ドローン攻撃によるシリア被害の余波が続く…軍事用ドローンの現在

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12月21日21時48分、シリア中部ホムスで国営の製油所1箇所と天然ガス施設2箇所ががほぼ同時に攻撃され、大規模な火災が発生しました。ドローンによる攻撃の可能性が指摘されており、石油鉱物資源省は「テロ攻撃」と非難。

生産部門の施設が損傷し、操業できなくなりました。火は数時間後に消し止められ復旧を進めているとのことです。死者や怪我人の有無は今のところ不明。犯行声明は出ておらず、現地では事件の全容解明を急いでいます。

9月にはサウジアラビアの油田が攻撃される

9 月にはサウジアラビア王国の国有石油会社『サウジアラムコ』の石油精製施設がドローン攻撃を受け、世界中に衝撃を与えました

サウジアラビアは数十億ドルもの金額を費やし、国防を目的とした最新鋭の防空システムを導入してきました。しかし、この事件はドローンと巡航ミサイルを組み合わせることによって行われた想定外の攻撃。ドローンによる低速で低高度からの攻撃に対してレーダーによる検知やミサイルでの迎撃が難しかったとみられています。

動画:ドローン攻撃で油田が爆発炎上、サウジアラビアで大規模被害発生

この9月に起きた衝撃的な事件で、サウジアラビアにおける原油生産量は半減したといわれています。今後も大規模なインフラ施設が攻撃の標的とされる懸念があり、サウジアラビアでは国防体制の見直しが急務となっています。

海外で進む軍事用ドローンの開発

日本国内におけるドローンの利活用で目立つのは、インフラ点検・調査、災害救助、測量などの産業用ドローンです。または観光地などで空撮を楽しむためのカメラ付きドローンがコンシューマー向けの機体としては目立ちます。

ドローンはモノによっては非常に安価で、操縦も簡単にできるものが多く販売されています。ドローンであれば低速・低高度での飛行が可能になることから、レーダーによる検知やミサイルによる迎撃が非常に難しいとされています。このような背景から、軍事用ドローンは多くの戦地で導入が進んでいます。

中国では軍事用ドローンの開発が急ピッチで進んでいます。その流れに伴いアメリカ政府は、国家安全保障上の懸念を理由として、今年8月に国防権限法が施工されました。この法律は米国における中国製軍事用ドローンの輸入を禁止するというものです。国外のドローンメーカーに対してアメリカの技術供給を停止するなど、様々な国でドローン攻撃への対策が練られています。

防衛省で強化が進む、ドローンの戦術研究

現在、国内では防衛省が飛行ロボット(ドローン)への対策および戦術研究を強化しています。2020年度概算要求では、航空自衛隊において小型無人機対処機材費用に7億円、陸上自衛隊において手のひらサイズの小型ドローン研究費用として1000万円が盛り込まれています。

同じく2020年度より、多数の移動体を協調制御する基礎研究を民間企業のクラスターダイナミクス社に委託予定です。こちらは数十機、数百機におよぶドローンの編隊攻撃に備えるための研究とされています。

現在、ドローンの開発技術や戦術は中国が他国をリードしている状況です。防衛省では、尖閣諸島や都市攻撃においてドローンが使用される可能性が高いとみて、対応準備を進めながら守りを固める計画です。

編集後記

サウジアラビアに続きシリアでもドローンでの攻撃が疑われるような事件が起こりました。世界で軍事用ドローンの研究開発が進む中、日本ではドローン攻撃から国を守るための対策を国をあげて進めています。




2019.12.24