出典(Source):Parrot Anafi drone review: DJI still owns the sky、以下同じ
もくじ
中級ドローンの最注目機
Parrot『Anafi』
※ 値段は記事作成時点における参考価格を記載しています。
4K動画が撮影可能で、3軸ジンバルを備えたミッドレンジ・ドローン市場は長らくDJI社の独壇場でした。折りたたみ機構を備えた『Mavic Pro(税込129,800円)』と、より小型で新しい『Mavic Air(税込104,000円)』の2機種は「そこそこ画質にこだわりたいけど、20万円も30万円もする機体はチョット買えない」というユーザーの支持を集めた人気モデルです。
そして、そのミッドレンジ/
ドローン市場へ新たに登場したのが、今回の記事でご紹介するParrot社の『Anafi(税込81,628円)』です。
Parrot社の『Anafi』は「4K」よりもダイナミックレンジに秀でる「4K HDR」に対応するなど、DJI社の『Mavic』シリーズを上回るスペックを備え、しかも値段が2万円ほどお安いとあり、注目を集めています。
The Vergeによる『Anafi』レビュー
そんな、注目のドローンParrot『Anafi』をアメリカの大手テックメディア『ザ・ヴァージ』が動画でレビューしているので、さっそくその詳細をチェックしてみることにしましょう。
まずは、実際に 『Anafi』で撮影した映像から。ゆっくりと機体を移動させながら、揺れを感じさせない安定した動画が撮影できています。ちなみに、この映像は「HDR(ハイ・ダイナミック・レンジ)」で撮影されたもので、明暗の差が激しい場所でも白飛びや黒つぶれをおさえることが可能。ちなみに、HDRでの撮影はライバルの『Mavic』シリーズには搭載されていない機能です。
ナチュラルな色味と言うべきか、少し発色が悪いというべきか、微妙な感じです。
長細いボディと収納ケースが特徴。
側面には「ANAFI」の文字。
今回ご紹介する動画でレビューを担当したのは『ザ・ヴァージ』のPavicさん。名字が『Mavic』と1文字違いです。
レビューには2台の『Anafi』を使用したそうですが、その理由は「1台目がうまく動かなかったから」。Pavicさんは「とても惜しいんだけど、(ANAFI)無視できない問題や賛成できないデザインがある」と話しています。
アームを展開した飛行時のサイズはDJIの『Mavic Air』とだいたい同じ。
ただし、持ち歩きのために折りたたむと『Mavic Air』より『Anafi』のほうが著しく大きいことがわかります。
折りたたみ機ではあるものの、持ち運び安さでライバル機より秀でているとは言えません。
SDカードスロットはバッテリーを外した下にあります。
「ノキア携帯電話のSIMトレーを彷彿とさせる」という表現で、遠まわしに使いにくさを伝えています。映像からもカードを本体にセットするのに手こずっている様子が……。
「ストレージは内蔵していません。ですから、よくあることですが、SDカードを忘れたら撮影はできません」と不満そう。ただし、機体を購入すると16GBのカードが標準で付属してくるのは「ナイス」とのこと。
4K HDRの撮影はこの価格帯のドローンでは『Anafi』だけが持つ機能ですが、映像は「不自然な感じ」との評価。
LOGと呼ばれるポストプロダクションを前提にしたデータ形式を選択して撮影結果は以下の通り。
LOGデータにカラーコレクションを加えるとこんな感じ。
また、この他にも「カメラを上に向けられる点」も特徴として挙げられていますが「あまり使い所がない」とバッサリ。画質劣化無しに使えるデジタルズームについては「ポストプロダクションでも同じようなことができるが、構図を変えながらこだわりの感覚をもって撮影できるのは気に入った」と言っています。
ホバリングの安定性は『Mavic Air』のほうが上。
『Anafi』は、撮影データが破損してケースもあったとのこと。
1台目のテスト機は底面のセンサーに手を近づけると、機体の挙動が不安定になり墜落することもあったそうです。
プロポ(コントローラー)は持ちやすいものの、スティックが取り外せるようになっている『Mavic Air』と比べるとかさばります。
公称25分のバッテリー駆動時間は『Mavic Air』より長く、「旅行でドローンを撮影する場合のちょうど良い時間」と高評価。また、USB-Cでモバイルバッテリーなどから充電できることで「何度か救われた」と話しています。
【動画】Parrot Anafi drone review: DJI still owns the sky
動画(英語)の全編はこちらでご覧ください。
レビューの結論は「市場に競争が生まれるのは良いこと。Parrot『Anafi』の不具合はソフトウェア・アップデートで解消されるかもしれないし、機体には大きなポテンシャルやユニークな機能があるし、値段も安い。ただ、リスクを取る必要んがあるのかは、よく考えるべき」として、“Mavic Airのほうが安全な選択肢である”というニュアンスを感じさせて、動画は終わっています。
編集後記
動画の評価を見る限りトータルの性能では『Mavic Air』の方が上のようです。しかし『Anafi』は価格が2万円ほど安く、4K HDRでの撮影ができたりカメラを上に向けられたりという機能があります。
比較的お手軽に買えるジンバル搭載4Kドローンをお探しの方は、要チェックの1台です。