画像出典:Fotokite-YouTube、Fotokite.com、以下同じ
「ドローンにワイヤーをつける」というシンプルなアイディアを形にした『Fotokite(フォトカイト)』シリーズ。このドローンを製造、販売するFotokite社が、ニューヨークで開催された世界最大級の無人機関連ビジネスのコンテストで優勝し、100万ドル(1億円以上!)の賞金を獲得しました。
» 参考(英語)$1 Million for Fotokite at Genius NY
ワイヤー付き機体がひらく
人口集中地区におけるドローン利用の可能性
『Fotokite Pro』は産業利用を想定した「ワイヤー付き」のドローンです。ワイヤーがあることで、機体が強風に流されたり電波をロストした際に、制御を失って想定外の場所に墜落するリスクを無くせるのがこのドローンの強み。
ドローンの操作には、リール(巻取り機)のついた専用のプロポ(コントローラー)を使用します。このケーブルは機体を保持しておくだけでなく、フルHD(60fps)で映像伝送も行なえるとのこと。
「ワイヤーが切れる」という例外を除けば、「ワイヤーを伸ばした距離より遠く」に機体が落ちることはないため、人口集中地区などでも安全にドローンを活用できる可能性が広がります。
実際に『Fotokite Pro』を使用している様子はこんな感じ。なお、メーカー公称の飛行時間は最長40分で、有線給電を行なえばさらに長時間の飛行も可能とのこと。
専用のハードケースに収納した様子は以下の通りです。
ワイヤー付きドローンFotokite Phiの詳細
こちらは、非産業用の『Photokite Phi(フォトカイト ファイ)』というモデル。
丸いコントローラーからワイヤーが伸びてドローンと接続されています。
丸型のワイヤーケース。
「長〜い自撮り棒(セルフィースティック)」のような使い方も想定されているようです。
ダンスのような激しいアクションシーンも一人で自撮りが可能。
観光地での記念撮影にも好適。
屋内利用の際に万が一 柱や壁に接触しても……
弾力性のあるプロペラガードが装着されているため、墜落を避けられます。
なお、日本の航空法においては、ワイヤー接続の有無に関わらず、国土交通省による飛行許可を得ていないドローンを人口集中地区で飛行することは禁じられているので注意が必要です。
Fotokite Phi: Aerial Filming Made Easy
実際に『Fotokite Phi』を飛行している様子が見られる公式動画は以下の通り。
編集後記
『ドローンスパイダー』など、ドローンを有線化して安全性を高める製品は既に日本でも発売されていますが、ドローンメーカーの純正品ではなく、「箱を開けてすぐに使える」という類の物でもありません。そのため、趣味用はもとより産業用ドローンの世界でも有線ドローンが活発に活用されているとは言い難い状況です。
そこに『Fotokite』のように、手軽に有線ドローンが使える製品が登場すれば、安全性が高い機体として人気が出そうですね。「賞金1億円」をゲットしたFotokite社の今後に要注目!