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もくじ
関西国際空港でドローン飛行か
11月9日の午前8時ごろ、関西国際空港の滑走路周辺でドローン(小型無人飛行機)の様なものが飛んでいるのを空港の地上作業員が目撃。国土交通省大阪航空局は同日15分ごろから滑走路を2本とも閉鎖。全ての飛行機の離着陸を停止しました。
国交相は閣議後記者会見でドローン対策について「空港付近で検知するシステムの導入を加速し、警備体制も強化したい」などと述べ、今後のドローン規制のあり方を検討する見通しです。
ドローンはなぜ「危険」なのか?
ドローン(UAV、マルチコプター)は空撮や点検のみならず、物流や農業、人命救助まで幅広い分野に活躍の場を広げつつあります。
ドローンの安定飛行性能や衝突回避能力など、ドローンの性能は毎年大きく進歩しています。したがって、天候も良く正しく整備された場所で飛ばすには、ドローンは特別危険なものではありません。
ですが、ドローンは空を飛ぶもの。空を飛ぶ限り「100パーセント絶対の安全」は存在せず、墜落や衝突をするリスクを完全にゼロにする事はできないため、細心の注意が必要です。
ドローンが空港で起こした事件まとめ
2018年末、不審なドローンが飛来し、ロンドンのガトウィック空港が閉鎖に追い込まれた事件が起こりました。BBCの報道によると利用者12万人が飛行機の欠航や遅延の影響を受けたそうでしす。飛行機のダメージやけが人などは出なかったものの、航空会社や旅行者に与えた被害は甚大なものでした。
ドローン侵入の英ガトウィック空港が再開 犯人なお見つからず – BBCニュース
日本の空港でのドローン侵入事件まとめ
大阪国際空港(伊丹空港)内でドローンらしき物体が飛行し、日本航空機が着陸をやり直したというケースが報道されています。これが2015年の改正航空法で空港周辺のドローン飛行を原則、禁止としてから初めてのケースとして報道されています。
ドローン、伊丹空港を飛行か JAL便が着陸をやり直し:産経ニュース
また、2017年に再び伊丹空港でドローンらしき物が確認され、JAL機が着陸を一度とりやめて、再度やり直したとの報道が。記事によればこのドローンの様なものは「赤色で小鳥くらいの大きさ」だったそうで、トイドローンを飛行させたと推測されています。このドローンらしきものは発見されずじまいで、いまだに正体は不明です。
関空ドローン閉鎖事件の影響力
今回起きた、関西国際空港(大阪府泉佐野市)で9 日朝、滑走路付近にドローンの様なものが飛行しているのを空港作業員が目撃。約1時間20分に渡り全ての離着陸を停止しました。ドローンと見られる物体の影響で関空が離着陸停止になるのは、10月19日と今月7日に続き3度目です。関西エリア担当者は「空港としては注意喚起をお願いするしかない」としています。
今後、この様な事がさらに繰り返し起これば、ドローンの規制がより強化されたり、重大な事故につながりかねません。偶然なのか故意なのか、どちらにせよドローンを飛ばした人の責任や、世間に与える影響力は非常に重大なものです。
ドローン事故への対策まとめ
ドローンの飛行を規制する場所は、航空法で定められています。また、高さの制限も各空港によって定められています。
それらを事前に調べずに飛ばしてしまうと、思わぬ違反や事故につながりかねません。
以下の人口集中地区が確認できるマップや空港周辺の飛行高度制限を確認できるシステムなどを活用しましょう。そして、くれぐれもドローン飛行による事件事故を引きおこさないよう慎重にドローン飛行を行いましょう。
地理院地図
仙台、羽田、伊丹、福岡空港では、周辺におけるドローンの飛行高度などの制限について、インターネットで調査できるシステムを提供しているので、こちらも併せて確認するようにしましょう。
仙台空港:高さ制限回答システム
羽田空港:高さ制限回答システム
伊丹空港:高さ制限回答システム
福岡空港:高さ制限回答システム
ドローン事故対策グッズ紹介
ドローン用パラシュート
ドローンやUAV(無人航空機)が制御不能になってしまった場合には、専用パラシュートを無線で展開できるシステムを持つのが『Mars NOVA(マーズ・ノヴァ)』です。専用の送信機のボタンを長押しすれば準備状態に入り、ダブルクリックすればパラシュートが起動します。電波の有効範囲は見通しの良い場所では1kmほど。バッテリー駆動時間は最大48時間なので、比較的、余裕を持って使用することができます。
ドローン用エアバッグ
MRD社はドローンのフレームに内蔵でき、墜落時の衝撃を和らげられるエアバッグの開発を行なっています。
こちらがフレームにエアバッグを装着したドローンの試作機。
エアバッグは膨らむとこんな感じ。フレームとクッション、ガス発生装置などを含めた重量は約600グラムとのことです。
空中分解するドローン
ドローンに内臓された専用コントローラーが墜落の危険を察知すると自動で機体をバラバラにするという機能の特許を米Amazonが申請しています。ひとつひとつの部品が小さくなれば万が一に空港にドローンが侵入してしまったり、車や家などに衝突しそうになった場合も大きなダメージを与えにくくなるという発想から作られました。
ただし、実際にAmazonがこの仕組みを搭載したドローンを実運用するかは今のところ不明です。
編集後記
ドローンを利用する際には天候の影響やバードストライクなど様々なリスクがあります。また、関空で起きた事件の様に空港への侵入は大きく報道され、今後の日本におけるドローン規制に、大きく影響します。ルールを守り、事前の確認を怠らず、安心で安全なドローン飛行を楽しみましょう。
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