画像:筆者撮影
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ジャパン・ドローン 2018 イベント・フォト・レポート
2018年3月22日(木)から24日(土)にかけて、幕張メッセで開催される『ジャパン・ドローン2018 / Japan Drone 2018 - Expo for Commercial UAS Market ー』は世界から150社(主催者発表見込み)が集い、プロダクトやサービスの展示を行なうイベントです。『ビバ! ドローン』編集部では、その会場へ取材に行ってきましたので、会場の様子をフォトレポートでお届けします!
ジャパン・ドローン 2018 会場の様子
幕張メッセの第5ホールにズラリと並ぶ展示ブース。
DJI
黒山の人だかりだったDJIブース。この日は小松製作所(コマツ)に1,000台の機体を納品した、と発表していました。なお、DJIが特定のカスタマー向けにカスタマイズ機体を販売するのは今回が初とのことです。
DJIブースで発表を行なうコマツのスマートコンストラクション推進本部の升川 聡さん。建設現場の上空を自律飛行しながら、高精度の3Dモデル作成などを行なうためにドローンが活用されると話していました。
同社のクラウドプラットフォーム「LANDLOG」に構築されたシステムの中で、ドローンはデータ収集の役割を担います。
今回DJIがコマツに納品した機体はこちら。米国のスタートアップSkycatch社が開発した測量データソフトを使用する前提でコマツ向けにカスタマイズされています。「白いパネルを貼っただけじゃないんですか?」と質問したところ「そんなわけないでしょ!w」と怒られました。
ベースになっているのは『Matrice 100』です。
JUIDA
「残業している人に帰宅を促すドローン」として話題になった、あの機体。実物はこんな感じでした。
こちらは非GPS環境下で飛行するためのドローン。操作は操縦経験豊富なオペレーターが目視で行ない、万が一壁などに接触した場合でも外側のゲージが機体を守る、という仕組みです。
ブラザー
空撮映像の撮影時などに使用できる『エアスカウター』。
ドローンのプロポ(コントローラー)に映し出されている映像を……
目の前の小型ディスプレイにも表示可能。視線を落とすことなく映像を確認しつつ、同時にドローンを目視できます。なお表示解像度は1280×720で、1メートル先に置いた19型のディスプレイを見ているような感覚で使用できるとのこと。
エアロジーラボ
関西テレビと共同開発したというハイブリッドドローンの試作機。小型ガソリン発電機を備え、最長3時間の飛行が可能とのことです。
フライトコントローラーはDJI製。
ガソリンエンジンでローターを回すわけではなく、エンジンで発電を行なった電力でモーターを回して飛行します。
RICHEN POWER
7時間以上の連続飛行が可能というガソリン発電機搭載のドローン。こちらは北京を拠点とする中国企業のプロダクトです。
発電機部分はこのようにボックスに収納して運搬できます。
田中電気株式会社
こちらの有線ドローン『PARC』はレンタルで提供されており、1日84万円(オペレーター費など別)から利用可能です。
地上においた発電機から給電し、ドローンを飛ばし続ける仕組み。実際に5日間連続飛行を行なった実績があるそうで、その際はモーターの発熱などの問題も起きなかったとのことです。
ドローン下部に接続された給電用ワイヤー。機体は最高122メートルの高さで飛行し、監視や点検などを行なえます。
楽天
「空飛ぶからあげクン」として話題になったローソンと共同で行っている取り組みなどに使われている機体がこちらです。現在はゴルフ場での輸送などにも活用されています。
荷物を入れたボックスを収納するパーツはこんな感じ。
日本郵便
拠点間配送における活用の実証実験で使用されている日本郵便のドローン。
ENERGEN
ドローンやノートPCの充電が行なえる大型モバイルバッテリー。
家庭用コンセント同じアウトプットがあるので、一般的な家電製品に給電することもできます。
DJI製ドローンのバッテリーを充電する様子。
エアロネクスト
独自の重心安定化装置「4DGravity」を備えたエアロネクスト社が開発する機体。写真はVRカメラを装着して空撮をするためのモデルです。
こちらは「4DGravity」機構を備え、荷物を傾けることなく運べるという機体。
ドコモ
空中に文字を浮かび上がらせるドローン。ドローン本体の周囲に取り付けられた回転するフレームを発光させることで、残像を利用して文字や図形を見せることができます。
MRD
こちらはフレームにエアバッグを装着したドローンの試作機。
エアバッグは膨らむとこんな感じ。フレームとクッション、ガス発生装置などを含めた重量は約600グラムとのことです。
編集後記
ドローンその物の「進化」は一巡して「深化」を志向するプロダクトやサービスが増えた印象のジャパン・ドローン2018。具体的に「この分野が熱い」という明確なトレンドは見出しづらいものの、物流・点検・測量から機体アクセサリ類まで、さまざまな分野で、各企業がドローンを「深掘りしつつ、試行錯誤している」状況がブースで見られました。