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海兵隊が開発する
3Dプリンター製ドローン
アメリカ軍は陸軍・海軍・空軍・海兵隊・沿岸警備隊の5軍で構成されています。その中でも海兵隊の規模は18万人程度と小規模ながら、伝統的に敵前強行上陸を任務としてきたことや、主要な戦闘へ真っ先に投入されるという性質から精強無比の部隊として知られています。
そんなアメリカ軍が誇る精鋭たちが「3Dプリンターでドローンをつくる」動画が公開されています。海兵隊のドローンはどのように作られ、何を目的として戦場の空を飛ぶのか? 気になる詳細は、以下の記事本文でどうぞ!
海兵隊がドローンを
3Dプリンターで作る様子
ドローンに部品をハンダ付けする海兵隊員。けっこう楽しそうな表情です。
3Dプリンターで作られたドローンのボディはこんな感じ。
「書き出し」からパーツの取り付け、組み立てまでは約6時間で完了するそうです。
組み立て後のサイズはDJI『Phantom』シリーズより2回りくらい大きい印象。
以下の写真のようにプロポ(コントローラー)で操作する他、スマートフォンやタブレットでの操縦にも対応するとのこと。
実際に飛行する様子はこんな感じ。
ドローンを見守る海兵隊。左の人、ゴツいですね。
動画で見る
アメリカ海兵隊の3Dプリンター・ドローン
以下の動画では「弾丸の運搬、監視、偵察」などが3Dプリンター・ドローンが作られた目的として紹介されています。また、3Dデータからパーツを作りだして、ミッションに応じて必要な機能を持たせられることから「1種の機体」を戦場に持ち込むより、現地で部品を作り組み立てることでより柔軟な運用を可能にしようとする意図もうかがえます。
Futurama has its Nibbler, now meet the Corps' version.
Futurama has its Nibbler, now meet the Corps' version.
(U.S. Marine Corps video by Cpl. Jamie Arzola) pic.twitter.com/RVW5M56Ahd
— U.S. Marines (@USMC) 2017年8月6日
こちらの動画に登場する海兵隊員は「ドローンのおかげで、戦場で混乱することなくターゲットを素早く特定できる。ターゲットを特定して重機関銃や迫撃砲に仕事(攻撃)をさせることもできるしね」と話しており、ドローンによる空からの情報収集を通じて戦闘を有利に進められることが明らかにされています。
SPMAGTF-CR-CC Launches 3D Printed Nibbler Drone|Marines TV
こちらの動画でも、3Dプリンターにより主要パーツが製造されたドローンが紹介されており、空からの偵察に利用できる他、部品が壊れた場合でもすぐに修理ができることのメリットなどが紹介されています。
Birds Eye View | Drones on the Airfield
編集後記
3Dプリンターを使うことで、戦場で部品を作り、戦場で組み立て、戦場で戦い、戦場で修理できる力を得たドローンは、小規模な少数精鋭で「切り込み隊」として戦場に赴く海兵隊にはうってつけの装備です。しかし、海兵隊が小型ドローンの投入を進める理由はそれだけではないのかもしれません……。
下記の画像は米軍に対して戦闘を繰り広げているダーイッシュ(ISIS)が公開している、ドローンによる攻撃の様子。
ダーイッシュは既に積極的に小型ドローンによる攻撃を行なっており、新たな脅威を米軍にもたらしています。
また、他の地域の例ですが、ウクライナではドローンによる爆発物の投下により火薬庫が攻撃され2万人以上が避難を強いられるという事件も発生しています。
» ウクライナで弾薬庫爆発、2万人避難 「破壊工作」と軍 写真10枚 国際ニュース:AFPBB News
事の賛否はさておき、現代の戦場へはプレデターやグローバルホークなどの大型機のみならず、小型のドローンの投入が進みつつあります。きっと、SF映画のように大量のドローンが兵士の上を飛び交うニュース映像を目にする日はそう遠くないはずです。