空の産業革命と呼ばれ、空撮や点検、測量、物流などの分野に大きな変化をもたらしつつあるドローン。その「水面下」で、水辺で利用できるドローンの開発が進行中です。
民生用ドローン市場で世界最大のシェアを持つDJIの製品は『Matrice』を除けば小雨程度でも飛行を避けるべきほど「水に弱い」仕様です。そのため、「水上や水中で使えるドローン」の市場では覇者が確定していません。そこで、このスタートアップ企業や大学の研究室がこのニッチマーケットを狙って独自機体の投入や開発が行なわれているのです。
空中と水中で使えるドローン
最も難易度が高いのは「空中・水上・水中」の3ヵ所で使えるドローンです。このカテゴリーでは、米国の大学などでプロトタイプの開発が行われており、実際に稼働してる様子をおさめた動画が公開されています。
Loon Copter
ルーン・コプター
空中飛行・水面移動・水中潜行ができるドローン。以下の動画では水上から水中への切替え時に編集がされており、空中からそのまま水中潜行ができるのか、何か手動で切り替えが必要なのかは不明ですが、同一の機体で「空・水上・水中を移動できる」仕様であることは間違いなさそう。なお、開発しているのは米カリフォルニア州にあるオークランド大学の研究室です。
米ミシガン州にあるラトガース大学の研究室が開発した水空両用ドローン。動画撮影時点では有線のプロトタイプが使用されており、実際の用途としては「事故などの際に橋の上からドローンを飛ばし、周辺と水中を捜索する」「原油流出の際に船からドローンを飛ばし、海上と水中調査する」といった例が挙げられています。
New Underwater Drone Flies AND Swims – YouTube
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空中と水上で利用できるドローン
Swellpro Splash Drone 3
スウェルプロ・スプラッシュ・ドローン
水中はできないものの、着水したり、水上から離陸できるドローンはすでにかなりの完成度の機体がアメリカなど市販されています。
Swellpro Splash Drone 3 – New Waterproof Drone 2017 – YouTube
水中専用ドローンは日本でも購入可能
PowerRay
パワー・レイ
空を飛ぶことはできませんが、遠隔操作で水中を移動させて写真や動画を撮影できるドローンは市販されています。なお、日本でも購入可能で、実勢価格は税抜24万円程です。
PowerRay™ – Change the fishing world – YouTube
まとめ
空中、水上、水中の3つのエリアを自在に移動できるドローンはまだ実験段階で、記事作成時点においては市販品の存在は確認できませんでした。空中を飛ぶための軽量性と水中に潜行するために必要な重量という相反する要素があるため、実用化は難しいのかもしれませんが、SFで見るマシンのように空中・水上・水中を自由に移動できる機体が開発されたら、と思うとワクワクしますね。ぜひとも、実現してほしいものです!