画像出典:Joining Forces、Holy Stone、その他筆者撮影
<最新記事>
「ラジコン」と「ドローン」。この2つの単語は、同じ意味? ちがう意味?
「機体の姿はなんとなく思い浮かぶけど、厳密な違いは説明できないかも!」 という方も少なくないはず。
そこで、この記事では、ゴチャ混ぜにして使われてしまうこともあるこの2つの単語のちがいをスパッと解説してみることにしました!
もくじ
ラジコンは登録商標
一般的な会話では「ラジコンカー」や「ラジコンヘリ」という使われ方で頻繁に耳にする単語ですが、この単語は実は商標として登録されているんです。『特許情報プラットフォーム|J-PlatPat』で「ラジコン」検索すると、以下の画像のとおりこの単語が商標として登録されています。
また、この商標を取得してる増田屋コーポレーションのウェブサイトでは「1955年、世界で最初に無線操縦玩具を開発してラジコンバスを発売する
」と書かれており、50年以上も昔に誕生した物であることがわかります。
つまり、商標を軸にして考えるなら「ラジコン」は増田屋コーポレーション(それか、同社が許可した会社)の製品しか名乗れない名前なのです。
ちなみに、この「ラジコン」は、(ホントは正しくなくても)増田屋コーポレーション以外の製品にも使われてしまうことが少なくありません。そのため、友人同士の会話などであれば、まちがって使っても(よっぽどコダワリのある相手でなければ)「キミ、それはラジコンじゃないのだよ」と言われることはないでしょう。
しかし、別の会社が自社の商品に無断で「ラジコン」と名付けたり、別の会社の製品を記事などで「ラジコン」と書いたりするとお叱りを受けるので要注意です。
他社は「RC」「R/C」と呼ぶ場合も
無線で操縦する玩具などについては、大手メーカーはそれぞれ別の呼び方をしています。
タミヤのウェブサイトの場合は「Radio Control」の頭文字をとって「RC」と書かれています。
また、京商のウェブサイトではトイRCと記載されています。
ドローンと呼ばれる機体はいろいろある
「ラジコン」は「商標」というわかりやすい基準で「当てはまる機体」と「当てはまらない機体」を決められますが、「ドローン」という単語はより広い範囲の機体に使用される単語です。機体の大きさも、形も、目的も大きくことなる存在をひとくくりに「ドローン」と呼ばれることが多いので、すこし混乱するかもしれませんが、ざっくりと幾つかの例にわけてみた結果は以下のとおり。
ホビードローン
ホビー用ドローン、あるいは民生用ドローンなどと呼ばれる機体の代表と言えば写真の『Phantom』シリーズが有名。空撮や趣味として飛行を楽しむ際に利用されるドローンです。ただし、この『Phantom』は、写真測量の現場で使用されることもあるため「産業用ドローンなのでは?」といわれれば「絶対にちがう!」と言い切れないのも事実。どちらの用途で使われることが多いか、でざっくりと「ホビードローン」や「ハイアマチュア向けドローン」という感じで分類すれば良い、と捉えておくのがよさそうです。
トイドローン
「トイドローン」という言葉にも厳密な定義はありませんが、おおむね数千円〜1万円程度の機体で子供が使用することも想定して作られている機体を指すと考えれば間違いありません。写真はAmazonで人気のホーリーストーン社のトイドローンです。
産業用ドローン
産業用ドローンは上記のDJI『Matrice 600』のような大型の機体で専門的な測量機器や大型のカメラを搭載し飛ばすために使用される物です。
農業用ドローン
「産業用ドローン」の1ジャンルとして、DJI『AGRAS』のような農薬・肥料散布を想定して作られた機体は「農業用ドローン』と呼ばれています。
レーシングドローン
極限まで重量を削り、速く飛ぶことを目指した機体が「レーシングドローン(レースドローン)」です。有名大会で上位を狙う選手になると、市販のパーツを組み合わせたり改造したりしてオリジナルの機体を組み上げていることも多く、自作ドローンの1ジャンルとして人気です。
軍事用ドローン
一般人が購入する物でありませんが「ドローン」と呼ばれることもある軍事用機体。近年では、無人航空機やUAVと呼ばれ、上記のRQ-4 Global Hawkの製造元であるノースロップ・グラマンはUAS(Unmanned Aircraft System)と記載するなど、「ドローン」と呼ばれることは減ったかもしれませんが、ドローンと言えばこれを思い浮かべる人も少なくないはず
まとめ
ドローンとラジコンのちがい
というわけで、ラジコンとドローンのちがいを改めてまとめると以下のとおり。
- ラジコンは増田屋コーポレーションの登録商標。他社の製品は名乗れない
- ドローンはいろいろな機体の呼び名に使われる。その種類はホビー用、産業用、軍事用などさまざま
これでラジコンとドローンの違いがスッキリ整理できたはずです。
でも、増田屋コーポレーションが「ドローン」を販売し始めた場合は「ラジコン・ドローン」が誕生するわけで……その時は、また、改めて記事でご紹介することにしましょう!w