【ドローン空撮の基礎】空撮時の心がまえについて重要なポイントまとめ②

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「ドローン空撮の基礎」について解説するこの記事シリーズ。前回は「いろはにほへと」に沿って5つのテーマについてドローン空撮の際の注意事項について解説しました。

【ドローン空撮の基礎】空撮時の心がまえについて重要なポイントまとめ

2回目の本記事内容もまた、空撮初心者にとって参考になるような事例を「へとちりぬるを」に沿ってご紹介していきます。

へ・変だなと思ったら着陸させる

急にジンバルが不調になり予期せぬ角度になったMavic Proで撮影された写真。この時プロポにはジンバルオーバーロードの表示が出た。

離陸させてみて「いつもと違う」こう感じたことのある人はどれだけいるでしょうか。人によって感じ方は異なると思います。また、初心者の方はまだまだ比較するほどフライト歴がないので「いつも」との違いはわからないかもしれません。

まず離陸させてみて必ずやるべき事はスティック操作の確認です。前後左右、上昇下降、旋回と、スティックそれぞれの入り具合を確認します。この時「あれ?いつもと違うかも」と感じる時があります。

妙に一部の舵が入りにくいとか、反応が遅いとか、じっくり舵を入れているのに反応が大きいとか。許容できるレベルの動きであればそのままでも良いですが、気になるようなら一度着陸させた方が良いでしょう。

特にフライト前にファームウェアをアップデートしているようであれば、なおさら違和感が何に起因しているのかを確認することは必要です。

と・鳥には注意!バードストライクがあるかも

縄張りに入られ牽制してくる鳥(千葉県養老渓谷にて)

野山で空撮して驚くのは、野鳥がドローンに反応してくることです。恐らく、野鳥の縄張りにドローンが入って来たため、牽制の意味があるのでしょう。ぐるぐると周囲を回り始めたり、場合によっては機体を追いかけてきたりします。これを初めて経験するドローンパイロットは、もちろん動揺します。この時、無理に逃げると場合によっては事故を誘発する可能性があるので注意が必要です。

ちなみに、いわゆるバードストライクと言って、鳥がドローンと接触あるいは衝突するような事象ですが、これは無いわけではありません。報告されないことも多いでしょうし、なかなか公に出てくることはありませんが、発生することは時々あるようです。私は野鳥に牽制されたり追われたりしたことが何回かあります。さすがに接触や衝突はありませんが、鳥の集団が迫ってきたりすると、空撮どころではありません。

このような時は、よほどバッテリー残量に余裕がない時以外は、一度上空に待避してください。鳥は、相手が自分より下を飛んでいるときに攻撃を仕掛けやすくなりますが、自分より上空の相手は、そもそも捕捉できないようです。そこで、機体を鳥よりも高く上げ一度待避して、鳥が周辺から離れたら安全に着陸させるようにします。

野鳥は縄張りに範囲があります。調べてみると、距離に関する縄張りの情報は豊富ですが、鳥の種類ごとに高さの縄張りもあるようです。やはり大型の種類の鳥ほど、高度は高いです。

今まで襲われた経験値だけでお話しすると、街中では、鳩、カラス、田や野山では、トンビなどが警戒して牽制してきます。それぞれ、適切な高さまで待避することで襲われまではしないので、まずは安全な高さまで待避し鳥が去ったら着陸させる、という対処をしてみてください。

ち・チャネルを確認する

1人、2人などの少人数で空撮している際は気にならないかもしれませんが、4機以上の機体が同じ空域を飛行するような場合は、チャネルの設定についても気にするようにしてください。DJI製品は、通常は自動設定になっていると思います。これは、最も使いやすいチャネルを自動的に選択して使用する設定です。

同じ空域で同時飛行機体数が4機以上いるようであれば、チャネルを固定にしましょう。周囲の人に、自分が固定したチャネルのナンバーを宣言し、周囲の人にもチャネルを固定にするようお願いしましょう。これにより干渉などしにくくなります。

り・リターン・トゥ・ホームの適切な設定

スクールに行くと実技を教わる際に必ず教わると思います。DJI製品では必須の確認項目として、「フェールセーフ」が「リターン・トゥ・ホーム(ゴーホーム)」になっているのがデフォルトの設定かと思います。

リターン・トゥ・ホームは、次の2つのパターンで発動します。

(1)フェールセーフが発動し、その設定が「リターン・トゥ・ホーム」の場合

(2)自らリターン・トゥ・ホームのボタンを押した場合

そして、(1)のフェールセーフが発動する場合ですが、以下の場合が考えられます。

・機体未接続状態になり、機体自身がコントロールされていない状態を認識した場合

・重度のローバッテリー状態となった場合

この時、いずれの場合でも気をつけなければならない設定項目として「RTH高度」の設定があります。機種によってその最小値は異なりますが、15m~20mがRTH高度の最小値となります。

