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コウモリのような「はばたき」による飛行を実現
カリフォルニア工科大学とイリノイ大学大学の研究チームが、まるでコウモリのような伸縮性のある翼を持ったドローンを開発。その仕組みや実際に飛行する様子を動画で公開しています。DJIの『Phantom』シリーズなどのマルチコプターとは全く異なる姿をしていますが、センサーを備え自動で飛行することを目指す小型無人機という意味では、ある種のドローンといえる存在。一体どんな仕組みなのか、その詳細を動画の内容をもとにチェックしてみることにしましょう。
伸縮性のある翼を持ち、センサーを内蔵する
『Bat Bot B2』と名付けられた機体が飛行する様子。一見するとロボットとは思えない、生物のような動きをしています。
動力は電動で動くブラシレスモーターで、回転運動をクランクで翼の「はばたき」に変換することで飛行を実現しているようです。
ジャイロセンサーと加速度計を備えて姿勢制御を行う点は一般的なドローンと同じ。
底部(お腹側)はこんな感じ。
小型の機体なので写真だとわかりづらいですが、実際に飛行している様子は以下の通り。30メートルの直進飛行ができるそうです。
後脚に当たる部分を動かし方向転換も可能。
コウモリ型ドローンが実際に飛行する様子は以下でご覧いただけます。
Advanced Robotic Bat Can Fly Like the Real Thing
編集後記
実用性のほどは定かではありませんが、コウモリやトンボなどの動きを真似たドローン(ロボット)の研究は世界各地で行われています。動力に電動モーターを使用する場合はプロペラなどの回転する部品に動力を伝えるほうが「はばたき」に変換するより効率が良さそうですが、一方ではばたきによる飛行は回転音によるノイズが出ない、遠方からはロボットには見えないといった特性もあります。動画の中では語られてはいませんが、軍事用の偵察機などの用途を想定した開発なのかもしれません。
おまけ
コウモリ型ドローンを開発している研究チームのYouTubeチャンネルには、後日談として「アート作品としてハンブル博物館に展示されたよ!」という報告の動画が公開されていました……実に意外な展開です。