<最新記事>
もくじ
福島第一原発の3号機建屋内をドローンが調査
福島第一原子力発電所の内部には人の立ち入りが困難な場所が残っていますが、ドローンであれば近寄って放射線量の測定や写真撮影が可能です。今回2月に行われた調査では、3号機原子炉建屋内の1階から3階までを対象に調査が行われ、その結果が東京電力のウェブサイトで公開されています。なお、調査の目的については以下の通り公表されています。
【調査目的】
福島第一原子力発電所3号機原子炉建屋内における、未アクセス箇所(2階,3階)の状況確認として、線量計を搭載したドローンによるデータ収集を行う。【調査日時】
2018年2月27日 午後3時20分~午後3時45分
福島第一原子力発電所 3号機原子炉建屋内部 ドローンによる線量調査結果|東京電力
福島第一原発の調査に使用されたドローンの機体
今回調査に使用されたドローンの写真はこちら。
機体には「RISER」と文字が書かれており、これをもとに調べてみると、どうやらこのドローンはイギリスで開発されていた『Blue Bear’s RISER』のようです。
開発元のウェブサイトの説明によれば、このドローンはレーザー技術を応用して非GPS環境下での自律飛行ができるとのこと。今回の測定と撮影が自律飛行によるものであったかどうかは公表されていないため不明ですが、この機体そのものはレーザーによるマッピングを行いながら複雑な空間を「自己ナビゲート」により飛行できるそうです。
» 参考 Blue Bear Systems Research
2018年にドローンで計測された
福島第一原発の3号機建屋内の放射線量
今回の調査で東電が発表した福島第一原発の3号機建屋内の放射線量は以下の通り。
ドローンが撮影した
福島第一原発の3号機建屋内の写真
今回の調査では、放射線量の測定結果とあわせて、ドローンで撮影した写真も公開されています。
1階東向き
1階北向き
2階開口部から東向き
2階開口部から北向き
3階開口部から東向き
3階開口部から北向き
編集後記
公開された写真を見ると、2階と3階の内部が特に激しく破壊されていることがわかります。放射線だけでなく、散乱した瓦礫の影響で人や地上ロボットが立ち入ることが容易ではないことが明らかですが、空を飛べるドローンであれば床のコンディションに影響を受けないため、このような場所の調査に適していると言えるでしょう。