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ドローン点検の事例と課題:太陽光パネルから屋根、橋梁に飛行機まで動画で丸わかり

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DJI Enterprise,M210,サーマルカメラ,ZENMUSE XT2

出典(Source):筆者撮影

ドローン点検の事例

ドローン(UAV・マルチコプター)に高解像度のカメラやセンサーを登載することで、太陽光パネルや屋根、橋梁、ビル側壁、ドウロ、送電線、風力発電用の風車、プラント・工場、飛行機などの点検に活用できます。コスト面や法律、技術面での課題はあるものの、点検時の安全性の向上やスピードアップにもつながる場合も多いため、期待が寄せられています。

太陽光パネルのドローン点検

【動画】太陽光パネルをドローンで点検する事例の映像

広大な太陽光パネル/ソーラーパネルのサイトを人が歩き廻って点検をするには長い時間がかかります。パネルに取付けたセンサーで異常を検知する方法もありますが、ドローンを利用して空から点検を行なえばより包括的な確認が行なえます。ドローンにはサーマル(熱検知)カメラと光学カメラを装着できるので、温度差による異常を空から検知し同時にそのパネルの状況を写真で確認することで、すばやく現地の状況を把握できます。

屋根のドローン点検

【動画】屋根をドローンで点検する事例の映像

これまで、民家の屋根を点検するには作業者が実際に屋根に登らなければならず、落下の危険がありました。一方で、ドローンを使えば作業者は地上から点検が行なえるため、格段に安全性が向上します。昨今のドローンは比較的手頃で持ち運びがしやすいサイズの機体でも高解像のカメラを装着でき、揺れやブレのない高精細な映像を撮影できるため、肉眼で目視する場合とほぼ同じ精度で、はるかに素早く安全に点検が行なえます。

橋梁のドローン点検

【動画】橋梁をドローンで点検する事例の映像

日本は「高度経済成長以降に集中的に整備されたインフラの高齢化が進行する」「生産年齢人口が減少しインフラの維持管理者と点検技術者が減る」という2つの問題を同時に抱えています。

インフラ高齢化の一例として「道路橋」をみると、平成45年(2033年)には67%が建設後50年以上経過した状態となり、日本全国で約40万の橋が高齢化した状態を迎えるとのことです。また、首都高速においては総延長約319kmのうち173kmが20年後(2037年)に「50歳以上」道路橋で、平成45年(2033年)には67%が建設後50年以上経過した状態となり、日本全国で約40万の橋が高齢化した状態を迎えるとのこと。

【参考】1億5000万円の開発費でドローン・IoT・AI全部入り!首都高速の次世代インフラ点検システムがスゴい!!

このような状況に対処するために、これまでリフト車のゴンドラに乗って人が目視で行なっていた作業をドローンに置き換える取り組みが進んでいます。一般的な点検と異なり、橋梁は下側から撮影をする必要があるため機体上部にローター(プロペラ)を備える市販のドローンでの作業は接触などの際に墜落するリスクが高いため敬遠されがちでしたが、機体上部に長い棒を備えその先にカメラを付けても安定して飛べる機体(上記動画の例)や球体の防護カバーを取り付けるなどの安全策を施した機体を点検に活用する試みが進行中です。

【参考
なが〜い棒を付けて安定飛行できるドローン『Next INDUSTRY』で点検が捗りそう.

ビル側壁のドローン点検

ビルなどの外壁の劣化診断は、これまでおもに2つの方法で行なわれてきました。

1つは「打診法」と呼ばれるもので、先に玉のついた棒で壁をなぞったり、叩いたりする方法です。ビル壁の塗装やタイルの劣化の進行度合いによって音が違うため、これを聞き分けて修理が必要な箇所を特定します。この方法は、建物や建材によって異常音が違うので、聞き分けられるようになるのに経験が要ることや、足場や高所作業車、仮設ゴンドラを使う必要があるため作業コストがかさむそうです。

