ドローン配送の事例:日本郵便、Amazon、Googleなどの取り組みを10本の動画で紹介

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ドローン配送,イメージ

ドローン配送とは?

ドローン配送とは、ドローンの機体に専用のボックスを装着するなどして空路で輸送を行なうことです。離島や山間部、海岸線が入り組んだ場所など陸路での輸送が困難な場所で活用されるほか、医薬品や輸血用の血液を素早く届けるための方法としても期待されています。

また、日本やアメリカ、ヨーロッパでは倉庫間の物流網が高度に発達しており、比較的スムーズに配送が実現さでていますが、しかし、倉庫から一般家庭やオフィスなどへの配送は、わずかな距離ながら大きな手間がかかります。この「ラストワンマイル」と呼ばれる物流の末端の効率化は現在大きな課題になっており、日本でも宅急便の値上げが行なわれたり、中国で最もEC購入が増える「独身の日」で物流網がパンクしたりした、というニュースをご覧になった方も多いはずです。ドローン配送はこうした「ラストワンマイル」の効率化に期待が持たれています。

【参考記事】ドローン活用事例:空撮、点検に配送から農業まで、27本の動画でまるわかり

ドローン配送のメリットは?

ドローンを配送に利用するもっともわかりやすい利点は手軽に空輸が行える点です。山、海、湖、河、砂漠、密林など陸路で車や人がしにくい場所でも空からであれば挑戦距離で移動できるため速やかに配送が行なえます。

また、ドローンは自律航行(飛行)をする能力を備えているため、離陸から配送、倉庫などへの帰還を自動化できます。現状、法律の規制などにより完全自動での配送が行なえる場所は限られていますが、将来規制緩和が行なわれればドローンによる自動配送が可能になり物流における人手不足の解消が期待できます。

ドローン配送のリスクやデメリット

重量のある物体が空を飛行する以上墜落のリスクを完全にゼロにすることはできません。ドローンの障害物回避能力は急速に進歩しつつありますが、落雷や鳥との衝突、電波のジャミング、射撃や投石などの悪意をもった攻撃までも想定した場合にはドローンが落下するリスクは常に存在しています。そのため、墜落したドローンが人や家財に衝突しダメージを負わせる可能性があることがドローン配送の最大のリスクです。

また、ドローンはモーターや電気回路に浸水してしまうと動作が止まってしまうため雨に極めて弱い機械です。「Matrice 200/210」のような防滴性を備えた機体も登場してはいますが、一般的なドローンは「雨が降ったら飛べない物」なのです。加えて、強風が吹いた場合も、機体スペック的には飛行が可能であっても安全への配慮から離陸させないケースが大半です。このように、車や列車などの陸路での輸送に比べると悪天候に弱いという点がドローン配送のデメリットです。

動画で見るドローン配送
日本国内事例

記事作成時点の2018年末においては、日本では広範にわたるドローン配送の実用化は行なわれていません。しかし、実証実験などは着実に進められており、実用化に向けた取組が行なわれています。ここからはそのような日本国内にけるドローン配送の事例をご紹介します。

ドローン配送事例
日本郵便

【動画】日本郵便が日本初のドローン輸送 来月7日から開始(18/10/31)

日本郵便が、日本で初めて操縦者から見えない場所を飛行するドローンによる荷物の輸送を始めると発表しています。当初は福島県内の2カ所の郵便局と郵便局の間の9kmで使用が始められるそうです。なお、このドローンが搭載できる重量は最大で2kgであると報道されています。

ドローン配送事例
楽天

【動画】楽天・ゼンリンとの3社取り組み

東京電力が持つ送電鉄塔をゼンリンが三次元データ化し、ドローンが安全に飛行できる「ドローンハイウェイ」をつくる計画が進行しています。今回は埼玉県秩父市の「ドローンハイウェイ」上空で楽天ドローンによる試験飛行が行われ、お弁当を空輸することに成功したそうです。

実験が行なわれたドローンハイウェイは民家からダム湖の脇を通って公会堂に至る全長3kmのルート。距離は短くても、高低差があり森や湖を抜けなければならないため、陸路での移動が困難な場所です。
山間部は平地より道路の建設コストが高く、一方で利用者数は少ないため、陸路のインフラ整備が進みにくい状況があります。今後、さらに人口が減り、必ずしも税収が増える見込みがある自治体ばかりでは無いことを考えれば、今後は山奥へはますます行きづらい状況になってしまうかもしれません。

しかし、空輸であれば道路も車も要らず、自動航行が完成すれば操縦士すらも必要ないため、人手不足でも運用が可能です。また、人家がまばらなため、万が一ドローンが墜落した場合でも、都市部に比べて地上の被害がでる可能性がグッと下がるというアドバンテージが山間部にはあります。

【参考記事】3kmのドローンハイウェイでお弁当の空輸に成功!

