キレイで見やすい映像を撮るにはブレや揺れを抑えることが必要不可欠。しかしカメラを動かしながらの動画撮影は、映像がガタガタ・グラグラと揺れてしまうことが多く、残念な動画になってしまうこともあります。
そんな悩みを解決してくれるのが「ジンバル」です。
この記事では、ジンバルの基本知識から使い方、おすすめモデルなどをご紹介しました。
ぜひ参考にしてください!
・【レビュー】進化した高性能ジンバルカメラDJI Pocket 2を使ってみた!
ジンバルとは?
ジンバルは英語で書くと「Gimbal」。これはもともと「1つの軸を中心として物体を回転させる回転台」を意味する単語です。
これが、カメラや映像に関する文脈で使われる場合には「ブレのないスムーズな映像を撮るための回転台付きグリップ」という意味になります。
このようなジンバルを使うことで、撮影者が動いてもカメラを一定の向きに保ち、揺れや傾きを軽減できます。ジンバルは、スムーズな映像を撮影するために必要なアイテムということです。
ジンバルとスタビライザーの違い
撮影時の揺れを軽減するパーツには、「ジンバル」のほかにも「スタビライザー」と呼ばれるものもあります。それぞれの違いを簡単に説明すると下記の通りです。
- スタビライザー モーター付きジンバルや重り付きのグリップなど、カメラを安定(スタビライズ)させる物全般
- ジンバル スタビライザーの中でも、特にモーターを搭載した電動のものが対象
実はスタビライザーにはいくつか種類があります。
一つはカメラと同じ重量のカウンター・ウェイト(重り)を付けて揺れを軽減するタイプ。もう一つは、モーター付きのタイプです。
前者はジンバルとは異なるものです。
一方で「モーター付きのスタビライザー」と言う場合はジンバルと同じ製品を指します。
2軸ジンバルと3軸ジンバルの違い
ジンバルを搭載した製品のなかには「2軸ジンバル」や「3軸ジンバル」といった表記をしているものもあります。
これらはそれぞれどのような特性を持っているのか説明します。
2軸ジンバルは2方向の揺れを感知します。
ティルト(縦)とロール(回転)の動きを制御することが可能です。
一方、3軸ジンバルは3方向の揺れを感知します。
ティルト(縦)とロール(回転)に加えてパン(横)の動きに対応できるため、2軸ジンバルよりもブレのない映像を撮ることが可能。
ジンバルの呼び方いろいろ
ジンバルについて、言葉の起源からカメラやドローンに使われる文脈での機能性について説明してきました。
安定した映像を撮るのに欠かせないジンバルですが、様々な呼ばれ方をされるのも事実。
ここでは、ジンバルの呼び方一覧をご紹介します。
「いろいろな名前で呼ばれるけど、同じものを指すことがほとんど」と覚えておいていただければ問題ありません。
- ジンバル:だいたいはこれで通じます
- 3軸ジンバル:傾きを補正できる軸数を付けて呼ぶことも。まれに2軸もあります
- ブラシレス・モーター付きジンバル:モーター付きであることを強調する時の呼び方
- 電動スタビライザー:映像を安定(スタビライズ)させるという意味でこう呼ぶ人も
ジンバルの有り/無しの比較
ジンバルを使った場合と、使わない場合で撮れる映像にどのような差があるのかは以下の映像を見るとよくわかります。下記のリンクをクリックすると「手持ち+iPhoneで撮影した例」と「ジンバル手持ち+iPhoneで撮影した例」が見られますので、ぜひ、チェックしてみてください。
- 動画 » 手持ちのみiPhone
- 動画 » ジンバル付きiPhone
ここまでお読みいただければ、ジンバルがどんな物でどのような機能があるのかはだいたいおわかりいただけたと思います。
そこで「購入するにはどれくらいの予算が要る?」「どんな選択肢があるの?」という方に向けて、「iPhone/スマートフォン用」「デジタル一眼カメラ用」「ジンバル搭載ドローン」にわけておすすめの製品をご紹介していきます。
iPhone/スマートフォン用おすすめジンバル
近年のハイエンドスマートフォンには、センサーシフト式のスタビライザーが搭載されている場合もありますが、ジンバルを装着して撮影した映像の滑らかさは別次元。1万数千〜2万円ほどの投資で見違えるような映像が撮影できるようになるので、コダワリの動画を作りたい人には強くおすすめです。
おすすめジンバル【1】
DJI Osmo Mobile 6
民生用ドローンで世界最大のマーケットシェアを持つDJIが、ドローン用ジンバルの開発で培った技術で開発されたジンバル。手頃な値段でハイパーラプスやモーショントラッキングなどの撮影を可能にした「全部入り」の最強モデルです。
おすすめジンバル【2】
AOCHUAN SMART X PRO
コストパフォーマンスの高いジンバルをお探しの方や、今までジンバルを試したことがない方におすすめの商品です。
10,000円代とお手頃価格にも関わらず、プロ仕様の3軸ハンドヘルドジンバルスタビライザーを搭載。ほとんどの機種のスマートフォンで映画のようなクオリティの映像を撮ることができます。