もう1つは赤外線カメラを用いて地上から補修が必要な箇所を探す方法です。壁のコンクリートに塗られた塗装や貼られたたタイルが壁面から離れると、空気が間に入り暖まりやすくなり周囲との温度差が生じるので、赤外線カメラでそれを検知する方法です。地上から素早く行えるメリットがありますが、建物の高い階になると距離が離れるため正確に温度がはかりづらくなることや、角度差による誤差が生じることなどから一定の高さ以上のビルには使えないという弱点があります。

このようなこれまでの方法に対してドローンとサーマルカメラを使用すれば、足場要らずで常に一定の距離と角度からビルの壁面の温度を測れるため、より早く正確に修理が必要な場所を特定可能になります。

DJI Enterprise,M210,サーマルカメラ,ZENMUSE XT2

出典(Source):筆者撮影

※こちらの事例は動画無しです。詳細は下記の記事をご参照ください

【参考】ドローンによるビル壁点検、現場は最新サーマルカメラ『Zenmuse XT2』をどう見ているのか?

また、ローターの風圧で車体と車輪を壁に押し付けることでトラクションを発生させ、平面を走るラジオ・コントロール・カーのように壁面を「走る」ことができる機体も存在しており、壁に張り付いて打音検診が可能です。

自走式外壁診断装置,ボーダック,本体

出典(Source):筆者撮影

【参考】忍者ドローン見参!壁に張り付いて「打音検査」をするでござる!!

道路のドローン点検

【動画】道路をレーザー測量やドローンで点検する取り組み

首都高速道路株式会社は道路インフラ点検において、コンクリートのクラック(ヒビ)を検出作業にドローンの活用が見込まれでいるそうです。通常足場を組んでの作業が必要な高所の点検を空撮で代替し、写真データからAIで補修が必要な部分を特定するといった使い方が想定されています。また、将来的には事故が発生した際などに現場に空から急行し、映像などで状況を知らせるといった利用法も検討されているとのことです。

このような加えて、車載レーザー測量システムやデータの管理などを統合した独自システム『i-DREAMs(アイドリームス)』の開発には約1億5000万円の費用が必要だったそうですが、生産性の向上によるコスト削減効果を考えると「2年でもとがとれる」ほどの成果をあげており、この実績をもとに今後は国内のインフラ管理団体や、日本と同様にインフラの高齢化と労働人口の減少が始まっているドイツや北欧へのシステム販売も視野に入れ、システムの改善と強化を続けていくそうです。

送電線・鉄塔のドローン点検

【動画】送電線・鉄塔をドローン点検する事例の映像

送電線や鉄塔は人里離れたアクセスが難しい場所に設置されることが多く、高所かつ高圧電流のそばという危険なコンディションでの点検が必要でした。そのハイリスクな作業をドローンで代行することで、安全性を確保しつつ公立的な検査が可能になりつつあります。

風力初電タービンのドローン点検

【動画】風力発電タービンをドローンメンテナンスする事例の映像

風力発電用のタービン(風車)も送電線や鉄塔と同じく、人里離れた場所にある高さのある建物です。また、定期的な点検が欠かせない一方で人が登るにはリスクがあるという点も同様です。さらに、洋上にタービンが設置されている場合もあるため、このような設備の点検にはドローンがうってつけです。さらに、上記の動画の例のように点検だけにとどまらず除雪・除氷作業をドローンで行なうための機体も開発されています。

【参考】実用性あり!風力発電タービンのメンテナンス用ドローンが良さげ!!

