ドローンを自由に外で飛ばしたい、仕事でドローンを活用したい、という場合に航空法は必ず関わってきます。
計画しているドローン飛行が航空法にかかわる場合、許可や承認を受けるために書類を出す必要があります。これを”申請”と呼びます。申請には1回ごと行う都度申請と、期間や場所などをまとめて申請を行う包括申請の2種類に分けられます。この記事では包括申請について方法や注意点を解説していきます。

室内でドローンの練習をしてやっと飛ばせるようになってきたな。そろそろ外で飛ばしてみたいなー。ただ近くはどこも航空法で規制されているしどうしよう。。。
じゃあ、ドローンパイロットとしてレベルアップするために許可承認申請を提出してみよう!


許可承認申請・・・飛行するときに毎回やらなければいけないんでしょ?難しそうだしいろんな手続きがあって面倒そう・・・
ある条件を満たしていれば、最長で1年間まとめた申請ができる場合もあるよ。そうすれば申請にかかる時間もとても節約できるようになるよ。ここでは包括申請について説明していくね!

万年エンゲル係数100%男。趣味は散歩とドライブ。
とにかく動いているものが大好きな闘牛みたいな人。取得資格は、JUIDAインストラクター、DJI CAMPインストラクター、3陸特など。
いままで、個人から官公庁向けまで技能・座学講習を幅広く担当し、メディアにも多数露出。自称、当時日本最年少DJI CAMPインストラクター。規制が何かと多いドローンですが、楽しく使えるように最低限のポイントをわかりやすくお届けします!
もくじ
包括申請とは
1回の案件ごとに申請をしていく都度申請とは違い、一度にまとめて申請を行うことを包括申請と呼びます。包括申請のなかでも種類があります。それが下記の三つです。
・期間包括申請
飛行場所を特定した状態で、最長で一年間の申請ができる
・飛行経路包括申請
いくつかの飛行経路をまとめて申請する
・全国包括申請
全国で目視外飛行などの特定の飛行をするときに申請する
申請の方法
基本的にはどの申請もやり方は同じです。
国土交通省のHPからDIPS(https://www.dips.mlit.go.jp/portal/)にアクセスをして画面の指示に従い、申請をします。
申請には業務利用か趣味の飛行かを答える項目があります。趣味の飛行をする場合は、期間包括、飛行経路包括申請はできますが、全国包括申請はできないので注意してください。
また、本来趣味利用のはずなのに業務利用で申請を通している場合、虚偽の申請となる可能性があるので自身の使用にあった申請をするようにしましょう。

申請は基本的に画面の指示に従って答えていくからそんなに難しくなさそう!
もし不備があった場合でも、どこをどう直せばよいか、航空局の担当の方が修正指示を出してくれるから積極的に申請にチャレンジしてみよう!
わからないことがあれば、まず無人航空機ヘルプデスクに電話してみることをおすすめするよ。
(050-5445-4451 受付時間:平日 9時から17時まで 土日・祝・年末年始(12月29日から1月3日)を除く)


虚偽の申請をした場合どうなるの?バレないから大丈夫でしょ??
もし事故が起きた場合は徹底的に捜査されるから虚偽の申請はすぐにわかってしまうよ。その場合、航空法違反に問われてしまうので要注意。自身の範囲内で申請をするようにしないとね。
*航空法第160条の違反となり、50万円以下の罰金になります。(航空法違反ですので前科が付きます。お気を付けください。)

包括申請ができない場合
”申請の方法”でも触れた通り、趣味の場合は全国包括申請はできませんのでご注意ください。ほかにも包括申請ができない場合がありますので代表例をいくつか紹介します。
1, イベント上空の飛行
これは1件ごと、都度申請が必要な飛行形態になります。イベント上空と言っておりますが、人が立ち入らない場所を設けてその中で飛行をしなければならないことや、風速とドローンの速度の和が7m/sを超えた飛行をしてはならないなど、飛行以外の厳しい規制があります。
また、飛行するパイロットは想定される環境で、10回以上の離陸及び着陸を含む3時間以上の飛行実績を有することが求められます。
2, 150m以上の飛行
150mを超える場合、有人機との調整が必要となります。空港事務所・航空管制官との調整があり、許可が下りるものです。150mを超える経路を1つ1つ確認を取る必要がありますので、基本的に包括申請は行えません。
3. 空港周辺
150m以上を飛行する場合と一緒で、空港周辺を飛行する場合は航空機と接触するリスクが高いため包括申請は行えません。(都度空港事務所・管制官など関係各所との調整が必要になります。)
包括申請の落とし穴に注意
包括申請は、DID地区、夜間、目視外飛行のように様々な申請を一度に行えるため、とても便利なものですが、その申請は各々が独立して許可承認が下りているため、申請内容を組み合わせた飛行を行う場合は要注意です。
先ほど例に出した、DID地区、夜間、目視外飛行で考えると、夜間+目視外飛行も大丈夫そうだろう、と考えてしまう方は多いですが、夜間飛行は目視範囲内と航空局マニュアルで定められているため行ってはいけません。。また、DID地区内の夜間飛行や目視外飛行も同様に航空局のマニュアルで行わないこと、と定めているため、申請の解釈を間違えないように注意が必要です。
このような運用をしたい場合は、申請時に使用するマニュアルの変更が必要になります。

そんな落とし穴があるんですね。マニュアルの変更は難しいんですか?
航空法マニュアルをもとにして変更すればいいからそこまで手順は難しくないんだよ!実際に海辺で飛ばしたときは地上風速5m/s以下では環境的に厳しかったので、7m/s以下に記載を変えて通したこともあるんだ。内容によるけどそこまで難しくないからチャレンジしてみよう!

FISSへの登録も忘れずに!
航空法に抵触する飛行を行う場合、FISSへ飛行情報を登録することが義務化されております。慣れてくれば5分程度で登録は終わるようなものですので、DIPSよりは手間がかからず行うことができます。
編集後記
包括申請によって申請の回数を大幅に減らすことができるので、正しく理解をして有効に活用してください!
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