日本政府は国が保有している1000機超のドローン全てを、高いセキュリティー機能を備えた新しいドローンに入れ替える方針を固めました。情報漏えいの懸念など安全保障の観点から、中国製ドローンを排除することがねらいです。
現状、ドローンは中国製のものが世界シェア70%を占めていると言われています。アメリカではすでに組織内での中国製ドローンの使用を2019年10月から停止しています。
1000機を国産ドローンに置き換える。
日本政府は保有済みドローン1000機を来年度より日本製ドローンに置き換えていく方針を明らかにしました。防衛や犯罪捜査、重要インフラの点検、測量や救難など重要業務で活用されるドローンは、国が指定したドローン機体のみの使用を認めるとしています。
新たにドローンを調達する際は事前に内閣官房によるリスク評価を受けることを義務化。重要業務以外でも「第三者に乗っ取られればテロや犯罪に悪用されかねない」(内閣官房)として交換を積極的に進めていきます。
2021年までに国産ドローンに置き換える。
物流やインフラ点検などで利活用が期待されるドローンですが、その反面で、スパイ活動やサイバー攻撃、テロなどの悪用が懸念されてきました。
日本政府は、国産ドローンの普及に向けた支援を拡大することを発表。国内での製品開発を後押しするために、資金調達を優遇する法案を2020年2月に国会へ提出するなど、インフラ点検や災害対策の政府調達を広げる見通しです。
すでに自律制御システム研究所、ヤマハ発動機、NTTドコモなど5社の連合が、国の委託事業としてすでにドローン開発に着手しており、国産ドローンの来年度の量産化を計画中です。
また、持続可能な社会の実現に必要な技術開発の推進を通じ、イノベーションを創出する国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構『NEDO』では「ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト」(以下、DRESSプロジェクト)を進めています。
今回発表された政府の方針は、国内企業にとって大きな追い風となり、今後ますます国をあげた国産ドローンの開発・導入を推し進める流れが生まれると予想されます。