プラント・工場のドローン点検

【動画】プラント・工場をドローン点検する事例の映像

マイクロソフトはDJIとの協業を発表するプレゼンテーションの中でドローンを活用した工場点検のデモを行っていました。

『Azure IoT Edge』の上に開発されたロックウェル・オートメーション(Rockwell Automation)社の設備監視・点検のサービスでは、ドローンで撮影した映像から異常を検知することが可能です。クラウド上で開発したプログラムと連動するドローンを用いることで、パイプの破損や以上などのAIにより高精度検出することが可能となっているそうです。AI側の仕様はカスタマイズが可能なため、幅広い用途に展開可能な仕組みとして要注目です。

【参考】AIクラウドとドローンの連携強化を目指し、マイクロソフトとDJIが戦略的パートナーシップ締結を発表

飛行機のドローン点検

【動画】飛行機をドローン点検する事例の映像

欧州航空機メーカー大手のエアバスは光学カメラや障害物検知用のレーザーセンサーなどを搭載したドローンとスティアが独自に開発した非破壊検査用ソフトウェア用いて飛行機の外装の点検を行っているそうです。エアバスによれば、ドローンを活用して効率的な検査を行なうことで、機体の休止時間の削減と検査レポートの質の向上が期待でき、従来1日かかっていた作業が3時間程度で終わらせられるそうです。

【参考】エアバスはドローン点検で「機体検査時間」を1日から3時間に減らす

ドローン点検の課題

点検作業へのドローンの導入は既に多くの場所で取り入れられつつありますが、課題がまったく無いわけではありません。ここからは、現状ドローン点検を行ない際に考慮すべきリスクやデメリットを確認して行きましょう。

コスト

大半の場合点検にドローンを利用すればスピードと安全性が向上します。ただし、ドローンの機体やソフトウェアを購入したりリースするためのコストが発生します。空撮用のドローンであれば高性能なモデルが20万円前後で購入できますが、電波障害に強く耐候性もある産業用ドローンを購入する場合は1台200万円前後になるケースもあるため、それなりの初期投資が必要になります。

法整備

現在の日本の航空法では目視外のドローン飛行は規制の対象です。国土交通省から許可を得らば可能ですが、「有人地帯(第三者上空)での目視外飛行(補助者の配置なし)」といった条件下では許可は困難です。この条件を守っても多くのケースでは問題なくドローンによる点検は可能ですが「都市部の道路を自動飛行するドローンで点検する」といった方法は現状、実用化ができません。

耐候性

ドローン本体はモータに対する浸水に極めて弱いため雨天の際は飛行できません。DJI『Matrice 210』のように悪天候でも飛行できる機体は存在しますが、一般的には「ドローンは雨が降ったら飛べない」ものなのです。また、強風の際なども(仕様上は耐えられるとされていても)安全上の理由で飛行を取りやめるケースがあります。さらに、サーマルカメラを使用する点検の場合は周囲の温度の影響で点検が困難になる場合もあります。このように、ドローンによる点検は天候などの影響を受けやすいことが弱点です。

混線・シグナルロスト

工場などで強い電波が出ている場所や送電線付近などは電波障害が起こる可能性があります。近年のドローンは、シグナルをロストした場合自動で離陸地地点に戻る機能を備えていますが、帰還途中に建物や木に衝突して墜落するケースなどもあり、電波状況が悪い場所でのドローン点検はリスキーであると言えます。

セキュリティ

ドローンで撮影した映像を電波で送信する場合や、ドローンそのものの操縦シグナルに不正に介入し映像を無断で見たり、操縦権を奪われるリスクがあります。そのため、国の重要な設備などでドローンを飛行させる場合には、市販機ではなく特別に開発された機体を用いて点検が行われる場合があります。

〜ドローン点検の事例と課題記事のまとめ〜 

ドローン(UAV・マルチコプター)を利用した太陽光パネル、屋根、橋梁、ビル壁面(側壁)などの点検はすでに実用化が進んでいます。一方で、従来の方法で行なう場合に比べて初期投資の費用が必要になるなどコストがかかる場合があり、技術的には可能であっても法律の整備をまたなければ実施できない方法があるなど、課題も存在しています。いま導入に踏み切るべきかは、業主や会社の規模による異なりますが、これまでの方法で点検を行なう場合にくらべて安全性の向上やスピードアップが可能になる点は大きなメリットです。また、人口減と同時に採用難の時代を迎えつつある日本企業にとっては省力化に繋がる投資として点検などにドローンの利用を進める必要性が高いと言えそうです。

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