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【ドローンパイロットが解説】プロフェッショナルを目指す!ドローン初心者向けの練習方法!②

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前回の連載で紹介した練習方法(プロフェッショナルを目指す!ドローン初心者向けの練習方法!)では通常よくあるパターンの練習方法を解説しましたが、今回は「空撮を想定した練習パターン」について、身近な場所での練習方法を紹介します。

ドローンによる空撮動画は、ある程度ドローンを飛ばせるようになれば、auto設定のまま撮影ボタンを押すだけで割と簡単に撮影できます。

ゆっくりとした風景動画や建物のノーズインサークルなどは多少の練習をすれば可能ですし、ネットで検索すれば撮り方などがたくさん出ています。

しかし、「動きのある動画」は、やはり常にそれを想定した練習をしていないと、現場ですぐに対応できません。

プロのカメラマンは、常に自分の目をカメラとして意識して物を見ているといいます。しかしながら、ドローンはそれプラス「写したいものを捉える操舵技術」が必要です。練習を重ねることでどのような動画が自分は撮れるのかが確認できます。

前回の「通常よくあるパターン」の練習はATTIモードでさらにビジョンポジショニングセンサーを切った状態でおこないましたが、今回は通常のPモード(GPSモード)でビジョンセンサーもONにします。

今回は操縦の練習方法としての解説ですので、カメラやジンバルの設定などについては省略します。

 

 

 

練習パターン

(1)静止している目標物に近づきながら撮影するパターン

 

(a)直進で目標物に近づき、真上まで飛んで停止する

直進している場所の上5mほどで、前方にあるモノ(静止状態)を目標物として設定し、それに向かって進みます。

その際、目標物を常に画面の中央にとらえます。

そして、そのまま来た方向に戻ります。

ドローンをまっすぐ飛ばしながらカメラをチルト(上下)します。撮った映像を見て自分の得手不得手を確認します。

*DJIのPhantomシリーズの場合、カメラ詳細設定の「ショーグリッド線」の「グリッド線と対角線」をONにします。さらに「中心線」の「フレームと十字形」を選択すると上記画像のようになり、この中心あたりに目標物をとらえます

ちなみにドローンを「まっすぐゆっくり飛ばす」というのはけっこうむずかしいものです。

風などの外力に対して、機体自体の直進性と操舵に対する反応などで決まります。

(b)直進で目標物に近づき横をすり抜けながら目標物を中心にとらえ続けて離れる

この撮影方法は動画ではよくあるパターンです。

上記動画では近づいて離れるルートを直線的に設定し、カメラのチルトとドローンのラダーを使いながら常に中心の目標物をとらえています。

こちらの方法はPhantomシリーズなどに「タップフライ」という操縦方法であり、「これを使うと便利」と言われますが、逆にその設定などが難しく、思い通りの撮影ができない場合があります。

そのため、常に自分の操縦でできるように練習することをオススメします。

(c)直進で目標物に近づき、目標物の周りをまわって戻る

目標物に近づき、ノーズインサークル(その周囲をカメラを中心に向けながら回転)をします。

(d)10mほどの高さから直進下降しながら目標物に近づき、低い位置で対象物の周りをまわってから、来た方向に上昇しながら戻る

(c)と同様の動きですが、高低差をつけます。

目標物に対してできるだけ低い位置から撮影します。この際ドローン自体と画面を見ながら地面にすらないように十分注意しましょう。

(e)目標物を回りながら上昇する

ノーズインサークルに上昇下降をつけます。
5mほどの位置から上昇しながら20mほど上げます。一番上で目標物が真下になるように、回転半径を小さくしていきます。

下降の際は、半径を広げながら下降します。

(2)ある程度スピードのある目標物に対してドローンを移動しながら撮影するパターン

この練習はある程度スピードを出しておこなうため、周囲の状況に十分注意しましょう。

また、常に画面とドローン自体を目線の中に入れながら行います。

(a)動く目標物を追いかける、また引きながら撮る

マラソンランナーやクルマなどのスタートシーンなどを想定し、直線の場所で、2m前後の高さで練習をします。

最初はゆっくりとしたスピードから始め、引きながらの際は特に動線に障害物がないか注意しましょう。

(b)動く目標物を横から平行移動で撮る

(a)と同じ状況で目標物を横から並走して撮ります。
動線に障害物がないか十分注意しましょう。

(c)周回する目標物をその中心で追う

*動画内の白丸が「目標物」です

運動会の徒競走やクルマのドリフト競技・レーシングカートの撮影などの際に有効な撮影方法です。

周回するコースの中央当たりのやや上方で、ドローンは動かさず、カメラのチルトとラダーだけで目標物を中心に追いながらドローンを回します。

いかがでしたでしょうか。

「(1)静止している目標物に近づきながら撮影するパターン」の練習は時々実際に動画を撮って検証し、また他の人にも見てもらうとよいでしょう。

見る人の視点に立つと「できるだけゆっくり」が大事です。また「ゆれ」があったりすると見る人に不快感を与えます。多少の修正はあとの編集で可能ですが、編集が少ないほどいい作品になります。

「(2)ある程度スピードのある目標物に対してドローンを移動しながら撮影するパターン」の練習は周囲の状況に注意して、最初はゆっくりとしたスピードでトライしましょう。

ドローンの撮影は事前の準備が8割、現地での柔軟な現場対応が2割だと思います。

撮影依頼者は「ドローンなら何でも撮影できる」ぐらいの考えの方が多く見受けられます。

常に様々な撮影シチュエーションを頭に描いて練習をすることで、依頼者のリクエストに対して自分ができることとできないことが判断でき、事故防止につながると思います。

そしてドローンでの動画撮影が、より素晴らしいものとなるようにがんばりましょう。

【ドローンパイロットが解説】プロフェッショナルを目指す!ドローン初心者向けの練習方法!①

 

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2022.10.24