無人航空機による災害支援を目指したイノベーションを開発する株式会社テラ・ラボ。
今回の記事では株式会社テラ・ラボの災害対策DX社会実装への取り組みを紹介していきます。
株式会社テラ・ラボとは?
テラ・ラボは、長距離無人航空機による広域災害システムの研究開発を進める、南相馬市を拠点としているスタートアップです。衛星通信による長距離無人航空機の研究開発や、空間情報データの収集と解析システムの確立、地上支援システムの構築などを行なっています。
これらのシステムを活用し、発災時のタイムラインの迅速を図ることで、災害対策の意思決定における重要な役割を果たすとともに、災害による被害の軽減を目指します。
テラ・ラボは東日本大震災の復興に寄与すべく、「ロボットのまち南相馬」で災害支援を主題とした研究開発を進め、南相馬市での雇用創出と産業復興を目指しています。
また2021年10月には無人航空機(UAV)システム拠点「TERRA LABO Fukushima」の完成を予定しています。
テラ・ラボの災害対策DXの例
令和元年東日本台風(台風19号)被害調査状況
2019年10月12日、非常に強い勢力を持つ台風19号が日本に上陸しました。政府はこの台風による被害を「激甚災害」に指定。また大規模災害復興法に基づく「非常災害」にも指定しています。
テラ・ラボは、甚大な被害をもたらした台風19号により、被災した南相馬市をドローン活用して被害調査状況を行いました。
各事業者が市内各所を空撮し、映像データを集約し3次元データ解析を行いました。各データをクラウドへアップロードし、2次元データ解析を行い、解析データをWebアプリケーション化して順次公開。
収集・解析したデータをもとに住民避難が促され、人的被害の回避につながりました。
福島県沖地震(令和3年)被害状況調査
2021年2月13日午後11時7分、福島県沖でマグニチュード7.3、震源の深さは約55kmの地震が発生しました。この地震は宮城県・福島県で最大震度6強を観測。福島県内の高速道路や、常磐道・相馬IC〜新地ICでは、約70kmに及ぶ土砂崩れが発生しました。
テラ・ラボは福島県沖地震発生後、愛知県よりヘリコプターをチャーターし、南相馬市の被害状況を調査しました。ヘリコプターをチャーターし、南相馬市周辺上空で被害状況を調整。その後データをクラウド解析し、南相馬市に空撮データを提供しました。
その後、空撮データをクラウドシステムへ共有。南相馬市の災害対策本部で被害状況を報告しました。
テラ・ラボの災害対策DXの例
テラ・ラボは、未曾有の災害に立ち向かう無人航空機×災害対策DXの取り組みを社会実装するべく、南相馬市にて社会実験を行なっています。
多様な無人航空機を活用した情報取集は、地上調査よりも迅速に対応ができ、人が立ち入ることが難しい危険エリアにおいても安全かつ広範囲な調査が可能です。人命救助、復旧作業など、各組織の初動や意思決定に役立つことが期待されています。
テラ・ラボは、今後想定される「南海トラフ地震」に備え、素早く対応できるシステムを構築するなどDXにも力を入れながら、関係機関と連携を深め災害現場の第一線として貢献していくとのことです。
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