関空で滑走路閉鎖!押さえておきたい空港におけるドローン規制

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10月19日午後8時45分頃、関西国際空港周辺の上空に、ドローンのような飛行物体が確認されました。それを受け、関西国際空港では、約40分間にわたって滑走路が閉鎖される事態に。離着陸が行なえず、計39便が最大で67分発着が遅れたほか、同空港へ向かっていた2便が愛知県の中部空港へ目的地を変更することとなりました。

ことの発端は、同日午後8時30分すぎ、第2滑走路に到着した便のパイロットから、航空管制官へ「ドローンのような物体が2機飛行している」と連絡があったため。同日午後9時20分ごろには、「飛行物体が空港周辺から去り、安全が確認できた」として、滑走路の運用が再開されました。

大阪府警関西国際空港署や国土交通省関西国際空港事務所・担当者の話では、「飛行物体は確認できていない」とのこと。「夜間だったため、ドローンだったのか鳥だったのか、判別が難しい」と話しています。

航空法における空港周辺でのドローン飛行

国土交通省ホームページより

航空法では、空港周辺でのドローン飛行が規制されています。そのため、該当空域でドローンを飛ばしたい場合には、事前に国土交通省や空港の管理事務所などへの申請が必要です。

空港周辺でのドローン飛行禁止空域は、「空港等の周辺の上空の空域」「人口集中地区の上空」「150メートル以上の高さの空域」の3種類に設定されています。

なぜ空港周辺でドローンを飛ばしてはいけないの?

では、なぜ空港周辺でドローンを飛ばしてはいけないのでしょうか。もっとも大きな理由は、「ドローンと航空機との衝突を防ぐため」です。

ドローンが浸透するよりずっと前から、飛行機やヘリは、「バードストライク」に悩まされてきました。「バードストライク」とは、その名のとおり、飛行機と鳥が衝突すること。ガラスにヒビが入ったり、エンジンが損傷したりと、たった1羽の鳥でも大きな被害をおよぼすとされています。国土交通省の調べでは、2018年で1434件、2017年では1553件の「バードストライク」が発生しているとされています。

さまざまな対策が練られているとはいえ、「バードストライク」の原因となる鳥は、人間がコントロールできない自然の生き物ですよね。しかし、ドローンは違います。ドローンは、人間の操縦によってコントロールできる航空機。だからこそ、航空機の離着陸の安全を図るために、空港周辺の上空などではドローンの飛行が禁止されているんです。

飛行禁止空域であっても、安全性が確保できて、関係各所での許可を得られた場合はドローンを飛行させられます。

空港等の周辺の上空の空域

「空港等の周辺の上空の空域」とは、空港やヘリポート等の周辺に設定されている「進入表面」「転移表面もしくは水平表面」、または「延長侵入表面」、「円錐表面もしくは外側水平表面」の上空、「進入表面がない飛行場周辺」において、離着陸の安全をはかるために設定されている空域です。

飛行を計画している場所が「空港等の周辺の空域」に該当しているかどうかは、下記のWebサイトで確認できます。

進入表面等の設定状況(広域図・詳細図)

国土地理院「地理院地図」

上記Webサイトの図面には、誤差が含まれている場合があります。飛行計画場所が、図面上では飛行禁止空域外であっても、実際には飛行禁止空域に含まれる可能性も考えられます。そのため、境界付近などでドローンを飛行させる場合には、飛行計画場所が「空港等の周辺の空域」に該当するか否か、空港等の管理者等(※)に必ず確認を行ないましょう。

※三沢飛行場、木更津飛行場および岩国飛行場周辺の空域については、管轄する空港事務所へ問い合わせを行なってください。

また、「空港等の周辺の上空の空域」に該当する場合、許可なく飛行させられる高度には制限があります。空港ごとに制限高度が異なるため、空港等の管理者および管轄の空港事務所に制限高度を問い合わせましょう。制限高度を超えて飛行させたい場合は、空港等の管理者および管轄の空港事務所の了解を得たあとで、国土交通大臣への許可申請(※)を行なってください。

※空港等の管理者および管轄の空港事務所から了解を得ただけでは、許可を得たことにはなりません。必ず国土交通省への申請を行ないましょう!