動画で見るドローン配送
海外の事例

ドローン配送事例
Amazonは機体開発と特許取得を進めている

【動画】Amazon Prime Air

米Amazonは2015年末には配送用ドローンが実際に空を飛ぶ様子を収めた影像を公開するなど、積極的に物流網にドローンを活用する意向であることをPRしてきました。

【動画】Amazon Prime Air’s First Customer Delivery

2016年には、実際の顧客にドローンで配送を行なうなど、実績を積み重ねており関連する技術の特許も積極的に出願しているようです。しかし、2018年末時点においては、広範にわたりドローン配送を行なっているとう状況ではありません。その理由は、技術的課題というよりは規制によるものだそうで、米国のFAA(連邦航空局)が定めるルールにより目視外での飛行ができないため実際の物流現場には導入が進んでいないそうです。

【参考記事】Amazonが5年後実現を約束したドローン配達、5年たったけどどうなってる? | ギズモード・ジャパン

ドローン配送事例
Googleのグループ会社もドローン配送を計画中

【動画】 Loon and Wing: the story of two moonshots

検索エンジン大手である米Googleの社内プロジェクトとして始まったWingは、ドローンによる自動配送の実現に向けた取り組みです。同じプロジェクトは2018年7月にGoogleから独立し、オーストラリアやフィンランドで実証事件を続けているそうです。人口密度が低い地域であれば墜落時のリスクが少ない一方で、空輸を行なうメリットも大きいため、実用化への期待が膨らみます。

ドローン配送事例
物流超大手DHLはすでにドローン配送を実用化済

【動画】ドローン配送:DHLの固定翼機を使用した自動配送システム

ドイツに本社を置く巨大物流企業のDHLはパーセルコプターという物流ドローンの独自開発を進めています。

【動画】Deliver Future: Parcelcopter 4.0 | Delivering vital medicines by drone

また、同社は2018年にはタンザニアのヴィクトリア湖でドローンによる医薬品の配送を開始しました。機体は4代目の「パーセルコプター」で、固定翼を備えた垂直離陸方の「VTOL」です。最高時速は130khで、ペイロードは最大4kgとのこと。「蛇に噛まれた患者に血清を届ける」といった緊急性が高い状況などでの活用も想定されています。

道路の状況が悪い現地では陸路での輸送が困難で、停電が日常的に起こる地域では冷蔵保存が必要な薬品や輸血用の血液の保管が困難であるという状況もあり、その打開策として「配送センター」からドローンで必要な医薬品や血液を送り出す方法に期待が集まっています。

【参考記事】物流の巨人DHLが挑むドローン配送、切り札は固定翼のVTOL機

ドローン配送事例
エアバスはシンガポールの市街地で飛行に成功

【動画】'Skyways' drone – first flight demonstration

空の覇をボーイングと競う世界最大級の航空機メーカーエアバスが、シンガポールで行なっている「ドローン物流」の実証実験の様子を動画で公開しています。『The Skyways(スカイウェイ)』と名付けられたこのプロジェクトは、機体開発に留まらず広範な自動化を含むシステムが構築されています。デモを見る限り「すでに実用レベルなのでは……?」とすら思える域に達しているから驚きです。

ここで明らかにされているエアバスの技術はドローン機体だけに留まらず、自動航行や自動管制、さらには荷物の自動積み下ろしなどのシステムも含まれており、自動化された物流の拠点から「空の回廊」を通って縦横無尽に空の物流網を築く野心的な試みが行なわれています。

【参考記事】エアバスが描く「ドローン物流構想」の現実味

ドローン配送事例
アイスランドではドローンの出前が実用化

【動画】Flytrex Drone Delivery in Reykjavík, Iceland

北欧の国アイスランドではドローンによる食事のデリバリーが行われています。特筆すべきは、これが「実証実験」レベルではなく「民間企業により、実際の業務の中で行われている」という点。しかも、ドローンが飛行しているのが一国の首都というから驚きです。

空を飛ぶドローンは地形の影響を受けずに移動できるため、レイキャビクのように入り組んだ地形をもつ場所での活用に向くテクノロジーです。日本でも、離島や山間部の過疎地域へ物流拠点から荷物を届ける手段として注目さており、長野県などでは実証実験が行われています。

このようにドローン・デリバリーには大きな可能性がありますが、現在(2018年時点)の技術では、メジャーな機体の飛行時間は長くても30分前後に留まるといった課題もあります。水素やガソリンを燃料にする機体の開発も進められていますが、危険物を搭載して飛行するため実用化のハードルは高く、都市部での飛行となれば、なおさら実用化は困難と言わざるを得ません。

日本の首都を配送ドローンが飛び回るようになる日は、まだ少し先になるかもしれませんが、人家がまばらな地域ではそう遠くない将来にレイキャビクのような「ドローン・デリバリー」が実現する日がくるかも!?

【参考記事】首都でドローン配送を実現、アイスランドが「空の出前」を許可した理由

ドローン配送事例
中国のEC大手JD

【動画】 京東物流のドローン機、標高5566mのエベレスト・ベースキャンプ地での飛行テストに成功

中華人民共和国の北京市に本社を置き、中国語圏向けに巨大ECプラットフォームを運営する京東商城(ジンドンしょうじょう/JD.com)。同社は標高5566mのエベレスト・ベースキャンプ付近で物流ドローンのテストを行ない、飛行に成功したと発表しました。テストにはマルチローター機、VTOL機、固定翼機の3種が参加しており、実際に飛行する様子をおさめた映像も公開されています。

【参考記事】中国の巨大EC企業がエベレストでドローンを飛ばす理由

ドローン配送記事のまとめ

ドローンを配送に活用すための技術は整いつつあり、実証実験や部分的な実用化は世界各地で進みつつあります。現状大きく普及していない理由は、おもに規制による面が強いため、法律の改正と規制緩和があれば一気に市場が広がる分野であると言えそうです。

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