画像出典:Cyclocopter Demonstration、以下同じ
サイクロコプターとは?
DJIの『Phantom』シリーズのような一般的なドローン(マルチコプター)はローター(プロペラ)が地面と水平に回転します。一方で、サイクロコプターはローターが地面と垂直に回転する点が特徴です。市販のドローンでは見ることがない珍しい機構ですが、2000年代初頭にはすでに開発が進められているようです。
サイクロコプターが飛行する様子
Cyclocopter Demonstration
サイクロコプターが実際に飛行する様子は、ソウル国立大学で行われたデモ飛行を撮影した動画でご覧いただけます。飛行させている人物と比較すると、このドローンは1メートルを超す機体のよう。「キュィィィン」と甲高い音をあげながら飛行する姿はなかなか迫力があります。
地上・水上も移動できるサイクロコプター
All-Terrain Cyclocopter (University of Maryland)
ローターが地面と垂直に回転するということは、回転方向が自動車の車輪と同じです。そのためローターをそのまま車輪が代わりにして、地上を走行することも可能です。
UMD All-Terrain Cyclocopter (Aquatic Mode)
さらに、脚(ランディング・スキッド)に浮きをつければ、水上の移動もできます。
飛行機型のサイクロコプター
Fan Wing
こちらは飛行機の翼に当たる部分にローターを取り付けたラジオコントロール機のサイクロコプター。実際に飛行する様子は02:48頃からご覧いただけます。
サイクロコプターのメリットとデメリット
サイクロコプターはホバリング状態からスムーズに高速前進に移行できる、傾斜地での離着陸時にローターが斜面と接触しづらい、といったメリットがありますが、一方で一般的なマルチローター機に比べてローター(プロペラ)の重量が重くなりがちで、それを動かすための装置も同時により大型の物が必要になるといったデメリットがあります。
編集後記
一般的なマルチローター機とは異なる機構でユニークな存在感を放つサイクロコプター。この特殊性を活かした決定的な用途はまだ発見されていないようですが、試行錯誤は続いており有人機の製作に挑む猛者たちも現れています。
サイクロコプターで有人飛行に挑む
1人乗りサイクロコプター型飛行機を作り、実際に有人飛行にチャレンジする動画(ロシア語?)が公開されています。果たして、結果やいかに? 結末は、こちらの動画でご覧ください。