消防空域でのドローン飛行を禁止に
国道交通省は3月15日、消防や救助のヘリコプターが飛行する空域での小型無人機(ドローン)飛行を全面的に禁止としました。今後は消防防災ヘリやドクターヘリなどが飛行する空域を「緊急用務空域」に指定し、無関係のドローン飛行を禁じます。
指定の空域はインターネット上で公表。該当空域では200g未満の小型トイドローン 、凧揚げ、花火なども事前許可が必要となります。航空法施行規則を改正し、5月上旬にも施行します。
ドローンにより消火活動が中断
本件は2月の栃木県足利市の山林火災で、ヘリで消火活動を行っている最中に何者かが山林火災現場近く上空でドローンを飛行。これによりヘリの消火活動が1~2時間にわたり中断されました。操縦者はいまだに不明です。
足利市の山林火災は3月15日にようやく「鎮火」を発表。消火活動におよそ23日を要し、一時は305世帯に避難勧告が出され、甚大な被害をもたらしました。
ドローンを興味本位で飛ばす危険性
ドローンは空撮、点検、物流や農業、災害現場の状況確認など幅広い分野で活用されています。
しかし、今回のような災害現場において、一般の方がドローンを飛行させる行為は非常に危険です。墜落や衝突の要因にもなりかねず、重大事故につながる恐れもあります。
昨年秋にはドローンが関西空港周辺の空域に出現し、滑走路が閉鎖され全ての飛行機の離着陸が停止されたという事件も。これによりケガ人や飛行機へのダメージは無かったものの、利用者や航空会社、旅行関係者に与えた被害は甚大なものでした。
ドローンが私たちにとって身近なものになるとともに、ドローンパイロットには飛行に関する正確な知識と安全への高い意識が求められます。
編集後記
ドローンを飛行させる際には様々なリスクがあります。昨年関空で起きた事件や、先月の足利市の消火活動が中断された事件など、危険空域でのドローン飛行は今後の日本におけるドローン規制や国民のドローンに対する印象に大きく影響していきます。
ルールを守り、事前の確認を怠らず安心で安全なドローン飛行を楽しみましょう。