2021年最新!ドローン航空法改正を解説【後編】【操縦ライセンス】

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今年2021年と2020年に航空法の改正が成立しました。

これに伴いドローンの制度内容が変更となる項目は以下の通りです。

・機体認証制度
・操縦ライセンス
・運行管理のルール
・所有者の把握

 

前編では、機体認証制度・運行管理ルール・所有者の把握の項目に関する情報をお伝えしました。

2021年最新!ドローンに関する航空法改正の概要や変更点を解説【前編】

 

後編となる今回は、操縦ライセンスについて詳しく説明していきます。

「ライセンス取得はドローン飛行にどのように影響するの?」
「ライセンスの取得方法や、ライセンスの発行機関となるドローンスクールになるには?」
「すでに民間ライセンスを所持している場合はどうなるの?」
といった疑問をお持ちの方は必見です。

株式会社ジーテック様にご協力いただき、現時点で明らかになっている情報をまとめてご紹介します。

操縦ライセンスについて

概要
・国が試験(学科及び実地)を実施し、操縦者の技能証明を行う制度を創設
・一等ライセンス(第三者上空飛行に対応)及び二等ライセンスに区分し、機体の種類(固定翼、回転翼等)や飛行方法(目視外飛行、夜間飛行等)に応じて限定を付す
・国の試験を受けた民間試験機関による試験事務の実施を可能とする
・国の登録を受けた民間講習機関が実施する講習を修了した場合は、試験の一部又は全部を免除
など

従来のドローン飛行は許可を取ることで自由に操縦が可能でした。

今回の法改正では、既存の許可・承認制度に加えて操縦ライセンス(国家ライセンス)制度が創設されます。

操縦ライセンス(国家ライセンス)の取得によって一部の飛行については許可・承認が不要になるのです。
※操縦ライセンス(国家ライセンス)を取得しなくても既存の許可・承認制度で変わらず飛行させることができます。

(※現在あるのは民間技能認定証と呼ばれる民間ライセンスで、国家ライセンスとは別物なので注意しましょう。)

では、操縦ライセンス制度の具体的な内容について順に解説していきます。

操縦ライセンス制度はいつから?取得できるスクールは?

国土交通省の資料によると、操縦ライセンス制度の施行は2022年(令和4年)12月頃を予定しています。
また学科及び実地試験の全体像については、今年度中に示される予定です。

操縦ライセンス取得(発行)可能なスクールについて

登録講習機関(ライセンスを取得できるスクール)については、2022年9月の登録受付開始を目指しています。

またライセンス発行が可能なスクールになるための登録要件は、今年度中に方向性を示す予定になっているようです。

今回の法改正では、操縦ライセンス(国家ライセンス)を発行するためには国土交通大臣の登録を受ける必要があります。
今まで各管理団体において設定されていた認定スクールの要件とはズレが生じることが想定されるので、必ず確認するようにしましょう。

操縦ライセンスの種類や違いとは?ドローンの飛行レベルとの関係

操縦ライセンスには、「一等ライセンス」と「二等ライセンス」の2種類があり、それぞれドローンの飛行レベルによって区分されています。詳しく説明します。

ドローンの飛行レベル

現在のドローンの飛行は4つのレベルで表されています。それぞれの目安は下記の通りです。

レベル1:目視内での操縦飛行(例:空撮など)
レベル2:目視内での自動飛行(例:測量飛行や農薬散布飛行など)
レベル3:無人地帯での補助者なし目視外飛行(例:山間部の無人地帯での荷物輸送など)
レベル4:無人地帯での補助者なし目視外飛行(例:第三者上空を飛行して荷物輸送など)

レベル4に相当するのは、有人地帯での目視外飛行や補助者なしというかなりリスクの高い飛行です。第三者上空を飛行して荷物輸送する場合などが該当します。

操縦ライセンスの種類と飛行レベルの違い

ライセンスには、「一等ライセンス」と「二等ライセンス」と区分が設けられています。
それぞれのライセンスで可能となるドローンの飛行レベルは以下の通りです。

一等ライセンス:レベル4(目視外飛行、補助者なし飛行、有人地帯で飛行させる)に該当する飛行が可能

二等ライセンス:「人口集中地区」・「夜間飛行」・「人・物件30m未満」・「目視外飛行」の許可・承認が不要となります。「空港周辺」・「高度150m以上」・「イベント上空」・「危険物輸送」・「物件投下」・「一定の重量以上」は許可・承認が必要になりますが、審査が一部省略されます。

 

民間ドローンスクールに通っている方は、二等ライセンスを取得すれば普段行う飛行内容を問題なく行うことができるようになります。

では一等ライセンスはどうかというと、二等ライセンスの取得よりもさらに条件が厳しくなります。

一等ライセンスによって認められるレベル4の飛行は、リスクが高く現行の法令上認められていないからです。

今回の法改正により、レベル4を認めていくためには高い安全性が求められます。無人航空機が第三者の上空を飛行するには「操縦する者の技能」が何よりも重要。また、操縦技術が飛行のリスクに応じて適切であることを厳格に担保する必要があるため、要件が厳しくなるようです。

