ドローンの新たな可能性?!哺乳類の調査にドローンを活用

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近年、ドローンによる哺乳類調査が期待されていますドローンと言えばビジネス的なイメージを持つという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

結論から言いますと、ドローンはアカデミックの方向性においても非常に大きなインパクトを残しつつありますその中でも、本記事では哺乳類調査におけるドローン活用について、ドローン以外の手法を交えながら解説をします。

※今回の記事で扱う哺乳類についての定義を簡単に記載しておきますと、脊椎動物(背骨のある)でなおかつ赤ちゃんを産むものを対象にしています。(注意)カモノハシは産卵しますが哺乳類です。ご容赦ください。

代表的な哺乳類調査の手法

まずは、哺乳類調査の代表的な手法について解説します。その意図としては、従来の手法と比較してドローンがどのように優れているのかを明確化することにあります。

なので、ここでは代表的な4つの手法をご紹介し、それぞれの手法の課題点を中心に解説していきます。

①直接観察

こちらの手法は名前通りで、哺乳類の行動等を直接観察することで記録する手法です。

哺乳類のなかでも霊長類を除くと、日本で確認できる哺乳類の多くが夜行性であることが知られています。つまり、この直接観察法は国内の哺乳類の調査にはあまり相性が良いとは言えないでしょう。

また、当然ですが直接観察法は調査員の人手が重要になる労働集約型の調査手法です。そのため24時間連続で哺乳類の行動を追いかけることは難しいという一面もあります。他にも野生の哺乳類は人間に警戒反応を見せることが多々あるので、調査対象を選ぶというデメリットもあります。

②カメラトラップ

ここ十数年のカメラのコモディティ化から起因する形で、哺乳類探査用の自動記録カメラによる調査も行われるようになりました。これらのカメラはアルカリ電池で稼働し、モーションセンサーと赤外線カメラを搭載しているものが多いです。

つまり、必要に応じて稼働させることが可能なこともあり電池持ちが良く、深夜帯でも赤外線カメラでの撮影が可能です。使用方法も簡単で、樹木にくくりつけておくだけのものが大半です。直接観察法と比較して、人手がほとんど必要ではなく(回収設置には人員が必要)、24時間稼働させることができます。また動物が警戒反応を示しくいという利点もあります。

また、アルカリ電池で稼働するカメラでありモーションセンサーと赤外線カメラを搭載しています。そのため、電池持ちもよいですし、深夜帯でも撮影することができるようになりました。直接観察法のように調査員がいなくても24時間稼働させることができ、なおかつ動物が警戒しにくいという特徴を有しています。

ただし、広い調査範囲ですとカメラを大量に設置する必要があったり、特定の個体を追跡することも難しいです

③バイオロギング法

バイオロギング法とは、GPS発信器などのデータ記録装置を捕獲した動物に取り付けて、動物の行動などを分析する手法です。

これにより、例えば害獣であるシカやイノシシに取り付けることで行動を分析し、効率的に罠を仕掛ける一助として使われたりしています。この手法の課題としては、野生動物を捕獲しなければならないことなどに起因する倫理問題、野生動物に負担がかかるケースがあるという点です

④痕跡調査

足跡や糞や食痕などから種を特定する調査方法を指します。フィールドサイン法と呼ぶこともあります。他にも、例えば糞はDNA解析することで食性を探る一助にもなります。痕跡調査は直接観察と同様に労働集約型であり、また痕跡調査には深い知識と洞察眼が必要であるため調査担当者を選ぶという欠点があります。

ドローンによる調査

それでは本題のドローンによる哺乳類調査について解説します。

近年では、哺乳類の調査にドローンを活用するケースが増えてきています。具体的には、個体数のカウントと行動の分析等に使われています。

個体数のカウントについては、可視光下にて撮影した映像から機械学習を組み合わせた画像処理でカウントする手法が取られています。また、寒い冬場の深夜帯に熱赤外を使用して個体数をカウントするなどの試みがなされているようです。これは、哺乳類と地表温度に極端に差があればくっきりと上空から熱赤外カメラで哺乳類を記録できるということです。

次に行動分析については、前述のバイオロギング法と組み合わせた手法も取られています。GPS発信器を哺乳類に装着し、ドローンで追跡することによって行動データを取得するという方法です。

他にも、罠の設置場所を決めるためにドローンで害獣の追跡を行うなどの方法が検討されているようです。またこれは調査ではないので本題から逸れますが、ドローンで害獣を直接的に追い払いの道具として活用できるか否かも検討されているようです。

編集後記

本記事では、様々な哺乳類調査の手法をご紹介し「ドローンによる哺乳類調査」がどのような用途で検討され、期待されているのかを解説しました。

最後に結論の抽象語を上げてまとめますと、ドローンによる調査のメリットは、前述の4つの手法と比較して、遠方から網羅的に広い範囲を調査できること、高度次第では動物に警戒されないこと(※)、必ずしも個体を捕獲する必要がないこと、手軽に調査を実施できること、などがあげられるということです。

※警戒を示す高度がどの高さなのかを分析する研究は現在進行系で行われている。

本記事がドローンによる哺乳類について理解する一助になれば幸いです。




2020.03.29