「ファンの裾野を広げて、ドローン文化を創っていきたい」と語るのは、2017年7月12日にオープンした『VIEWN Tokyo Base』代表の森健司さん。
PARCO、ラフォーレ原宿などでファッションとサブカルチャーのコラボレーション企画を手がけてきたという彼が、今新しく挑戦するのはドローン・ファンのためのショップ兼コミュニティ・スペース作りです。
ドローンという「ハイテクとデジタルの申し子」からはにわかに想像しづらい「カルチャー」をテーマに活動を始めたVIEWN Tokyo Baseとは、いったいどんな所なのか? 現地からフォト・レポートをとインタビューをお届けします。
もくじ
VIEWN Tokyo Base 現地取材レポート
周辺の様子
敷地面積5000平方メートル地上13階建ての『the SOHO(ザ ソーホー)』は、スタートアップやデザイナー、クリエイターが集う巨大なレンタル・オフィス群。VIEWN Tokyo Baseが出店しているのは、このビルの1階です。
外観
ガラス張りの窓にクリーンなフォントで「VIEWN.CO」と書かれた外観は、ドローン販売店やラジコン・ショップと聞いて想像する雰囲気とは明らかに異なるたたずまい。
店内
こちらのおしゃれなTシャツたちは税込各5,940円。
胸にプリントされている「#MODE1」と「#MODE2」は、ドローンのプロポ(コントローラー)の操作方式のこと。MODE1と2は左右どちらのレバーで「上昇/下降」を操作するかの違いですが、どちらにも熱心な支持者がいるそうで、その「派閥」をさりげなく主張できるデザインとなっています。
胸ポケットは、ドローン空撮の際に使用するSDカードなどのちょっとした小物を収納するための物とのこと。
もうひとつのオリジナル製品は、メイド・イン・ジャパンの生地を使って、日本の工場でつくった『デニムハット(税込8,640円)』。屋外でドローンを飛ばす際に首などの日焼けを抑えるために360度つばのある形状になっています。
ひも付きなのは、ドローンを操縦する時に上を向いてもハットが頭から落ちないようにするため。
サイドにはアイウェアをスッと挿しておけるベルトがついています。
もちろん、ドローン本体も販売されており、JUIDAの操縦技能証明証と安全運航管理者証明証を持つ森さんのアドバイスを受けながら機体を購入できます。
お店の奥にはこのようなスペースがあり、イベントやドローン購入者向けのセミナーなどが行われるそうです。
なお、セミナーには4種類があり、価格や対象者は以下の通りです。
VIEWN Tokyo Base のセミナー一覧
- はじめてセミナー(無料):ドローン購入を検討している人への基礎情報の提供
- アンボックスセミナー(機体購入者無料):開封、初期設定、動作確認などのサポート
- ビギナー向けセミナー(税込1,000円):JUIDAやDPAの認定証未取得者向けの基礎講座
- クリエイティブ業界の担当者セミナー(税込5,000円):空撮案件を発注するための基礎講座
VIEWN Tokyo Base代表 森健司さんへのインタビュー
【筆者】
昨日(2017/07/12)がオープン日だったそうですが、反響はいかがでしたか?
【森さん】
the SOHOというクリエイターさんが多い場所柄もあると思いますが、ウェブ制作会社の方やカメラマンさんにお越しいただき賑わっていました。
【筆者】
この場所の運営は何名でされているのですか?
【森さん】
私とサポート役の仲間をあわせて3名。アウトドア系に強い人や百貨店の企画をやっている人などに手伝ってもらっています。
【筆者】
このお店の目指すしているのは、ドローン好きのためのサロンという感じでしょうか?
【森さん】
サロンという言葉が適切かはわかりませんが……コミュニティ・スペースですね。例えば、スノーボードやサーフィンを趣味だと言っている人でも、1シーズンに2〜3回しか滑ったり波に乗ったりしないというケースはよくあると思います。それでも、じゅうぶん趣味として満喫できるのは、実際にゲレンデや海に自分が居ないときでも、道具やウェアを選んだり、ネットで動画を見たり、他の人と語り合ったりして楽しめるからです。だから、ドローンに関しても同じように、機体以外の物で買い物をしてもらったり、集まって語りあったりして楽しんでもらうための場所になる、というのがVIEWNの狙いです。
【筆者】
この場所に、自分のドローンを持ち込んで飛ばすこともできるのですか?
【森さん】
練習や飛行のためのスペースを提供することは今は予定していません。セミナーや作品の発表会をやろうと思っていて、空撮の基礎を勉強したり、自慢の空撮動画を持ち寄ってみんなで見たりするイベントを考えています。
【筆者】
ドローン本体をたくさん売って稼いだり、スクールで収益をあげる、というビジネスではないのですね?
【森さん】
はい、そうです。物販や講座だけ、それのみで収益をあげていこうというわけではありません。ひとつの例えですけれど「1800年代なかばにあったゴールドラッシュの恩恵を受けて成功した企業は、金を掘る人が使いやすい丈夫なデニム(ジーンズ)を提供したリーバイスだった」という話は有名ですよね? 私たちも、ドローンのビジネスを開始するにあたって、自分のアパレルや企画などのキャリアで培ってきた得意分野でマーケットに評価をして頂けるようになれればと思っています。
【筆者】
これからの動きとしては、どのような展開を予定されていますか?
【森さん】
イラストレーターのconixさんやデザイナーのJun Okamotoさんとのコラボレーション企画で、バッグやウェアなどの製作をしようと思っています。後は、アウトドアブランドさんとのコラボレーションなどもやってきたいですね。大きな規模ではなくても、こだわりも持って物づくりをされている会社やクリエイターさんからの提案は大歓迎、いろいろな人たちと一緒にドローン文化を創っていきたいと思っています。
【筆者】
わかりました。今日はありがとうございました。
【森さん】
ありがとうございました。
VIEWN Tokyo Base 取材の感想
「ドローンで遊んでみたい」と思っても「スグには始めづらいなぁ」と思ってしまう状況が今の日本にあるのは事実。「法律違反になったらまずい」「機体はどれを買ったらいいのかな?」「初飛行で墜落させたら嫌だけど、だれに教わろう?」という悩みはビギナーのだれしもが感じること。それをワンストップで解消することを目指すVIEWN Tokyo Base は、これからドローンを始めたい人たちの協力なサポーターになってくれそうです。身近に経験者がいない場合でも「このお店に行けば教えてもらえるし、仲間がみつかるかも!」と思える場所があれば心強いというもの。代表の森さんが言う様に、このスペースを起点にドローンユーザーが増え、カルチャーとして発展していけば、もっと日本のドローンが楽しくなりそうです。
VIEWN Tokyo Baseの概要
- 施設名称:VIEWN Tokyo Base(ビューン 東京 ベース)
- 運営会社:株式会社ビューン
- 代 表:森 健司さん
- 住 所:東京都江東区青海2丁目7-4 the SOHO 1F
- 電 話:03-5579-6373
- 営業時間:平日 18:00~21:00、土・日・祝 13:00~20:00
- 定休日 :不定休
※営業時間、定休日ともに変則的とのことなので、ご来店の前にウェブサイトやTwitterなどで状況を確認ください
【ビューン:オフィシャル・ウェブサイト】
【ビューン:行き方 (地図) 】