画像出典:UPS Tests Residential Delivery Via Drone Launched From atop Package Car、以下同じ
もくじ
ドローン配送の様子を全天球360°VR動画で撮影
米国を拠点とする巨大物流・配送会社UPS (United Parcel Service, Inc/ユナイテッド・パーセル・サービス)がドローンによる配送試験を行なっています。その中で撮影されたドローンによる「全天球360°VR動画」が同社の公式YouTubeチャンネルで公開されており、臨場感ある映像が視聴できます。
UPSのドローンによる宅配の一部始終が見られる
UPSトラックの荷台から飛び立ち、民家に荷物を届けて、またトラックに戻るまでの一部始終が撮影された全天球360°VR動画は以下の通り。とにかく「だだっ広い」アメリカの雰囲気から荷物カゴの様子、そしてドローン配送のスピード感などが全天球動画で確認できるので、ぜひ、チェックしてみてください。
※ PCの場合は画面のドラッグ・アンド・ドロップで、スマホの場合は画面のスワイプで、上下左右360°の動画が見られます。
UPS Tests Residential Delivery Via Drone
地方での配送を効率化する
トラックから離陸できる物流ドローン
以前の記事ご紹介したDHLの物流ドローンは垂直離陸ができる固定翼機「VTOL」型であることが特徴でしたが、UPSのシステムはトラックの屋根を離着陸に使う点が特徴。
まずは、トラックの車内から配達員がドローンの下に備えられた「荷物カゴ」にボックスを入れて離陸の準備をします。
後は、車載タブレットから配送先を指定すれば、ドローンが自動で荷物を届けてくれます。
荷物を積んでトラックの屋根から飛び立つドローン。
この機体は最長30分の飛行が可能で、10ポンド(約4.53kg)までの荷物を届け、トラックに戻るまでの一連の工程を自動航行で行います。
以下のイラストにもあるように、自動航行のドローン配送をすることでトラックが移動をしても移動先にドローンが戻ってくるため、通常の「車+人力」による配達の速度は維持しつつ、並行してよりアクセスが悪い場所にドローンを向かわせられるのがこのシステムの強みです。
UPS Tests Residential Delivery Via Drone
実際にドローンが飛行する様子などを収めたUPSの公式イメージ映像は以下の動画でご覧いただけます。
編集後記
Amazonが「プラムエアー」で話題をさらう中、UPSやDHLなどの物流の巨人、そしてエアバスなどの航空会社も参入し、盛り上がりを見せるドローン物流。後発となるUPSは全天球360°VR動画を活用して「雰囲気を伝える」努力をしていたりと、PR面でも工夫をしている点が興味深いですね。
また、各社ともに、機体その物や自動航行システムの開発はかなり進んでいるようですが、最終的なハードルは航空局による認可。日本では2020年以降には都市部で自動飛行ドローンによる荷物配送が行えるようになるのでは、という見通しもありますが、欧州や米国がそれに先行するのか、あるいは遅れるのか? いずれにせよ、規制緩和があればドローン物流は一気に利用が進みそうな気配が濃厚です。