AOCHUAN SMART X PROの概要とスペック
- メーカー名:AOCHUAN
- 製品名:SMART X PRO
- 公称重量:295g
- バッテリー駆動時間:約6時間
- 対応端末:対応端末はこちらでチェック
デジタル一眼カメラ用おすすめジンバル
スマートフォンよりさらに大きいセンサーを搭載し、大口径のレンズを装着したデジタル一眼カメラとスタビライザーの相性は抜群。「ハリウッドレベル」とまで言うと少し言い過ぎかもしれませんが、人目を奪うような映像が撮影できますよ。
おすすめジンバル【3】
DJI RS 3 Mini
2023年1月に発売されたDJIの最新ジンバルDJI RS 3 Mini。RS 3シリーズのDJI RS 3 ProやDJI RS 3がジンバル重量1.3kg以上となる中、DJI RS 3 Miniのジンバルは縦向き撮影時は795g、横向き撮影時は850gととてもコンパクトな設計となっています。設計がコンパクトになったことに伴い、従来の従来のRS 3シリーズよりも携帯性に優れるようになりショルダーバッグにも収まるサイズになりました。なお、小型化はされたものの、カメラやレンズは2kgまで積載可能です。
DJI RS 3 Miniの概要とスペック
- メーカー名:DJI
- 製品名:DJI RS 3 Mini
- 公称重量:850g
- バッテリー駆動時間:10時間
- 対応カメラ:Sony α7シリーズ、Canon Eos Rシリーズ、Nikon Zシリーズ、Panasonic GH5シリーズ、など 互換カメラの詳細はコチラ
▼おすすめ記事
おすすめジンバル【4】
SNOPPA Kylin-M
搭載できるカメラの重量は最大1.8kgで、その分本体もコンパクト。軽めのレンズを装着したミラーレスカメラの組み合わせて使用するのにおすすめの、機動力のあるジンバル。
SNOPPA Kylin-Mの概要とスペック
- メーカー名:SNOPPA
- 製品名:Kylin-M
- 公称重量:980g
- バッテリー駆動時間:12時間
- 対応端末:Sony α7シリーズ、Canon Mシリーズ、Panasonic GH5シリーズ、など
ジンバル搭載ドローンのおすすめ
空を飛ぶドローンは必ず風やモーターの振動による影響を受けます。そこでその揺れを極力抑えるために発展したのがジンバルの技術。滑らかな空撮映像の撮影ができるおすすめドローンをご紹介します。
おすすめジンバル搭載ドローン【5】
DJI Mini 3
小型ながら3軸のメカニカルジンバルを備えているため、ある程度の風や揺れは吸収できます。4K/30fps動画が撮影でき、ドローン初心者におすすめのモデルです。
DJI Mini 3の概要とスペック
- 公称重量:約249グラム
- カメラ性能:4800万画素(1/1.3インチ CMOSセンサー搭載)
おすすめジンバル搭載ドローン【6】
DJI Mavic 3
Mavic 3はレンズを2つ搭載したデュアルカメラシステムを採用。メインカメラのセンサーは4/3インチと大型化に成功し、5.1K/50pの高解像度を実現。
DJI Mavic 3の概要とスペック
- 公称重量:約895グラム
- カメラ性能:5.1K/50fpsおよび4K/60fpsに対応
ジンバルを搭載したカメラのおすすめ
スマートフォンや一眼カメラを搭載するジンバルもいいですが、より身軽な状態で安定した高画質映像を撮りたいという方はこちらの商品もおすすめです。
おすすめジンバル搭載カメラ【7】
DJI Pocket 2
DJI Pocket 2には3軸ジンバルが搭載されており、高精度でブレを補正してくれます。テレビ番組の撮影からYouTubeのvlogまで幅広い用途で活用可能です。
またFacebookやYouTubeで直接ライブ配信を行うこともできます。
従来モデルと大きく変わったのはズーム機能が搭載されたこと。
64MP写真モードで8倍までズームできます。鮮明な状態を映し出すことができるので画角にこだわりのある方も、満足のいく映像や写真が撮れるはずです。
DJI Poket 2の概要とスペック
- 公称重量117g
- カメラ性能:1/1.7インチCMOSセンサー、4K60FPS100Mbps
編集後記
ジンバルはガタつきや揺れの少ないスムーズな映像が撮影するために重要なパーツです。
しかしそれだけではありません。
ジンバルの本領が発揮されるのは、120fpsなどのハイフレームレートで撮影し、スピードランピングや早回しのエフェクトを加えたとき。
手間も工夫も要りますが、バチッと決まればSF映画のようなスタイリッシュな映像が撮影可能です。
以下の動画は『iPhone XS』と『Zhiyun Smooth 4』のみで撮影した動画です。
しかし、スローモーションやスピードランピングと組み合わせることで、インパクトのある映像に仕上がっています。
【補足情報】
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