ドローンを自分で飛行させた経験がある方なら、必ず一度は「DIPS(ドローン情報基盤システム)」という飛行許可承認を申請できるWebサイトを使用したことがあるでしょう。
実はこのDIPSは2022年11月7日から「DIPS2.0」という新しいシステムに生まれ変わるんです。この記事では、なぜ新しくDIPS2.0が開発されたのか、従来のDIPSとは何が違うのかを解説します!
現役ドローンパイロット&ライターとして活動中 / Mini2・Phantom4 Pro+ V.2.0の2台を所有 / DJI CAMP スペシャリスト・ドローン検定3級・UAS Level2取得済 / 執筆のご相談はこちらから
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DIPS2.0とは?

出典:国土交通省航空局「ドローン情報基盤システム2.0<通称:DIPS2.0>とは」(https://tinyurl.com/2dhco84o)
DIPS2.0は「ドローン情報基盤システム2.0」というシステムの略称であり、ドローン(無人航空機)に関する申請のほとんどをDIPS2.0だけで完結させられるシステムです。
2022年10月現在では、機体登録をする場合はドローン情報基盤システム(登録機能:DRS)、包括申請など飛行許可承認申請を行う際はドローン情報基盤システム(飛行許可承認申請機能:DIPS)、自分の飛行情報を共有する際はドローン情報基盤システム(飛行情報共有機能:FISS)と全て別のWebサイトで申請する必要があり、連携性に欠けており、使いにくいと感じることも多々ある状態です。
新しく導入されるDIPS2.0ではDRS・DIPS・FISSと全ての機能を1つのWebサイトで完結して利用できるため、多くのドローンパイロットが待ち望んでいた体制が実現することになったと言っても過言ではありません。
DIPS2.0が導入されることになった背景と理由

出典:国土交通省航空局「ドローン情報基盤システム2.0<通称:DIPS2.0>とは」(https://tinyurl.com/2dhco84o)
2022年12月5日に施行される改正航空法では、ドローンを含む無人航空機としては初の国家資格「無人航空機操縦士」や機体認証、型式認証、飛行情報通報義務とさまざまな制度が新設されます。
国土交通省航空局ではこれら新制度の全てを基本的にオンライン申請のみで完結させる必要があると考えており、これに伴いDIPS2.0は新設されました。
また、国土交通省航空局では従来のDRS・DIPS・FISSがそれぞれ独立したシステムとなっていることを課題としていました。
従来のシステムでは全てログインIDとパスワードが異なっており、当然全てのシステムごとにWEBサイトも異なっています。これに対して管理が煩雑になることや、システムごとの入り口が異なることへの分かりにくさを改善したのがDIPS2.0です。
従来のDIPSとDIPS2.0の違い
従来のDIPSは飛行許可承認申請や操縦者情報の登録以外はできないシステムでした。新設されるDIPS2.0では機体登録、飛行許可承認申請、飛行情報共有を1つのWEBサイトで全ての申請をできるようになり、ログインIDやパスワードは全てが従来の登録機能で使われていたログインID/パスワードのみにまとめられるようになりました。
また、現在無人航空機操縦士の講習に関わる登録講習機関(ドローンスクール)の登録はDRSで行われていますが、この機能もDIPS2.0で申請できるよう集約されます。その他、機体認証や型式認証に関する手続きもDIPS2.0で出来るようになるため、煩雑になりがちだったドローンに関する事務手続きは現在よりも管理・対応がしやすくなると言えるでしょう。
今後DIPS2.0を使用する上での注意点

出典:国土交通省航空局「ドローン情報基盤システム2.0<通称:DIPS2.0>とは」(https://tinyurl.com/2dhco84o)
DIPS2.0自体は2022年11月7日から使用できるのですが、問題なのは改正航空法が施行される2022年12月5日以降の対応です。
2022年12月5日以降に飛行を行う場合、新制度に基づきDIPS2.0で申請をしなければいけません。
ただし、従来のDIPSで申請飛行開始日が2022年12月4日までの飛行については、現行システムでの申請が可能です。
従来のDIPSで2022年12月4日までに行った飛行許可承認申請については、2022年12月5日以降であっても許可承認を受けた有効期間中であれば有効となります。そのため、2022年12月5日以降に新たに飛行許可承認申請を行う場合はDIPS2.0で申請しなければならないと覚えておきましょう。
また、FISSも同様に2022年12月5日以降に行う飛行計画の通報はDIPS2.0で行わなければいけません。もし2022年12月5日以降の飛行で従来のFISSを使用した飛行計画の通報を行った場合、その通報は無効となるため注意しましょう。
編集後記
2022年12月5日に施行される改正航空法に先立ち2022年11月7日にリリースされる、DIPS2.0について解説しました。今まで多くのドローンパイロットが感じたであろう「システムをまとめてくれたらいいのに」が実現するようになり、多くの方にとっては待ちに待った「まとまったシステム」を利用できるようになります。
ただし、2022年12月5日以降に新しく申請を行う際はDISP・DRS・FISSどの機能であってもDIPS2.0で申請しなければいけません。この点をきちんと抑えておけば非常に便利なシステムですので、リリースされるのを心待ちにしておきましょう!
現役ドローンパイロット&ライターとして活動中 / Mini2・Phantom4 Pro+ V.2.0の2台を所有 / DJI CAMP スペシャリスト・ドローン検定3級・UAS Level2取得済 / 執筆のご相談はこちらから