンドは日本国内のドローン関連事業に10億円超の投資を行う予定です。
※ 本サイト『ビバ! ドローン』を運営するドローンデパートメント株式会社はドローンファンドの出資先です
» 参考:DRONEFUND
BtoCドローン市場の今と未来
今
記事作成時点(2017年中旬)における日本のホビードローン市場は空撮や、シンプルに飛行そのものを楽しむケースが中心でこのマーケットにおいてはDJIが圧倒的なシェアを持っています。
また、小規模ながらヘリラジメーカーが売り出すホビードローンなどが市場開拓に取り組んでいるという状況です。
未来
将来的に見ても、よほど大きなトラブルなどが無い限りDJIの優位性は崩れることはないでしょう。例えるなら「Android不在、iPhoneのみのスマホ市場」のような状態のため、健全な競争が進むためにもDJIと切磋琢磨できるライバルが登場することが待ち望まれます。
BtoBドローン市場の今と未来
今
現在のBtoB市場は空撮や点検、測量などのニーズが中心です。工事現場の進捗を把握するために空から写真を撮影したり、太陽光パネルや橋などの施設を点検したりするといった用途で実際にドローンの活用が進んでいます。
未来
先のインプレス総研の調査によれば、最もドローンの活用が進み市場規模が広がるとされており、リモートセンシングなどを活用した農業分野での利用も期待されています。
また、首相官邸が発表した「小型無人機の利活用と技術開発のロードマップ」では、2020年代に目視外で有人地帯の上空を飛行し都市を含む地域における荷物の配送などでドローン利用をすすめる目標が掲げられています。
» 参考:小型無人機の利活用と技術開発のロードマップ |首相官邸
また、ドローンファンドを主催する千葉氏も「5年以内(※編集部注:2022年)にドローン前提社会がおとずれる
」と予測するなど、ドローンを活用したサービスが急速に社会に浸透すると予測しています。言い換えればこのような社会は「ドローンが当たり前のように存在する」「ドローンがインフラ化している」状況だとも言えるでしょう。例えば、2017年現在『メルカリ』などのフリマアプリで買い物をしたり、『スノー』の自撮り写真を友だちに送ることが「普通」になっているように、ドローンを利用したサービスが使われる時代はそう遠くないかもしれません。
まとめ
ドローンと呼ばれる無人航空機は軍事用と民生用の2種があります。民生用ドローンにおいては、『PHANTOM』シリーズなどで知られるDJIが大きなシェアを持ち、現時点では空撮や点検、測量などの分野で既に活用が進んでいます。日本におけるドローンの利活用は、2020年代には都市部での配送に使用される目標が首相官邸によって掲げられ、2022年には2100億円市場に成長するとの予測もあるなど、急速な成長が期待できます。「空の産業革命」と言われるドローンの進化が、果たしてどのような未来をもたらすのか? これからの展開から目が離せません。