さらに、飛行計画場所の空港周辺において、制限高度が150メートル以上の高さで設定されていたとしても、実際に飛行させる高度が150メートル以上であれば、国土交通省への申請が必要です。

地表または水面から150メートル以上の高さの空域

「空港等の周辺の上空の空域」に該当しない場合であっても、ドローンの飛行計画場所が「地表または水面から150メートル以上の高さの空域」の場合、国土交通省への許可申請が必要です。

また、国土交通省への許可申請を得る前に、空域を管理する管制機関との調整も必要となります。「空港等の周辺の上空の空域」以外の「地表または水面から150メートル以上の高さの空域」でドローンを飛行させる際の手順は、以下のとおりです。

▼まず、「民間訓練試験空域(訓練空域)※」のエリア内か否かを確認します。

全国北海道東北関東中部近畿中国四国九州沖縄

エリア内であれば、管制機関と調整を行ないましょう。

連絡先:航空交通管理センター TEL092-608-8866

【民間訓練試験空域について】
民間訓練試験空域は、航空機の試験及び訓練のために、訓練又は試験機と他の航空機の航行に係る安全確保を目的とした空域です。民間訓練試験空域において無人航空機を飛行させる場合には、航空機の航行に細心の注意を払うようお願いします。
なお、民間訓練試験空域を管理する航空交通管理センターでは、航空機の安全を確保するため、必要な条件を付した上で無人航空機の飛行について了解を行うことがあります。
訓練空域に該当しない場合は、次に示す進入管制区のエリア内かどうかの確認をお願いします。エリア内の場合は、それぞれの管制機関と調整をお願いします。

(国土交通省ホームページより)

▼「民間訓練試験空域(訓練空域)」に該当しなければ、次に、下記の「進入管制区」におけるエリア内か否かを確認します。「進入管制区」の確認は、コチラのページから可能です。

「進入管制区」のエリア内であれば、各管制機関との調整を行ないます。

「民間訓練試験空域(訓練空域)」および「進入管制区」どちらにも該当しない場合は、以下の地図から該当する管制機関を確認できます。

航空交通管制部の管轄空域の地図

該当する管制機関を見つけたら、調整を行ないましょう。

航空交通管理センター <TEL:092-608-8866>
※管轄範囲:洋上

札幌航空交通管制部 <TEL:011-787-4011>
※管轄範囲:北海道、東北

東京航空交通管制部 <TEL:042-992-1181>
※管轄範囲:東北、関東、中部、近畿、中国

福岡航空交通管制部 <TEL:092-607-7111>
※管轄範囲:中国、四国、九州(沖縄を除く)

神戸航空交通管制部 <TEL:078-996-0620>
※管轄範囲:沖縄

(国土交通省ホームページより)

★「地表または水面から150メートル以上の高さの空域」での飛行を計画している場合、必ず上記の手順を踏み、調整が必要な管制機関の確認を行ないましょう。

人口集中地区の上空

「人口集中地区」とは、5年に1度実施される国勢調査の結果より、一定の基準にもとづいて設定されています。詳細は、総務省統計局ホームページ「人口集中地区境界図について」を確認してください。

実際に飛行させたい場所が「人口集中地区」か否かは、下記のページから確認できます。

国土地理院「地理院地図」

e-Stat政府統計の総合窓口「地図による小地域分析(I STAT MAP)」

※参考 i STAT MAPによる人口集中地区の確認方法

編集後記

関空の一件では、結局、飛行物体がドローンだったかどうかの確認がとれていない状況です。それでも、衝突事故を未然に防ぐためには、今回のように滑走路を一時閉鎖するという対応も決して大げさなものではありません。安全で適切なドローン飛行を行なうために、空港周辺でのドローン飛行を計画している方は、飛行場所や高度、それに伴う管制機関などをくまなくチェックするようにしましょう。

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