一等ライセンスの取得や発行に関する具体的な条件は、以下のようなものがあります。

・有人機の知識や有人機パイロットによる指導が必要
・教官や試験官になるための条件が厳しい

2021年8月時点でわかっている情報をまとめると、以下のようになります。

まとめ
・ライセンスの種類は二種類(一等ライセンス/二等ライセンス)
・民間ドローンスクールにて二等ライセンス取得を推奨
・ライセンス発行が可能なドローンスクールは未定(今年度中に方向性が示される予定)

 

操縦ライセンス制度の内容を解説

操縦ライセンス制度が施行されたあとのライセンス取得方法について説明していきます。

国土交通省は、操縦ライセンスの取得パターンについて以下の二種類を想定しています。

1.スクールを活用
2.直接試験

 

スクールを活用する上で注意したいのが、現存するすべてのドローンスクールで操縦ライセンスの取得が可能とは限らないということです。

先ほども述べたように、今現在のドローンスクールの設備や人員体制では、今後の国土交通大臣の登録要件を満たさない可能性があります。そのためドローンスクールによっては追加設備や追加人員を導入する必要が生じることが想定されるからです。

ライセンス取得・発行できる機関については最新情報を確認するようにしましょう。

1.スクールを活用する場合

一つ目のパターンはスクールを活用する場合です。

まずは登録講習機関にてドローンの飛行に関する知識や操縦方法等の講習を受けます。
資格区分に応じて、一等ライセンス(レベル4相当)及び二等ライセンスの二種類の登録が可能です。

講習を受け終えると、指定試験機関にて学科や実地試験を行いライセンス発行に至るという流れです。

2.直接試験する場合

二つ目のパターンは、スクールに通わず直接試験を受ける場合です。
医師の診断書など身体検査に関する書類を持参し、学科試験と実地試験を行います。

ライセンス発行までに必要な手続きを試験会場で一括で行えるのが特徴です。

ただしスクールに通って取得するよりも、かなり厳しい基準が設けられると言われています。

スクールを活用して操縦ライセンスを取得するのが主流になるでしょう

操縦ライセンスの登録講習機関や指定試験機関になるには?

登録講習機関となる団体については、民間のドローンスクール(約1,000程度)のうち、要件を満たすものが登録される予定です。

講習団体の登録には、以下の要件が設けられます。

・当該機関の運営や学科
・実地に関する講習内容の水準確保に係る教員・設備等

上記に適合するもののみが操縦ライセンスの発行が可能となります。

また指定試験機関については、全国で一法人を指定することを想定しているそうです。

法改正前後の注意点【民間ライセンス取得者編】

操縦ライセンス制度についての疑問点や注意点をまとめてご紹介します。

Q.制度が開始したら、すでに所持している民間ライセンスを提示すれば国家ライセンスを受け取れる?

すでに「○○認定書」など民間ライセンスを取得している方は、制度の切り替わりに伴いどのような手続きを踏むべきなのでしょうか?

A.民間ライセンス取得済みであることが、国家ライセンスを取得できる条件になる可能性は低いです。

しかし民間ライセンス取得者の国家ライセンス取得フローについては、現在調整中のようです。例えば実地試験を免除できるなど、何かしら緩和される待遇が取られると考えられます。

Q.操縦ライセンスの更新時期は三年ごとで確定?

A.三年ごとよりも短いスパンに変更される可能性があります

現在の資料によれば更新時期は三年ごとという記載になっていますが、更新期間が短ければ短いほどスクール側の仕事が増えます。そのため二年から三年の間で再設定されるかもしれません。
最新情報をお待ちください。

編集後記

航空法の改正における操縦ライセンスの内容やライセンス取得方法、注意点について説明しました。

操縦ライセンス制度により、ドローンの使用がめんどくさくなる・気軽に使いづらくなるのではないかと感じている方もいらっしゃるかもしれません。

たしかに法改正によりホビー用のドローンすらも気軽に飛ばせる機会は減ってしまうので、認識を改める必要が生じます。
しかし許可さえ取れれば、安全性の高い環境でドローン飛行を楽しめるという見方もできます。室内での飛行ももちろん可能です。

ドローンの利用にあたり許可やライセンスを取得することをスタンダードに行い、正しく安全に楽しんでいきましょう。

今後も法改正に関する最新情報をお伝えしていきます。

取材協力:株式会社ジーテック

行政とテクノロジーの融合を軸としつつ、社会全体の発展に資するサービスを開発することを目的としたベンチャー企業。

複雑な民泊許可届出をクラウドでワンストップ申請できる民泊総合届出サービス「MIRANOVA」や、ドローン飛行に必要な許可申請や実績報告をクラウド上で完結できるサービス「DIPS コネクト」の運営などを行っています。

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2021.09.13