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農業xドローン:自動航行での農薬散布も視野に? DJIがAGRAS MG-1強化用のレーダーなどを発表!

2017.10.03

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AGRAS MG-1

ドローンと農業

2022年までに2100億円超に成長すると予測されているドローン関連市場。中でも、ドローンを活用した農業分野には500億円規模の市場が誕生すると見込まれています。

また、日本全体で労働人口の減少が見込まれる中で、それを補い生産力を維持するための方法としてもドローンは注目されており、既に、空中からの農薬散布や作物の生育状況モニタリングなどへの利活用が進みつつあります。

農業ドローンAGRAS MG-1

農業でのドローン活用が進む中、注目したいのが民生用ドローンの世界最大手DJIが2017年の3月に日本で発売を開始した『AGRAS MG-1』です。

今回は、DJI JAPANによる同機の運用実績と今後の展開についてのメディア向け発表会が開催されたので、その様子をレポートします!

会場の様子はこんな感じ。

DJI Japan本社の発表会場

冒頭に登壇したDJI Japanの呉韜社長。

DJI Japan 呉社長

機体の特徴

AGRAS MG-1 を紹介するスライド

人間の60倍早い農薬散布能力

『AGRAS MG-1』は約10リットルの農薬や肥料などを搭載し、最高時速約20kmでの散布が可能。このため、1フライトで最大1ヘクタールという広い面積に効率的に散布が行なえます。なお、DJIによれば、地上で人が作業する場合の40〜60倍の速度で散布を完了できるそうです。

耐候性と安全性

『AGRAS MG-1』は8枚のプロペラを備える冗長設計がなされており、万が一1つのモーターが停止した場合でも墜落を防止できます。また、秒速8メートルの風に耐えることができ、IP43相当の防塵・防滴仕様を備え、ドローンにとって理想的とは言えないようなコンディションでも飛行ができるタフ仕様となっています。また、下側3方向に高度検知レーダーを備えているため、一定の高度を維持することができ安定した農薬の散布が可能とのこと。

AGRAS MG-1 運用実績

機体の特徴に続いては、2017年3月に発売がスタートしてから約半年間における同機の運用実績がDJI Japanから発表されました。

同社は機体の販売だけでなく、整備事業所の整備も進めており、2017年8月末時点では35都道府県に開設が完了しているそうです。また、施設その物の数としては、教育施設が39ヵ所、認定設備事業所が40ヵ所に展開されているとのこと。

DJI AGRAS MG-1の整備事業所、教育施設の開設数推移

教習施設では、座学と実技の授業が行われており、初心者は5日、空中散布の経験者は最短3日間のコースで教習が行われているそうです。なお、同機を使用して農薬散布が行えるオペレーターは2017年9月15日時点で、北海道75名、東北・関東・中部に181名、近畿・中国・四国には123名、九州58名が活動しているそうです。

実際に導入が進んでいるのは水稲・麦・大豆・玉ねぎ・山芋・さとうきびなどの畑で、DJI Japanが把握しているだけでも既に2,500ヘクタールに及ぶ面積にAGRAS MG-1を使った農薬散布が行われているとのこと。これは、東京ドーム530個分以上に相当する面積です。

DJI AGRAS MG-1で農薬散布が行われた畑、作物の種類

なお。DJI Japanは農薬メーカーとも協力して空中散布が行える作物(畑)のバリエーションを増やす取り組みも行っているそうです。

AGRAS MG-1の事故

ドローンの活用を検討する際に必ず懸念となるのはその安全性です。今回のDJI Japanの発表によれば、2017年の3月発売がスタートしてからAGRASが関わる人身事故は発生しておらず、機体の不具合に起因する事故も0件とのことです。

なお、オペレーターの操作ミスによる木の枝との衝突で墜落したケースが2件、鳥との衝突で墜落したケースが1件報告されているそうですが、それ以外はDJI Japanが把握している事故はないそうです。

AGRAS MG-1の新たな拡張機能

今回の発表では新たにAGRAS MG-1に搭載できる拡張機能(アクセサリ・パーツ)もお披露目されました。

障害物回避レーダー

1.5から30メートルの距離、水平方向50°、垂直方向10°の角度で障害物を検知し、回避することができるレーダーです。フライトコントローラーと連動し木の枝などを危険エリア内に検知すると停止(ホバリング)し同時に農薬の散布を停止する機能を備えています。

  • 価格:税込86,400円予定
  • 発売:来シーズン見込み

粒剤の散布装置

DJI AGRAS MG-1の粒剤散布装置

除草剤などの粒状の農薬をドローンから撒くための装置です。積載量は7〜10kgで、粒剤の種類によって異なるとのこと。また、目安として1分間に約1kgの散布が可能だそうです。

  • 価格:税込90,000円予定
  • 発売:2018年第1四半期

農業管理クラウドサービス

上記の2つの装置とは異なり、今回初出の情報ではありませんが、プレゼンテーションで言及があったのがDJI製の無料の『農業管理クラウドサービス』。プロポからLTEネットワークやWiFi回線を通じてクライド上に飛行データなどを送り、農薬散布時に飛行したルートなどを記録できるほか、オペレータの名前や管理する機体の使用状況、保険の契約状況などが確認できるシステムとなっているそうです。

DJI AGRAS MG-1に付属するクラウドサービスを紹介するスライド、保険やオペレーターの情報が一覧できる

また、DJIは発表資料の中で「 本サービスの活用で、散布実績報告の簡易化や機体メンテナンスの時期確認だけでなく、散布したルート情報などを記録し、次回散布の際に情報活用できるため、今後想定される自律散布システムによる自動航行にも応用できます」とも記載しています。

DJI AGRAS MG-1に付属するクラウドサービスを紹介するスライド、過去の飛行ルートが見られる

今後、より効率的にドローンを活用していくためのハブとして、クラウドサービスを利用していく方針もうかがえ、機体のみにとどまらない同社の開発力が感じられます。

ドローンx農業、AGRAS MG-1の展望

農業分野におけるドローンの活用、そしてAGRAS MG-1の今後の展望についてのハイライトは以下の通り。

自動航行

現状は自動航行による農薬や肥料の散布ができない、という制約が有るためドローンを農業に活用するとなると「人が操作するドローンで農薬を散布する」という範囲に留まっています。しかし、自動航行のドローンから肥料や農薬を散布するための技術は既にほぼ確立しており、後は農林水産航空協会などの認定を待つばかりという状況です。

DJI Japanは農林水産省が公募する『平成29年度農林水産業におけるロボット技術安全性確保策検討事業』に参加しており、肥料の散布や自律航行による散布の早期実現に向けての取り組みを進めているとのことです。

DJI AGRAS MG-1発表会の様子

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