【本田圭佑×A.L.I.】カンボジア代表を支えていたのはA.L.I.提供のドローンだった

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元日本代表サッカー選手であり、現SBVフィテッセのエースである本田圭佑選手。本田選手が現役選手を務めながらも、指導者として実質的な代表監督に就任したのは、サッカーカンボジア代表です。選手として、監督として、二足のわらじを履く本田選手が効果的な指導のために取り入れたのが『ドローンによる撮影』でした。本田選手が特別アドバイザーとしてジョインしているA.L.I.Technologiesがカンボジア代表にドローンを提供。

この記事では、A.L.I.が提供したドローンを実際に操るカンボジア代表の『ビデオアナリスト』木崎伸也さんに、どのようにドローンを活用しているのかインタビューしました。

本田選手に突撃したのが、全ての始まり。

@FFC

―どのような経緯でカンボジア代表のビデオアナリストに就任されたのですか?

僕はもともと、フリーのスポーツライターだったんです。ドイツに住みながら色々な取材をしている時に当時、オランダのVVVフェンロに移籍してきたばかりの本田さんと知り合いました。2010年W杯直前に本田さんはいきなりメディアにほとんどしゃべらなくなったんです。スポーツ誌の依頼で、どうして話さなくなったのか聞いてこいと言われて、本人に直撃したのが全ての始まりです。その時にインタビューした内容は、全て『直撃 本田圭佑』(文藝春秋社)という本に載っています。

@FFC

 ―そこから本田選手と一緒に仕事をするようになったんですか?

最初はカンボジアにも取材で行っていたんです。ずっと本田選手に密着して質問を続けていて、ミーティングにも出て。そうしているうちに本田選手が『質問は頭の整理になる』と。『頭の整理のために、質問をし続けて欲しいから、今後もカンボジア代表に来てくれ』と言われて。肩書きも何もないままカンボジアに行くと、ビデオアナリストという役割を与えられました。だから今でもライター気分が抜けなくて(笑)ずっと側で取材を続けているような気分です。本田監督からはCQO(Chief Question Officer)っていう肩書きがいいかもと言われたことがあります。

新しいテクノロジーを、スポーツに取り入れる

―練習にドローンを取り入れたのは何故ですか?

本田さんがオーストラリアのメルボルン・ビクトリーでプレイしていた時に、ビクトリーは練習を撮影するのにドローンを取り入れていたそうなんです。ドローンで撮影すると、ミーティングで非常に練習のフィードバックがしやすいと。そのような経験から、カンボジア代表も撮影にドローンを導入しようとなりました。

そこで、本田さんの投資先の一つであるA.L.I.Technologiesの小松会長に本田選手みずから相談をして。A.L.I.特別仕様のドローンを提供していただきました。

―操縦は木崎さんご自身でされているのですか?

そうです。ドローンの操縦方法もA.L.I.にレクチャーしてもらいました。A.L.I.のドローンが今も、カンボジアの空を飛んでいます。カンボジアの選手たちはドローンが飛ぶと面白がって手を振っていたりします。若い世代の監督が、練習にテクノロジーを取り入れていることに関しては、みんなすごく好意的です。サッカーカンボジア代表でドローンを取り入れたのは、本田監督が初めてだと思います。

フィードバックに、ドローンは最適なツール

―ドローンを練習に取り入れて、どのようなメリットを感じましたか?

練習場で高い場所から全体図を撮影したいと思った時、大きなスタジアムだとスタンドがあるからカメラ撮影ができるんです。でも、スタンドがない場所で練習することもある。なので、物理的に高い場所から撮影したい場合はドローンが必要です。また、スタンドからのカメラだと全体像を捉えることは難しいけれど、ドローンであればピッチの斜め横から全体を撮影できるというメリットがあります。『飛び回れるカメラ』だから、最適な角度で撮影できる。それがドローンの良さだと思います。

おかげさまで本田圭佑体制になってから、カンボジアサッカーの歴史を次々に塗り替えています。主だった例をあげると、2019年2月のAFF U22選手権で初のグループステージ突破。同年9月にW杯2次予選で初の勝ち点を獲得。そして同年12月のSEA games(東南アジア版の五輪)で初のグループステージ突破。いろんな人たちから「本田さん、日本の人たち、カンボジアのためにありがとう」と声をかけられます。

―ドローンで撮影した映像はどのように使用しているのですか?