空撮空域周辺の状況により、このRTH高度を確認し、適切な数値に変更してください。RTH高度は最も高い、木、鉄塔、電柱・電線などの高さ以上に設定しておくと良いかと思います。これは、リターン・トゥ・ホームが発動し、ホームポイントまで戻ってくる間に、障害物と衝突させないようにするためです。機種によっては、自動的に障害物を検知し、回避行動をするものもあります。

また、屋内で飛行練習をする際は、フェールセーフの設定を「ホバリング」もしくは「ランディング」に設定してください。

屋内でフェールセーフが発動する機会は少ないかもしれませんが、万一発動した場合、最小値が15mや20mでは、よほど広い屋内でもない限り天井まで到達するような高さです。このような時はホバリングに設定し、目視で着陸させるのが無難です。

ぬ・濡れることの怖さ

雲の中に入る直前のPhantom4 Pro(伊豆大島)

もちろん、ドローンの機体構造から見れば、モーターもバッテリーも剥き出しになっているわけですから、水には弱いことは一目瞭然だと思います。そのため、雨中や雪中の飛行は極力控えるべきですが、そこまで降っている様子がなくても機体がびしょ濡れになるケースもあります。

それは、低く垂れこめた雲が霧のようになっている状態での飛行などです。すでに離陸地点で霧と分かる場合は目視外になるのでわかりやすいのですが、上昇すると雲がある場合は要注意です。このような場合は、雲から抜け出ると絶景の雲海が広がっている可能性もあって、空撮し甲斐はあったりします。

しかし、雲を通過することで機体が思った以上に濡れている場合もあります。粒の細かい水分が機体に付着しますので、その水分が内部に染み込まないように注意し、できるだけ早い段階で着陸させたほうが良いでしょう。着陸後は機体に付いた水分を丹念に拭き取ります。モーター部分やバッテリー部分など、慎重に扱うようにしましょう。

また、雲や霧の中においてですが、飛行には十分に注意してください。センサーが働いて雲や霧を障害物と認識し、その場で動かなくなる可能性もあります。わかって飛行させる場合は、障害物センサーを切った方が良いかもしれません。

る・類は友を呼ぶ-仲間と一緒に行こう

仲間と共に空撮に行くメリットは前回の記事でも書きました。

・自分の知らない知識や情報を共有してもらえる

・自分の操縦や空撮方法についてアドバイスをもらえる

・機体を目視してもらえる

・何かあった時に一緒に対処してもらえる

このようなメリットが、仲間と一緒に空撮することによって得られるのですが、そのためにも仲間づくりというのも重要です。

昨今はドローンのコミュニティも増えており、ドローンスクールの卒業生コミュニティも多いです。ドローンを好きな者がそのコミュニティに集っていますので、きっと話が合うはずです。ぜひ、そのようなコミュニティに加わり、仲間と一緒に空撮に行きましょう。

を・大きな荷物は当たり前 物品管理をしよう

ドローンを始めると、だんだんと荷物の数が増え、その荷物も大きくなっていくから不思議です。しかし、ドローン空撮を続けていくと、誰しもがそのようになります。ドローンのものも増えるのですが、そのほかの備品や、数々の便利グッズが増えていきます。

機体に直結する備品としては、バッテリー、プロペラ、SDカードとSDカードケース、NDフィルター、プロペラガード、充電器。プロポ側ではシェード、ストラップと、このあたりは最初に必須となります。さらに、ランディングマット、風速計、高度計。また服装にも必需品が出てきます。ベスト、帽子、サングラス、手袋などなど。

ドローンだけでも、上記のような備品があり、それを格納するバッグを入れると、かなりの物量になります。さらに広く撮影機材となれば、カメラ、三脚、スライダー、さらには空撮場所によっては登山グッズやキャンプ用品、それらを積み込む車も大きくなっていく・・・。

こうなってくると、物品管理は必須です。特にバッテリーの物品管理は、最初からしっかり行うことをお奨めします。

・バッテリーに番号や記号を振る(シールやテプラなどで貼ったり、書いたりします。)

・バッテリー番号ごとにExcelなどに記載し、購入日、充電回数を記録する。

最低これはやっておくと良いと思います。また、バッテリーと充電器は自分のものと分かるように、わかりやすい印をつけておくと良いと思います。練習場などで他の人が同じ機種を使っている場合に、混ざってしまわないようにする配慮です。

編集後記

いかがでしたでしょうか。ちょっとしたノウハウ的なものを書きましたが、ここに書かれている以上の工夫や対策は他にもあると思います。ドローンの機種が変わると機能も変わりますし、ファームウェアのアップデートだけで挙動が変わることもあります。つねに同じとは限らないのがドローンの世界ですが、それがドローン空撮の面白さの一つでもあると思います。

2020.07.19