2019年に警察が摘発したドローンに関する事件が100件を超えたことが警察庁の報告より明らかになりました。
去年1年間で空港や住宅密集地(DID)の上空などの禁止区域でドローンを無許可で飛行させたとして摘発された事件は111件に上り、前年の2018年よりも29件増え、過去最多となりました。
ドローンのトラブルが増えている
ドローンを無許可で飛ばした動機は「記念撮影」が54件と最も多く、「操縦の練習」が次に多い34件でした。そのほかには「業務での飛行」や「SNSへの投稿目的」なども見受けられました。
去年はドローンに関する事件で合わせて115人が検挙され、そのおよそ半数が中国人やアメリカ人といった外国人で、訪日観光客が日本の法律を知らずに軽い気持ちでドローンを飛ばしてしまうという事案が目立ちました。
そのほか2019年は関西空港で10~11月、滑走路付近でドローンの目撃情報が相次ぎ、少なくとも4回に渡り滑走路が閉鎖され、飛行機の発着便が遅れるなど非常に大きな混乱が相次ぎました。
ドローンの機体情報、登録が義務化。
近年、農業やインフラ点検でのドローンの普及が進んでいます。その流れに伴い、日本政府はドローンの機体情報の登録を義務付けるという方針を固めました。登録番号を機体に明示する事や航空法の改正を含め、トラブルや事故に対応しやすくなるドローンの制度設計を進めていく考えです。
ドローンの機体情報の登録が義務化されたあとは、所有者や操縦者の名前と住所、ドローンの製造者名や型式、製造番号、機体の重さなどを登録しなければドローンが飛ばせなくなります。
すでに使用されている機体や海外製品なども対象。登録はオンラインで受け付けをし、登録内容や抹消の手続きも必要になる予定です。このドローンの機体情報の登録は米国ではすでに義務付けられており、欧州でも来年から導入される見通しとのことです。
政府はすでに航空機・無人航空機を事前に登録し、機体情報や飛行計画を共有するFISSというシステムを導入しています。今後のドローンの拡大を視野に入れ、事前に申告するシステムの義務化を、航空法の面からも進めていくとのことです。
編集後記
日本でドローンを飛ばすには、空港周辺や人口密集地では航空法に基づき原則として国土交通省の許可がなければドローンを飛行させることができません。違反した際は罰金などが科せられます。また2019年5月には改正ドローン規制法が成立し、新たに東京五輪・パラリンピックの競技会場や自衛隊施設なども禁止区域に含まれました。ドローンに関する法規制に基づき、安心で安全なドローン飛行を楽しみましょう。