Mavic Miniはどこまでの風速に耐えられるものなのか?実験してみた。

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DJIから199gの小型ドローン、Mavic Miniが世の中に展開されてから約半年。すでに様々な場所で、Mavic Miniが活躍していることと思います。

DJI Mavic Miniの性能に迫る!

一方で、SNSなどの情報をいくつか拾うと、機体の軽さゆえに風には弱く、風の強さによっては、離陸地点に戻ることができずにロストするといった事故も起きているようです。

航空法の規制外の機体ということもあり、様々な場所で飛行させることが可能で、ドローンに初めて触れた人が比較的簡単に飛行させることができる機体です。だからこそ、飛行させる環境が、安全に飛ばせる環境なのかどうか、しっかり確認してから飛行させることが肝要です。

最も注意しなければいけないのが、風

その確認に必要なことの一つが、「風速」です。これは、Mavic Miniに限らず、どのようなドローンを飛ばす際でも確認しなければならない項目です。

すでにドローンの飛行に十分に慣れたパイロットは、風速計を持ち出すこともなく、肌感覚で飛行が可能な風速かどうかを知ることができますが、まだ慣れていないパイロットであれば、まずは風速計で地上の風速を計測し、概ね5m/s以下の場合に飛行させるようにしましょう。

Mavic Miniはどのくらいの風に耐えられるのか?

さて、Mavic Miniがどのくらいの風速に耐えることができるのか?これは、DJIの公式サイトからMavic Miniの公開された仕様から知ることができます。

Mavic Miniの機体スペック(仕様)

最大風圧抵抗 8 m/s(スケール4)

製品サポート

Mavic Miniの最大風圧抵抗レベルを教えてください 。

Mavic Miniは、最大風速8 m/sで安定してホバリングできます。

ところで、この「(スケール4)」とは何でしょうか。これは、気象庁のサイトを見ると確認できます。

このサイトに、「気象庁風力階級表」というものがあります。ここの、「風力4」のところが、(スケール4)にあたります。

この表を確認すると、風力4は、「相当風速(m/s)5.5以上8.0未満」、とあります。

また、気象庁では、「気象観測の手引き」という資料を公開しているのですが、その21ページに風力階級表を解説しています。これによると、「風力4」は、”砂ほこりが立ち,紙片が舞い上がる。小枝が動く。”という状態であるとされています。

「気象観測の手引き」の示す気象庁風力階級表

また、風速計を使わず、体感や目視でだいたいの風速を確認する方法ですが、良く言われるのは、高速道路などに設置されている吹流し等が目安になります。吹流しが、真横に流れている場合が風速10m/s程度と考えて良い強さです。下斜め45度で5m/s程度です。

この要領で、国旗掲揚塔の旗、コンビニやレストランの駐車場などにあるのぼりなどのはためき方で、風速を概ね推し量ります。また、木々の揺れ具合や、葉っぱや花びらの舞い散り方なども参考にして、風の強さを量ります。

Mavic Mini 風速8m/sを実験してみる

さて、最大風圧抵抗のスペックは、公的には8m/s。実際のところどうなんでしょうか。念のため、検証してみることにしました。

風は、冷風機(スポットクーラー)を使います。借り物なので機械の仕様は不明ですが、冷風を出す側ではなく排気のダクトのほうの風力が強かったので、そちらを使って計測します。

写真のように、目安としてのカラーコーンを設置します。風速計で風速を測り、8m/sは赤、4.8m/sが黄色、1.2m/sを緑とし、Mavic Miniを上空から各々のカラーコーン目指して下降させるだけの操作にします。Mavic Miniには安全を確保するためにプロペラガードを装着します。

(風速とカラーコーンの位置の写真)※右下橙枠はMavic miniの映像

まずは、1.2m/sの緑のカラーコーンの上から下降させます。

風が当たると、機体が小刻みに揺れ始めます。プロペラガードを付けていることで、風が当たる面積が大きくなり、左右の振動が大きくなります。

(風速1.2m/sの写真)

次に、4.8m/sの黄色のカラーコーンの上から下降させます。

スペック上はまだまだ余裕の風速です。通常は地上5m/sの場合は、Miniに限らず上空の風が強いことを考慮し、フライトさせるかどうかを判断する必要のある強さです。

ですが、Miniの場合、この時点で風に負けます。黄色のコーンの上でとどまることが難しく、後ろに押されます。また、プロペラガードがちょうど帆のような状態になり、向きが傾いたときに機体を回転させてしまいます。

(風速4.8msの写真)

最後に、赤の8m/s、スペック上はここまで大丈夫という数値ですが、この赤のコーンに下降させます。黄色の4.8m/s時よりもさらに機体の回転が激しく、機体が振り回されます。ここまで振り回されると、もはや制御ができない1歩手前になります。

(風速8m/sの写真)

機体の後ろから撮影した動画です。

動画:風速耐久実験動画

Mavic Miniのプロペラガードを外してみる

このように、プロペラガードの装着が想像以上に風を受け止めているための事象とも言えますので、試しにプロペラガードを外してみます。

動画で見てみると、プロペラガードを装着した場合は、8m/sでも十分にホバリングしています。スペック通りと言えます。

動画:風速耐久実験(プロペラガードなし)

風が強ければ飛行させない、十分に注意する。

このように、確かにMavic Miniはプロペラガードを外せばスペック通りに耐えられるわけですが、これを過信してはいけません。

安全上の理由でプロペラガードを付ける場面は多いですし、ましてや飛行経路や空域の下に第三者や第三者物件が入ってくることが想定できる場合は、航空法の規制外であってもプロペラガードを付ける必要は十分にあるでしょう。

プロペラガガードをMavic Miniに装着した場合、風が5m/s程度で十分に不安定になり、突風が吹けば意図しない方向に向いたりします。そのため、しっかり目視して飛行させ、機体が安定しないようなら速やかに着陸させるようにしてください。

【DJI Mavic Mini】199グラムでも都内は飛ばせない?小型ドローンのルールまとめ

また、この風を受けている状態は、通常よりも多く電力を消費しているはずです。日本向け仕様では最大飛行時間が18分とされていますが、風の影響を受けこれよりもかなり短くなり、早い段階でバッテリー切れになることが予想できます。

飛行中に天候が急変することも、場所によっては往々にしてありますし、高度を上げれば風も強くなります。やはり、Mavic Miniでは、風が強い(5m/s程度以上)場合には飛行させないこと。これに尽きると思います。

できるだけ目視で、風に十分注意して、Mavic Miniの空撮を楽しむようにしてください。




2020.04.22