テクノロジーで食料問題、環境問題を解決!?インドア農業のPlentyとは

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©︎Plenty,inc


食糧問題や環境問題など、現代社会における課題を解決できる企業として注目されているPlentyという会社をご存知でしょうか?最近では農業技術への投資として過去最高額となる2億ドル(約220億円)を調達したことでも話題になりました。

今回の記事では、次世代のオーガニック農法である『インドア農業』の取り組みを進めるPlentyという会社をご紹介します。

Plentyとは?

Plentyはフィンテック企業でキャリアを積んでいたマット・バーナード氏、農学者であるネイト・ストーリー氏ら合計4人の創業メンバーによって、2014年8月にアメリカのカリフォルニア州サンフランシスコにて設立された農業スタートアップです。Google、Appleなどの多くのテクノロジー企業を輩出しているシリコンバレーに本社があります。

Plentyは独自の生育システム、センサー、AI技術を活用した植物工場を運営し効率的な作物の栽培を目指しています。

『インドア農業』とは室内で食物を栽培することで、人口集中が続く都市部や経済成長が著しい途上国で、新鮮で安全な作物を早く届ける手段として期待されています。

Plentyは動画中にも紹介されているような、垂直農業技術を活用しています。垂直農業技術により、作物の収穫効率を最大で約350倍まで高めることができるようです。

本社はシリコンバレーにありますが、AI開発の専用設備はアメリカ合衆国西部の山岳地域のワイオミング州に設けています。AIトレーニングセンターと呼ばれる専用施設にて優秀なデータサイエンティストが開発に取り組んでいます。

具体的には、約700種類もの作物について気候などの様々な変数を考慮して最適解を提示できるAIを開発済で、この技術がPlentyの躍進の原動力です。この独自技術により、Plentyは下記のことを可能にしました。

①従来の1%の水分量での栽培。

②作物の風味について調整ができる。(=より美味しい作物を作れる)

③屋内なので害虫、害獣、害鳥、などと無縁。

④農薬を使用しないので健康的。

⑤都市部で作れるので、輸送費および輸送にかかるCO2が削減できる。

多額の資金調達に成功

優れた戦略を実行するには優秀な人材の採用力が重要になってきます。高額なフィーが必要になる優秀な人材を採用している背景には多額の資金調達によるところが大きいと考えられます。

実際に、Plentyは多くの著名な投資家や企業からの資金調達を実行しています。日本からはリクルートやソフトバンク・ビジョン・ファンド、日本以外だとAmazonCEOのジェフ・ベゾス氏の投資ファンド、Googleの親会社であるアルファベット社のエリック・シュミット氏も投資しています。

もちろん、これらの軍資金は海外展開など、採用以外に使われているところが大きいと考えられますが、豊富な資金力が採用力強化につながることは言うまでもありませんでは、このような著名な投資家などから資金調達できる理由はどこにあるのでしょうか?

環境問題へのアプローチ

屋内農業は人口密集地の近くに農場をつくれるのでサプライチェーンを短縮できるメリットがあります。つまり、輸送にかかる費用やCO2を削減することができます。

実際に、現在の農作物は消費者に届けられるまでに3,000マイル(約5,000km)もの距離を運ばれているようです。なかでも、CO2の削減に関してはSDGsなどが流行る昨今では重要視されている現状があります。この環境問題に真摯な姿勢が、投資家を引きつける一因なのではないでしょうか。

ちなみに、輸送時間の短縮はCO2削減や輸送費削減だけでなく、品質劣化、生産コスト削減などのメリットもあります。

食糧問題へのアプローチ

国際連合食糧農業機関(FAO)によると、世界人口は2050年には約91億人に膨れ上がると言われています。現在は約77億人です。この人口増加にともない、現在の食糧生産から70%以上を増やす必要があると言われています。※人口増加量と比較して、食糧需要が圧倒的に増える理由は世界の経済レベルが向上しているからでしょう。)

ただし、ユニセフによると、世界で毎年約500万人の子ども達が5歳を迎えることなく栄養失調が原因で亡くなっています。これは決して未来ではなく、現在進行形の課題であると認識するべきです。

このような人類が取り組むべき課題を解決する可能性があることもPlentyが投資家を引きつける一因でしょう。に、Plentyのシステムを使えば、従来の1%の土地、従来の1%の水で野菜を栽培することができます。

Plenty の課題点とは?

コストがかかりすぎる

まず課題として挙げられることは、現状の技術力ではコストがかかりすぎることです。今は約450gの作物を作るために、40ドルというコストがかかっているようです。これを1ドルまで下げることが求められています。

前例のない新たな挑戦

垂直農業の構想は以前からありましたが、実用化というレベルまで落とし込んだ事例がありません。多くが廃業を余儀なくされています。例えば、Googleの親会社であるアルファベットも、Plenty同様の垂直農業に取り組んだ過去がありますが2016年にはプロジェクトをたたむこととなりました。

このような前例のない市場に、Plentyは挑んでいるのです。

編集後記

今回の記事では、『インドア農業』のPlentyというベンチャー企業をご紹介しました。Plentyは未だ人類が成し遂げていない課題解決に挑戦しています。Plentyが目指している世界は、これからの未来に間違いなく必要とされているものです。Plentyの今後の展開に期待が高まります。

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2020.04.17