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地震、火災、豪雨……災害現場の被害確認にドローンが大活躍!

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9月1日は「防災の日」。日本政府は、東京23区内における最大震度7の地震発生を想定した防災訓練を実施しました。足立区では、都内初のドローンを使用した災害救助訓練が行なわれるなど、小回りの利くドローンが災害現場の救助活動で注目されています。

災害現場でのドローン活用事例

たとえば、落石や天候不順により安全性の確保が難しい場所、人が立ち入りにくい狭い場所、道路や橋が寸断されて孤立してしまった場所。近年では、こうした災害現場においてドローンが積極的に活用されています。

2016年の熊本地震では「被害状況」「断層の様子」などをドローンで撮影し、救助や復興、災害対策に役立てられてきました。また、2017年に起きた九州北部豪雨では、道路の閉塞状況や流木の流出範囲をドローンによってリアルタイムで確認。さらに、火山の噴火状況の確認などでもドローンが活躍しています

海外の事例では、メディアで大きく取り沙汰されていた2017年12月のカリフォルニア大火災が記憶に新しいでしょう。この火災時にも、現場の状況調査でドローンが大活躍し、消火活動に大きく貢献しました。

日本政府は、2019年9月1日の「防災の日」に合わせて防災訓練を実施。都内で最も交通量の多い環状7号線では、震度6弱以上で一般車両の走行を制限する交通規制を計画。15分間・125か所の信号機を赤にする大規模な訓練が行なわれました。災害時には緊急車両が優先的に通行できるよういち早く救助活動に乗り出し、被害を最小限に食い止めるための災害対策に万全を期す構えです。

耐風・耐水・防塵!災害現場で活用されたドローン

ドローン製品において全世界シェアの70%を占める、DJIでは災害現場でも柔軟に対応できるMatrice200シリーズを販売。強風時にも安定した飛行を続け、密閉した防滴設計で悪天候にも強く、防塵性にも優れています。さらに、赤外線カメラによる熱探知も可能です。

火災現場の状況確認や、人の目では視認しづらい現場にいる遭難者の救助にも活用されています。実際に、国内でも東海地方では防災や捜索救助活動においてMatrice200シリーズが試験的に運用されています。災害現場におけるドローンの活躍が現場の消防士によって証明され、その期待はますます高まっているといえるでしょう。

災害救助のカギを握る、ドローン運用ルールの整備

経済産業省は、『空の産業革命に向けたロードマップ2018』を策定しました。このロードマップの注目すべき点は、ドローンの飛行レベルにおける分類です。このロードマップでは、レベル1は「目視内での操縦飛行」、レベル2は「目視内での自動飛行」、レベル3は「無人地帯での目視外飛行」、レベル4では「有人地帯での目視外飛行」となっています。

レベル3を推進できれば、離島や山間部、河川などでの飛行・撮影が可能となり、よりいっそう災害現場においてドローンが大きく活躍するでしょう。さらにレベル4へと拡大していくことで、災害発生直後の救助や避難誘導、消火活動の支援などもこれまで以上に早期に実現できると考えられます。

現在、レベル1~2にあたる目視内飛行は用途を問わずさまざまなシーンで活用されています。しかし、レベル3~4の目視外飛行を推進するには、高いハードルが存在するのです。現行の航空法では「補助者の配置が必須」とされており、「第三者上空での飛行」も原則として認められていません。これらをクリアするには、「目視外」「第三者上空」において安全な飛行を可能とするための環境整備が必要不可欠です。

さらに、有人飛行機との衝突回避や、第三者上空における騒音問題、プライバシーへの配慮など、課題が多く残ります。幅広い用途で目視外飛行を実現する──そのためには、これらのリスクを鑑みながら、技術開発と運用方法の確立に向けた取り組みを積極的に進めていかなければなりません。

「目視外」での安全な飛行を可能とする策としては、「目視を代替する機能の開発」があげられます。具体的には、目視に代わって「機体状況(位置、進路、姿勢、高度、速度など)の把握」と「安全な飛行を実現する制御」の実現が望まれています。

実際に、経済産業省および国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構では、2017年から「運航管理システム」と「衝突回避システム」を開発中。また、有人航空機と無人航空機の相互間における安全確保と調和を目的としたシステム間の連携も検討されています。

また、「第三者に対する安全性」を高めていくことも急務です。小型無人機の機体や装備における信頼性の確保および故障の抑制、通信における信頼性の向上、風、雨、雷、雪、温度、湿度、気圧といったさまざまな環境における正常飛行の実現、異常発生時の飛行中断による危害抑制など、「落ちない・落ちても安全な機体」が求められています。

さらに、操縦・運航管理にかかわる人材育成も欠かせません。国土交通省では、操縦技能のレベルアップを推奨するべく、操縦技能に係る講習などの情報を航空局のホームページに掲載しています。また、安全な運航を確保できる人材や、機体、制御、システムの開発に携わる人材の育成にも積極的に取り組んでいく構えです

福島発!災害対応ドローンの一大研究拠点

©︎福島ロボットテストフィールド

2011年の東日本大震災で甚大な被害を受けた福島県南相馬市。この地域では、福島の復興を最先端の技術で後押しするプロジェクト「福島ロボットテストフィールド」が2018年7月にスタートしました。付近は田んぼやメガソーラーが広がる地帯。50ヘクタールもの広大な敷地に建設された6階建ての構造物で、総工費は約150億円にものぼります。ここは、政府が定める「無人航空機の目視外飛行に関する要件」を、充実した設備や地域住民の理解によって満たした拠点。レベル3の「目視外飛行」を日常的に行なうことが可能です。敷地内には「緩衝ネット付き飛行場」もあり、航空法などの規制を気にすることなく自由な環境でドローンを飛行させることができます。

また、敷地内の施設や研究室は民間企業へ貸し出されており、教育機関や大企業、スタートアップ企業など幅広い団体が名を連ねているそう。さらに、注目すべきはさまざまな化学プラント設備が設置されている「試験用プラント」。「配管」「ポンプ」「ボイラー」「タンク」「煙突」など複雑な配管が所狭しと張り巡らされています。こちらでは点検用の無人航空機の動向チェックが可能です。煙や気体、熱源などを操るとともに、ひび割れがあるトンネルまでつくられており、実際の災害時に起こりうる異常な環境を忠実に再現できることが大きな強みといえるでしょう。

さらに、2019年3月には民間企業と日本気象協会、福島県、南相馬市の協力により、運航管理システムの実証試験に成功。この試験は、同一空域において複数事業者のドローンを安全に飛行させることを目的に実施されました。「災害調査」「警備」「物流」「郵便」の4つのシーンを想定してドローンを飛行させ、「運航管理統合機能」「運航管理機能」「情報提供機能」からなる運航管理システムが正常に動作することが確認されています。

このように、高度な設備と最先端の技術により、物流やインフラ点検はもちろん、大規模災害に向けた訓練にも大きな期待が寄せられる「福島ロボットテストフィールド」。2020年春の全面開所が待たれます。

編集後記

被害状況の確認はもちろん、避難誘導や物資の配送、遭難者の発見など、今後も災害現場における活躍が期待されるドローン。現行の航空法とそれに伴う技術面などには課題がありますが、より多くの現場で早期の救助を実現できる日は目前に迫っているかもしれません。

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