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飛ぶ、泳ぐ、潜る、すべてができるドローン
空中・水上・水中を自在に移動でき、水の中に潜った状態から飛び立つこともできる固定翼ドローンをノースカロライナ州立大学の研究者たちが開発しています。
「水空両用」という新ジャンルのドローン
『The EagleRay(ジ・イーグルレイ)XAV』と名付けられたこの機体は野生動物の観察などを目的として作られており、開発者の一人である博士課程の学生Warren Weisler(ウォーレン・ウェイスラー)さん(写真中央)によれば「空中からの観察を続けるためには多くのエネルギー(電力など)が必要ですがが、イーグルレイは水上にとどまることでエネルギーを温存できます」と述べています。
『イーグルレイ』のコンセプトがわかりやすく示されたCGイラストはこちら。まるで鳥のように水上で休んで、空を飛び、水上に戻り、必要であれば水の中にも潜れる性能を有しているとのこと。
「イーグルレイXAV 実験的 領域横断型 自動航行機」という仰々しい内容ですが、要するに「潜水艦」「船」「飛行機」のような機能を1つの固定翼ドローンが備えているということです。
実際に、同機が池の中や空を自在に移動する様子はこちらの動画(キャプションは英語のみ)でご覧ください。
EagleRay Experimental Cross Domain Vehicle (XAV)
水上・水中・空中を
『イーグルレイ』ドローンが移動する様子
動画は岸から『イーグルレイ』ドローンを水に浮かべるところからスタート。
機体前方のプロペラがスクリューのような役割を果たして、水の中を進みます。水の抵抗が大きいため高速移動はできませんが、ゆっくりと確実に進んでいる様子が映像に映されています。
水中から飛び立つ様子は以下の通り。
連続写真で見ると、完全に機体が水の中に隠れた状態から一気に空へ飛び出す様子が良くわかります。
スクリーンショットだとわかりづらいですが……写真中央に見える白い点が『イーグルレイ』ドローンです。
水中移動もできる
空中から水上に着水して、そのまま水中に潜行することも可能。
まるで「水の中を飛んでいる」ような姿。
プロペラを回して、勢いよく水をかき分けながら進む様子。水中での運動性能は決して低くないようです。
「潜水艦」のように水中を潜行する姿を陸から見るとこんな感じ。黄色い機体のため目立ちますが、黒やカーキ色の機体があれば目視では存在に気づかないかもしれません。
最後は岸まで航行してきた機体を持ち上げて回収。
編集後記
「空用ドローン」「水中用ドローン」という異なる機体は目にすることがありますが「水中と空中」の両方を移動できるドローンは稀。とは言え、開発者たちが語っているように野生動物の観察はもとより、軍事用の偵察機やレクリエーション用など、意外と幅広い用途がありそうな気も。ひょっともしかすると、近い将来「水空両用ドローン」がメジャーになって、DJIから『Phantom ウォーター』なんて機体が登場するかも!?