出典(Source):CyArk’s Journey To Preserve Our Shared Heritage、CyArk's Mission 以下同じ
もくじ
先端テクノロジーで人類の遺産を未来に伝える
世界中の芸術作品や歴史的建造物、遺跡などをオンライン上で見て、学べるGoogleのプロジェクト『Arts & Culture』が支援する『CyArk(サイアーク)』はドローン空撮やレーザー測量、360°カメラなどの先端テクノロジーを活用して、遺跡などの3次元モデルやVRコンテンツを作成する非営利団体です。
そして、現在『CyArk』は世界中から集めた高解像度3DデータなどをGoogle『Google Arts & Culture』のサポートを得てウェブサイトで無料公開中。PCやスマホだけで手軽に探検気分が味わえるハイクオリティなVRコンテンツは遺跡好きならずとも必見です。
ドローンや360°カメラ、レーザースキャンを総動員
『CyArk』が公開している「遺跡のデジタル化」作業の様子は以下の通り。空撮に使用されているのはDJIの『Phantom 4』シリーズの機体のようです。
仏像の前で撮影をする360°カメラ。こちらはおそらく『GoPro』を専用リグに装着したセットアップだと思われます。
石像をデジタルスキャンする様子は以下の通り。
上記のような、テクノロジーを総動員したデジタル化作業により作成された3Dモデルがこちら。
CyArkは、なぜ遺跡のデジタル保存の取り組むのか?
非営利団体であるCyArkが遺跡のスキャンやデジタル化による「保全」を行なっている理由は、公式動画『サイアークのミッション(ナレーション英語のみ)』で語られています。
CyArk's Mission
動画の中で語られている「ミッション(使命)」の詳細は以下の通り。
CyArkは世界中の「歴史と文化」を保護することを目的とした団体です。
世界には人類の共通資産としての遺跡や歴史的建造物がたくさん存在しています。
しかし、こうした歴史的な遺産は、過激派によって破壊されてしまうことがあります。
天災の影響で、遺跡が壊れてしまうことも……。
老朽化した遺跡は被災すると、容易に損傷してしまいます。
「世界各地にある歴史的遺産を、いまの世代の人々だけでなく次世代の子どもたちに残すために、私たちには手伝えることがあります」と語るのはCyArkのプロジェクトで現場のマネージャーを務める男性。
CyArkのチームは世界60地域、7つの大陸に赴き、現地で遺跡などの保全とデジタル化に取り組んできました。
ドローンのプロポ(コントローラー)に装着されたスマホに映った空撮映像を、現地の親子と見るCyArkのスタッフ。
このシーンで空撮に使用されているのはDJIの『Inspire』シリーズの機体。産業用の大型ドローンを除けば、最も大型で画質も良いセンサーを備えたカメラを搭載できる空撮用ハイエンド機です。
空撮だけでなく、手持ちのレーザースキャナーによるデータ収集も行なわれています。
こうして集められたデータはCyArkが保管し、同時にインターネット上にも公開されます。
こちらは米国のラシュモア山国立記念公園にある歴代大統領の巨大な彫刻。
3Dデータ化するとこんな感じ。
こうして作成されたデータはオンライン上で無料公開されています。
さらに、VRコンテンツとしても「体験」可能。
動画の中では「東南アジアの遺跡や古代ギリシャの建物などをVRとして体験することで、子どもたちの物の見方や考え方を広げられる」と、教育における3Dデータの価値が語られています。
ゴーグルを装着した人に見えているのは、このような風景です。
編集後記
『CyArk』が3Dマッピングや測量技術を応用して生成した精密な3Dデータは『Google Arts & Culture』のウェブサイトで公開されており、PCやスマートフォンから誰でも無料で閲覧可能です。現地の音声やナレーション(英語)を聴きながらVRコンテンツを見ることで「まるで遺跡の中に居る」かのような体験ができます。また、観光気分で見るエンタメとしても、十分楽しめる内容となっていて、iPhone、Android、PCなどから無料でアクセスできるので、ぜひ、チェックしてみてください。