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新しい生活様式にドローンが活躍?!コロナ禍の世界で活躍するドローン

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2019年秋に中国の武漢で発症し、瞬く間に世界中に拡散した新型コロナウイルス。感染者は増加し続けており、世界中で外出自粛要請やロックダウンが行われています。

見えない敵の正体が解明されていない現段階で私たちができる事は「密閉・密集・密接」の3密を避けることです。人と接しないよう注意喚起がなされている今、ドローンの利活用が注目されています。

ドローン配送に注目が集まる

未だコロナウイルス収束の兆しが見えないアメリカで、ドローンによる配送サービスが注目されています。グーグルの親会社であるアルファベット社のドローン宅配サービス「ウィング」は、昨年10月より一部地域でドローン配送サービスを始めています。

ドローン配送サービス開始!伊那市×KDDI「ゆうあいマーケット」

 

ウィングは米No.1のドラッグストアチェーンであるウォルグリーンと提携し、ウォルグリーンで販売されている一般用医薬品や加工食品、飲料など100品目の宅配を行なっています。このサービスはウイングの専用アプリで商品を注文すると、ウォルグリーンの店舗から数分で商品が届き、店舗から数分で商品が自宅へ届くシステムです。

南部バージニア州郊外の街クリスチャンバーグでの宅配に限られていましたが、コロナ感染の拡大を受けて地元のレストランや図書館からの配送サービスを開始しました。同社によると、ウィングが運用されているアメリカ、オーストラリア、フィンランドにおけるドローン配送サービスの利用者数は、2月からの2ヶ月間で3.5倍ほど増えたそうです。

ドローンで消毒薬を散布

ニューヨーク州にあるスタートアップ企業のイーグルホークは、ドローンを利活用してスタジアムを消毒するため、ドローンで消毒剤を散布する実験を開始しました。今後はスタジアムのみにとどまらず、大学構内などでも実用化していく方針とのことです。また、中東のイランでは新型コロナウイルス対策として、ドローンで市街を消毒し全土に30万チームを派遣して戸別訪問を実施しました。同様に韓国でもドローンを使用して消毒剤の散布を行うなどの動きがあります。

ドローンで感染注意を呼びかけ

ニュージャージー州では地元警察がドローンを利用してソーシャルディスタンスを守るよう住民に空から注意を呼びかけるなどしています

また中国では、江西省、南昌市、青雲譜区で警官がドローンを使用し、歩行者にマスクを着用するように警告する動画が中国のSNSで話題になりました。新型コロナウイルス感染が拡大して以来、南昌市公安局特警支隊は交通管理局などの部門と共に「ドローン警務連隊」を組織し、地上と空で「立体的」にウイルス対策の「全方位宣伝」を行っています。

ドローンで健康状態をチェック

©︎Vital Intelligence,inc

カナダのサスカトゥーンに拠点を置くドローン会社Draganfly社は、オーストラリア国防省、南オーストラリア大学と、『パンデミックドローン』の共同開発を進めると発表しましたこのプロジェクトにはディープラーニングを活用したヘルスケアデータサービス事業を展開するVital Intelligence社も協力するとのことです。

この『パンデミックドローン』とは、様々なセンサーカメラと人工知能(AI)を組み合わせてドローンに搭載し、人々の健康状態を空からチェックするというもの。元々は戦後や災害救助の際にヘリコプターを使用し、空からバイタルサインを拾って負傷者を見つけていたことから、着想を得たとのことです。

Vital Intelligence社の技術により離れた場所からの心拍数、血圧、体温をチェックすることが可能。ドローンのカメラにセンサーを搭載することで、空からの健康チェックを可能にします。

「パンデミックドローン」導入計画

導入計画ではまず初めに、米国ニューヨークなどの感染者が多数報告されている区域にドローンを配備するとのこと。また病院などの医療施設にも配備し、出入りする人間の感染率を確認するためにも活用したいと開発者は述べています。収集された情報は、個々のユーザーに送信され、安全なクラウドサーバーに保存されます。

現在、米国ではFAAの許認可無しでドローンが人の上空を飛行することは禁じられています。開発者は、このドローンが人々の健康状態を調査するのに、FAAの規制を緩和する必要があると述べています。また、必要なセンサーを搭載するには十分なサイズのドローンである必要があり、ドローンに対する恐れを緩和する努力や、人々の理解も必要であると述べています。

この「パンデミックドローン」は、2~4ヶ月後の完成を予定しているとのことです。

ドローンの積極活用が目立つ中国

中国ではドローン配送会社であるJD.comがロックダウンされた集落に物資を届けました。また、感染震源とされている武漢の近郊で深刻なウイルス被害を受けている浙江省では、杭州のスタートアップであるAntwork社がドローンで医療物資輸送を行いました。

ドローンによる物資の輸送は、荷物と人との接触を減らし二次汚染を防ぎながらも、通常の道路輸送よりも二倍以上も効率を向上させているといいます。中国の有名ドローンメーカーであるDJIも農薬散布用大型ドローンを用いて深圳市で300万坪メートルに消毒剤を散布しました。

こうしたドローンを利用した先進的な取り組みが、コロナウイルスの感染者拡大防止に一役買っています。





2020.08.11