産業分野でのドローン活用は現在進行形で拡大中。
VIVA!DRONEでも様々な取り組みをご紹介してきました。今回は、ドローンパイロットが実際に体験した、ドローンを活用した太陽光発電所点検について解説いたします。
太陽光発電所の点検作業はどのようなことを行っているの?何が問題視されていたの?ドローンを使うことで何が便利になったの?
などなど、現場の臨場感伝わるレポートを交えながらドローンの利便性をお伝えします。
ぜひ参考にしてください。
鹿児島県出身で福岡県在住のAsia Drone Club(beadspark)検崎と申します。
ドローン歴は2016年に会社所有物のPhantom3を手にし、独立後始めて買ったドローンはinspire 1+XTです。
ドローンについては、知識も技量もなかったので、当時ドローン関係の本を読みあさり、知識はドローン検定3級・2級・1級と2か月おきに受講し1級まで取得しました。ドローン飛行は、独自で学びました。
2021年2月、ある方の一言で、モード2 → モード1に操作方法を変更。
2019年に行われた「北九州わっしょい百万夏祭りの公式花火の撮影や、20年2月に公開された映画『犬鳴村』のエンドロール映像をドローンで撮影するなど、空撮も行っていますが、業務としては点検業務が主となります。
2021年から、NTTe-Drone Technolog社製AC101での農薬散布業もはじめ、夏と秋はプロフェッショナルな皆さんと北海道の大地で日々研鑽しております。
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ドローン太陽光発電所の点検
太陽光発電所における点検作業は、ドローンに赤外線カメラを取り付けることで一気に効率的に進めることができるようになりました。
太陽光発電所の点検は実はとても大変
太陽光発電所における点検作業は、1MWの太陽光発電所では4000枚前後の太陽光モジュールを確認するというもの。1MWもの広さがある太陽光発電所、施設全体を点検するのは非常に大変です。目視で確認した上で、撮影しても不具合箇所が写らないため、後から確認することが難しいからです。(確認できるのは鳥の糞がパネルに落ちているぐらいです。)
太陽光パネルで発電した電力を、使用できる電力に変換する「パワコン」の出力の違いや測定器での値の違いを把握することはできても、モジュールのちょっとした出力の低下を知ることは不可能でした。
そこで当時活躍したのがDJIのドローン「 inspire 1」と「XT(赤外線カメラ)」です。
すると太陽光モジュールの不具合箇所やストリングの不具合が、目に見えてわかるようになりました。さらに全体を把握する時間が大幅に短縮できたのです
すごいですよね。
点検作業の負担を軽減させる鍵を握っていたのは、ドローンに搭載された赤外線カメラです。同時にDJIからGSPro(自動飛行ソフト)が使えるようになり、広いエリアを同じ速度でまっすぐに飛ばす事が出来るようになりました。
今までは手動飛行で速度を低速で一定にして、ずーっとモニターを凝視して(目視外)機体を見る余裕がなく1km以上飛ばすとなると、補助者がいてもとても大変な業務でした。
本記事では、赤外線カメラの特性についても説明します。赤外線カメラの性能を知っておくことで類似した撮影案件が各段にスムーズになるはずです。
赤外線カメラの特性
最近はコロナ禍の中、巷に多くの赤外線カメラがあふれるようになりました。空港やデパートをはじめ、小・中学校や高校まで温度感知するために赤外線システムが大活躍しています
赤外線カメラから送られてくる映像を見てみると、ところどころ赤くなっている部分があるのが分かるでしょうか?
一見、高温箇所を示していると思う方もいらっしゃるでしょう。
厳密には赤外線カメラを通して赤くなっている部分は、物体が発する熱を可視化しているのです。
温度を色で表現する際、冷たいと寒色を使い、暖かいと黄色やオレンジなどの暖色が使われることが多いですよね。赤外線カメラを通した映像も同様に、青い所が冷たく、黄色からオレンジ赤くなるにつれて高温を指します。温度を色分けして可視化(見えるように)しているのです。
太陽光発電所の点検で活躍!ドローンに搭載された赤外線カメラの性能とは?

出典:https://www.dji.com/jp/matrice-30
さて、赤外線カメラの特性が分かったところで、ドローンに搭載される赤外線カメラについても解説していきましょう。太陽光発電所における点検作業ではどれぐらいの高さでどれぐらいの大きさの物の温度を測っていたのでしょうか?
太陽光モジュールのセルは、約100㎜×100㎜。50mの高さでドローンを飛行させると、45㎜の大きさの温度を認識できますのでセル1枚1枚の温度を50m上空から判別できます。温度差も、0.05℃の差で測定が可能です。
カメラのモデルによりますが、19㎜のゲルマニウムレンズ*を付けたモデルは、ドローンが10mの高さから0.9㎜の大きさの温度の測定が計算上可能です。
100mだと9㎝の大きさの測定が可能になります。人間の腕や足のパーツの認識も可能です。
つまり100m上空から人の捜索や動物の生態を楽勝にこなしてくれます。
すごい高性能でしょう!
*ゲルマニウムレンズ:赤外線カメラのレンズ ゲルマニウム(Ge)は、赤外線波長の透過率が優れていますが、高価で加工が難しいのが特徴です。
DJI社のドローンに取り付けられる赤外線カメラ「XT・XT2・H20T」、「MATRICE30T」は、ほぼ同じ性能をもっています。
他にも、「Autel Robotics EVO II Dual」や「Parrot ANAFI-USA」をはじめ、「SkydioX2」など 高性能の赤外線カメラを搭載したモデルもあります。これらは用途によって使いわけられます。
しかし、物体が出す温度を可視化する赤外線カメラの映像を解析するためには、〇〇を知らないとモニター画面に映る温度の嘘に騙されてしまいます。
それはなんでしょうか?
答えは次回の記事で解説しますのでお楽しみに!
次の記事はこちら
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鹿児島県出身で福岡県在住のAsia Drone Club(beadspark)検崎と申します。
ドローン歴は2016年に会社所有物のPhantom3を手にし、独立後始めて買ったドローンはinspire 1+XTです。
ドローンについては、知識も技量もなかったので、当時ドローン関係の本を読みあさり、知識はドローン検定3級・2級・1級と2か月おきに受講し1級まで取得しました。ドローン飛行は、独自で学びました。
2021年2月、ある方の一言で、モード2 → モード1に操作方法を変更。
2019年に行われた「北九州わっしょい百万夏祭りの公式花火の撮影や、20年2月に公開された映画『犬鳴村』のエンドロール映像をドローンで撮影するなど、空撮も行っていますが、業務としては点検業務が主となります。
2021年から、NTTe-Drone Technolog社製AC101での農薬散布業もはじめ、夏と秋はプロフェッショナルな皆さんと北海道の大地で日々研鑽しております。