ドローン配送、2022年の実用化を目指して。ANAが独Wingcopterと業務提携。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

ANAホールディングスは4月15日に、固定翼型VTOL(垂直離着陸)ドローンを手がけるドイツのWingcopter社(ウィングコプター)と業務提携したことを発表しました。

WingcopterはシリーズAで約22億8000万を調達しているスタートアップで、最近ではCOVID-19ワクチンをドローンで空輸するための実証実験を行うなど、ヘルスケア関連に重点を置いて事業を進めています。

ドローンによる配送、国をあげて実用化を目指す

政府は小型無人機による空の産業革命にむけたロードマップを公開しており、その中では小型無人機の飛行レベルを4段階に定義。日本政府は、2022年度までには「レベル4」と呼ばれるドローンの有人地帯での目視外飛行の実現を目指しています。

レベル1 目視内での操縦飛行
レベル2 目視内での自動・自律飛行
レベル3 無人地帯※での目視外飛行(補助者の配置なし) ※ 第三者が立ち入る可能性の低い場所(山、海水域、河川・湖 沼、森林等)
レベル4 有人地帯(第三者上空)での目視外飛行(補助者の配置なし)

現在のドローン飛行の規制は「レベル3」の段階。現在はローン機体が操縦者の視界から外れる「目視外飛行」は、第三者が立ち入る可能性が低い場所のみに限定されています。

「レベル4」でのドローン飛行が実現すれば、離島や山間地域でのドローン物流が実用化されますが、ドローンが利用する電波の通信網整備に加え、電波が途絶えた際の備えや、社会受容性なども今後の課題とされています。

日本政府はまずは離島や山間地域などの過疎地へのドローン物流を早急に実用化すべき課題として「レベル3」の規制範囲内で実用化するガイドラインを作成。国をあげてドローン物流の実用化に向けたガイドラインづくりを進めており、新規のドローン物流事業の参入を促す方針です。

ANA、2022年度にドローン物流の実用化を目指す

実証実験の飛行区間概要

ANAホールディングスは2016年よりドローン事業化プロジェクトをスタートし、2022年のドローン配送の実用化を目指して2021年4月15日にドイツのWingcopterと業務提携しました。

ANAHDはWingcopterの固定翼型垂直着陸(VTOL)ドローンを活用した実証実験を3月21日〜26日に実施。列島最大の福江島でで武田薬品の医薬品を積み、185世帯305人が暮らす久賀島までの片道約16キロをドローンで運びました。

ドローンによる物流、特に医薬品配送は、離島や山間部などの過疎地域や海岸線が入り組み陸路での輸送が困難な場所への配送手段、また非接触で荷物を受け取れる手段として期待されています。

Wingcopterの配送ドローンの特徴

VTOL型ドローンとは、滑走せずに垂直方向に離着陸する垂直離着陸機のことです。前進するスピードが速いことに加え、スピード効率も良いことから、海外ではすでに空輸などで多く活用されています。

Wiingcopterの固定翼型ドローンのプロペラが4基をすベて使うのは離着陸時のみです。水平飛行に入る際、前方に左右1基ずつある計2基のプロペラのみを使用します。そのため「ドローン」であるにも関わらず、飛行機のように長距離を高速で飛ぶことができ、なおかつ水平飛行時の騒音を抑えられます。

Wingcpterの固定翼型ドローンは最大飛行距離が120キロ、最大速度は時速約240キロで、最大秒速は約20メートルの強風の中でも自律飛行が可能。ドローン配送でこれまで大きな課題とされていた飛行できる距離に制限がある問題と、飛行速度の問題を解決しました。

今後の課題は配送料

ANAHDのドローン配送事業の今後の課題は「配送料」です。移動販売車などにはすでに国や自治体の補助があることから、ドローン配送にも同様の補助など、ドローン配送の実装化に向けた制度づくりを働きかけていくとしています。

先月ANAHDがWingcopterのドローンで実証実験を進めた長崎県五島市は二次離島も多いことからドローン配送に前向きな姿勢を見せています。今後、ANAHDはすでに飛行実績がある五島列島を軸にしながらドローン配送の実用化を目指していくとしています。





2021.04.19