本田選手は『練習をどんどんフィードバックしよう』と。練習して終わりではなくて、映像を次の日のミーティングでみんなで見るんです。今まではピッチレベルで物を見ていたのが、空の視点から全体を見ることで、選手たちは自分の動きを客観視できます。選手の頭を整理して、基本コンセプトを共有するのに、A.L.I.のドローンは非常に役立ちました。

練習を練習しっぱなしにするというのが今までのサッカー界でした。でも、サッカーだけでなく医療やビジネスの業界でも、フィードバックをしないと伸びないというのが色々な研究でわかっています。その点で、ドローンは欠かせないツールになっています。

 

練習を撮影するだけでなく、代表選手たちが試合のためにバスに乗り込む様子など、国民に代表選手たちを『観せる』映像の撮影にもドローンは非常に役立っています。

―ドローンで撮影した映像でフィードバックするのは、本田選手のこだわりですか?

オールドスタイルの監督だと、ドローンといった新しいテクノロジーを使わないし、そもそも練習自体を撮ろうとしません。人手もないですし。でも、本田選手は若い指導者というのもあって映像を凄く重視するんです。サッカー日本代表でチームメイトと話す時も、日本人同士で日本語を使っていてもイメージの齟齬が生まれていたと。だから、自分が監督をする上で『議論は映像が無いとしない』と言うんです。スタッフ間の話し合いでも『じゃあ映像を持ってこい』と、ドローンの映像を使用しています。今まで直感でみんなが話していたものを、映像証拠で置き換えることで、より客観的に話すことができています。

ドローンなら、自由な角度で撮影することができる

―ドローンは他の国でも取り入れられているのでしょうか?                                  

他の国では、クラブチームなどで導入するケースが増えているようです。ヨーロッパのクラブだと、自分たちの専用練習場でヤグラを建てたりできるので、ドローンではなく定点カメラを使用しているケースが目立ちます。でも、ドローンであれば、ヤグラを建てるよりはるかに導入コストが安くすむ。高校などの学生のチームでは、初期導入でドローンを使用するのは凄く良いと思います。通常の視点では気づかなかったスペースを見つけることができたり、空から自由に撮影できるという良さがドローンにはあります。

―今後、ドローンにこういう機能があればと思うものはありますか?

ボールを自動で追ってくれたり、人物認識もさらに明確にできるAI機能があれば嬉しいです。今、使用しているドローンはバッテリーが約20分しかもたないので、紅白戦を30分ハーフでやるとラスト10分のどこかで一度途切れてしまう。もう少しバッテリーが長くもつようになったら嬉しいなと思います。

―ドローンは、カンボジア代表チームにとってどのような存在ですか?

効果的な練習をするのに、なくてはならないものになっています。本田選手も『撮影してる?』とチェックしにくるんですよ(笑)ほぼ毎日A.L.I.のドローンで撮影しているので、データがたくさん溜まっていますね。撮影した映像は全てハードディスクに移して、ずっと取ってあります。また、本田選手は非常に合理主義な監督です。ドローンは建設的な話し合いをするための、重要なツールにもなっています。

編集後記

本田圭佑選手が監督を務めるサッカーカンボジア代表の強さを支えていたのは、国内スタートアップであるA.L.I.Technolgiesが提供した一台のドローンでした。サッカーの練習にドローンを取り入れることで、チーム全員が同じイメージを共有することができ、効果的な指導につながります。A.L.I.は今後も、カンボジア代表の活動をテクノロジーで支援し続けるとのことです。




2019.12.26